『月刊ＭＯＥ』１２月号 『ムーミン』大特集

　１１月２日に発売された『月刊ＭＯＥ（モエ）』１２月号（発行／白泉社）を購入しました。これまで、ディズニー作品やジブリ作品、『アルプスの少女ハイジ』などアニメ関連も数多く特集してきた同誌ですが、今回は『ムーミン』が本国で出版されて７０周年を迎えるということで特集を組んでいます。
　トーベ・ヤンソンさんの故郷フィンランドの現地取材や、ヤンソンさんの元担当編集者、現在の版権管理をされているソフィア・ヤンソンさんへの取材など、読みどころも満載です。
　そして貴重な本国版の初期の単行本や、１９６４年（昭和３９年）に初めて日本で出版された書籍など、これまで国内で発売されてきた書籍を時系列で紹介した記事は資料的価値も高いでしょう。これで日本で、『ムーミン』という作品がどう広がってきたのかも分かります。
　特筆すべきは、今ではなかなか見ることの出来ない１９７０年（昭和４５年）頃の講談社の「カラーテレビ版　ムーミン名作絵ばなし」絵本と、当時のテレビアニメ絵本も数冊紹介されていることです。
　今や、本国のムーミン・キャラクター社の意向なのか、瑞鷹エンタープライズ（制作／東京ムービーから虫プロダクションへ移行）がフジテレビで１９６９年（昭和４４年）１０月から放映していた、テレビアニメ版『ムーミン』や新『ムーミン』はＤＶＤ化や書籍化すらされていません。いくら見たくても再放送の機会もなく、かつて発売されたレーザーディスクやビデオソフトを探すしかありません。
　元々テレビアニメから『ムーミン』のファンになった者としては、トーベ・ヤンソンさんの原作は好きですが、子どもの頃見ていたアニメのムーミンたちにも愛着があります。
　その後、１９９０年代にも『楽しいムーミン一家』としてスタッフも一新し、より原作に沿う形でアニメ化されましたが、やはりカルピス劇場で放映されていたあの『ムーミン』とは違いました。
　原作のテイストを生かしつつ、独特の情感とファンタジーの物語を広げてくれたテレビアニメ『ムーミン』と新『ムーミン』の世界は、忘れることはできません。
　　最近ではなかなか世に出ることのなかったアニメ版『ムーミン』の絵が、絵本の表紙とはいえちゃんとした特集の中で紹介されたことは、かつてのアニメ作品のファンとしても嬉しいことでした。
　

『月刊ＭＯＥ』２０１５年１２月号（発行／白泉社）
と懐かしい「カラーテレビ版ムーミン名作絵ばなし」第３巻
『さよならガオガオ』（発行／講談社）１９７０年４月２０日第一刷


『ムーミン』の動画　　おなじみのキャラクターたちが懐かしいです