国際映画社が駆け抜けた時代(その13)
- 2014/06/15
- 08:48
■さいごに
何故あの頃、あれほど国際映画社の作品は人気があったのでしょうか。
アニメ雑誌などでも、頻繁に特集を組まれていたことを覚えている方も多いと思います。同時期に放映されていた他社作品に比べると、決してクオリティが高かったとは言えません。
しかし当時、J9シリーズのメンバーや『魔境伝説アクロバンチ』の蘭堂ヒロなどのヒーローたちに熱狂する女性ファンは結構いましたし、『銀河旋風ブライガー』の同人誌はかなりの数が発行されていました。
また男性では『ブライガー』や『バクシンガー』のオープニング、『アクロバンチ』のオープニングや11話「悲恋のサバ王宮」などの作画に注目するファンが多くいました。
『超攻速ガルビオン』の斬新なメカニックや『亜空大作戦スラングル』のセクシーやななこなどの女性キャラたちに夢中だった人もいたでしょう。女性キャラクターのセル画を集めていたファンも、結構いたと記憶しています。
山本正之さんの音楽もファンが多く、『銀河疾風サスライガー』の放映終了後の1984年(昭和59年)2月には、J9をテーマにしたロックコンサート「J9さよならロックコンサート」も開かれたくらいです。
多分、国際映画社の作品は、あの当時十代から二十代だった世代のアニメファンの気分のようなものに、どこかでシンクロしていたのでしょう。
思春期を迎え、建前だけのようなキャラクターに飽き足らなくなっていた時、格好つけながらも本音で生きている自由人のような、そんなクセのある登場人物たちに魅了されたのかもしれません。
見ているファンたちにも、「出来はそんなに良くないかもしれないけれど、キャラクターや音楽、作品の雰囲気はまさに自分たち世代のものだ」というような身内意識、おおげさに言えば“共犯関係”とでもいうような連帯感が芽生えていたのでしょうか。
それゆえに30年以上が経った今もなお、あの頃の作品を愛おしく思い続けているファンも多いのかもしれません。
国際映画社の名を耳にすると、とても懐かしく感じます。今は取り壊されて建て替えられましたが、会社がなくなった後もたまに本社オフィスのあった五反田のビルの前を通ると、足を止めて見上げることもありました。
『ブライガー』や『スラングル』、『サスライガー』など国際映画社の作品を見ていた当時を振り返ると、若い頃の個人的なことなども思い出してしまい、赤面することも多々あります。
とはいえ、あの頃の破天荒でダメだったところもあったけど決して嫌いになれない、そんな不思議な魅力に溢れた作品の数々を、当時の自分の姿も重ねて甘酸っぱくも思い出すのです。(了)

国際映画社の社封筒 「MOVIE INTERNATIONAL CO.LTD.」と英文ロゴも入っていました
何故あの頃、あれほど国際映画社の作品は人気があったのでしょうか。
アニメ雑誌などでも、頻繁に特集を組まれていたことを覚えている方も多いと思います。同時期に放映されていた他社作品に比べると、決してクオリティが高かったとは言えません。
しかし当時、J9シリーズのメンバーや『魔境伝説アクロバンチ』の蘭堂ヒロなどのヒーローたちに熱狂する女性ファンは結構いましたし、『銀河旋風ブライガー』の同人誌はかなりの数が発行されていました。
また男性では『ブライガー』や『バクシンガー』のオープニング、『アクロバンチ』のオープニングや11話「悲恋のサバ王宮」などの作画に注目するファンが多くいました。
『超攻速ガルビオン』の斬新なメカニックや『亜空大作戦スラングル』のセクシーやななこなどの女性キャラたちに夢中だった人もいたでしょう。女性キャラクターのセル画を集めていたファンも、結構いたと記憶しています。
山本正之さんの音楽もファンが多く、『銀河疾風サスライガー』の放映終了後の1984年(昭和59年)2月には、J9をテーマにしたロックコンサート「J9さよならロックコンサート」も開かれたくらいです。
多分、国際映画社の作品は、あの当時十代から二十代だった世代のアニメファンの気分のようなものに、どこかでシンクロしていたのでしょう。
思春期を迎え、建前だけのようなキャラクターに飽き足らなくなっていた時、格好つけながらも本音で生きている自由人のような、そんなクセのある登場人物たちに魅了されたのかもしれません。
見ているファンたちにも、「出来はそんなに良くないかもしれないけれど、キャラクターや音楽、作品の雰囲気はまさに自分たち世代のものだ」というような身内意識、おおげさに言えば“共犯関係”とでもいうような連帯感が芽生えていたのでしょうか。
それゆえに30年以上が経った今もなお、あの頃の作品を愛おしく思い続けているファンも多いのかもしれません。
国際映画社の名を耳にすると、とても懐かしく感じます。今は取り壊されて建て替えられましたが、会社がなくなった後もたまに本社オフィスのあった五反田のビルの前を通ると、足を止めて見上げることもありました。
『ブライガー』や『スラングル』、『サスライガー』など国際映画社の作品を見ていた当時を振り返ると、若い頃の個人的なことなども思い出してしまい、赤面することも多々あります。
とはいえ、あの頃の破天荒でダメだったところもあったけど決して嫌いになれない、そんな不思議な魅力に溢れた作品の数々を、当時の自分の姿も重ねて甘酸っぱくも思い出すのです。(了)

国際映画社の社封筒 「MOVIE INTERNATIONAL CO.LTD.」と英文ロゴも入っていました
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:国際映画社
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