アニメコミックスの登場⑰

■　その後のアニメコミックス　

　最近では、アニメブーム時に出版されていた、初期のアニメコミックスが復刊されています。

　講談社から刊行されていた『あしたのジョー』（原作／高森朝雄・ちばてつや）や、劇場版『機動戦士ガンダム』の三部作、そして『銀河鉄道９９９』（原作／松本零士）などが、１９９８年頃から装丁を変えて復刻版が出版されたのです。

　大手文芸出版社である文芸春秋からは、２０１３年に「文春ジブリ文庫」を創刊し、そのラインナップの中で『風の谷のナウシカ』や、『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』などジブリ映画作品のアニメコミックスを文庫版で発刊しています。
　小学館もこれまで上下巻で出してきた映画『ドラえもん』シリーズや、劇場版『ポケットモンスター』を、新たに合本で再刊しています。
　もはやアニメブーム以降の名作の数々も、古典として認知される時代になったということなのでしょう。

　ＤＶＤやネットなどで、手軽に映像が見やすくなった現在でも、アニメコミックス形式の出版物は出版され続けています。
　アニメの制作現場もセル画からデジタルに移行し、今ではフィルムも使用されていません。初期の頃のような「フィルムコミック」という言葉は、使われなくなっています。

１９７９年（昭和５４年）より刊行され始めたアニメコミックス。その登場から３５年以上が経ちましたが、その時代毎に人気の高い作品がアニメコミックス化されてきました。

　好きなアニメを手元で楽しむことが出来るアニメコミックスは、これからもファンにとって貴重なアイテムであり続けることでしょう。(了)


講談社復刻版アニメコミックス
　『機動戦士ガンダム』第１巻『機動戦士ガンダムⅢ』第１巻
『銀河鉄道９９９』第１巻　『劇場版　あしたのジョー』第１巻