アニメコミックスの登場⑩

■　拡大するアニメコミックス市場　１
　
　　大手アニメ誌『アニメージュ』を発行していた徳間書店も、１９８６年（昭和６１年）公開の『天空の城ラピュタ』から、ようやくアニメコミックス市場に参入します。

　以降は、『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』、『おもいでぽろぽろ』（原作／岡本蛍子）など、ジブリ作品のアニメコミックスは、「アニメージュコミックス・スペシャル」というレーベルで出版してくれるようになりました。
　最近でも『風立ちぬ』や『かぐや姫の物語』など、シブリ制作の新作長編映画は必ずアニメコミックス化してくれているのは、ファンとしてもありがたいことです。

　『週刊少年ジャンプ』で人気作を多数抱えていた集英社も、１９８１年（昭和５６年）６月の『Ｄｒ．スランプ　アラレちゃん』（原作／鳥山明）の刊行から、『キン肉マン』（原作／ゆでたまご）。そして、同社『りぼん』に連載されていた人気少女マンガの『ときめきトゥナイト』（原作／池野恋）、『愛してナイト』（原作／多田かおる）などを、「集英社アニメシリーズ」として続々発行していきました。

　同社はその後一時期アニメコミックスの発刊を休止していましたが、根強い人気の『Ｄｒ．スランプ　アラレちゃん』や『ドラゴンボール』（原作／鳥山明）や『ドラゴンボールＺ』、『星闘士☆星矢』（原作／車田正美）、『ＳＬＡＭＤＵＮＫ』（原作／井上雄彦）などの劇場版は、１９９０年代には「ジャンプコミックスセレクション」のシリーズとして刊行しました。

　２０００年代に入ると、ＴＶ版『ドラゴンボールＺ』を新書版で続々とアニメコミックス化していったことは記憶に新しいことです。

　アニメブーム時、『月刊マンガ少年』で早くから「アニメーション・ワールド」を連載していた朝日ソノラマは、当初同誌の連載だった『地球へ……』（原作／竹宮恵子）や、『アンドロメダストーリーズ』（原作／光瀬龍　作画／竹宮恵子）のアニメコミックスは他社での出版でした。
　ただ、同じ原作者による『夏への扉』（原作／竹宮恵子）は、朝日ソノラマで全二巻のアニメコミックスを発刊しています。（つづく）　



「集英社アニメシリーズ」の『Ｄｒ．スランプ　アラレちゃん』第１巻、
『キン肉マン』第１巻、『愛してナイト』第１巻、『ときめきトゥナイト』第１巻