1978年(昭和53年)6月の創刊以来、通巻452号を重ねる老舗アニメ雑誌『アニメージュ』(徳間書店刊)が、雑誌では異例の重版がかかりました。
同誌でも1980年(昭和55年)3月号以来の重版だそうです。この号の特集はいまだに覚えています。
当時は、『機動戦士ガンダム』の視聴率が振るわず1月に最終回を迎えたばかりでした。そんな時期に、まだ何も決まっていなかった劇場映画化を巻頭特集でぶち上げたのです。これには、盛り上がっていたファンもますます熱くなりました。そして、そのパワーは制作側を後押しし、ついに劇場映画化が実現されたのです。
確かに一雑誌の特集だけで、映画化が実現したわけではないでしょう。ただ、その可能性やファンたちの熱狂のゴールというものを、この誌面が明確にしてくれたことは大きかったと思います。その当時『ガンダム』の新情報を求めていたファンの声に押されて、当時も重版が決まったのでしょう。
そして今年1月9日に発売された通巻452号の『アニメージュ』2月号も、『おそ松さん』(原作/赤塚不二夫)人気により即完売となったようです。
私も書店で発売日に見掛けましたが、あとで買おうと思っていたら、もうどこも売り切れてしまってました。
ほぼ入手を諦めていたのですが、ようやく昨日書店の店頭でこの2月号を見つけました。表4の表記を見ると、なんと3刷となっていました。
通常、雑誌は刷った分を売り切って終わりです。それが3刷までかかったとは、異例中の異例でしょう。
記憶に新しい又吉直樹さんの『火花』が掲載された2015年8月発売の月刊誌『文芸春秋』9月号が、やはり雑誌でありながら3刷までかかって話題となりましたが、それ以来のことでしょうか。
同様に『おそ松さん』を特集した『PASH!』1月号や『アニメディア』2月号、『オトメディア』2月号も重版されたそうです。
現在出版不況といわれ、書籍などの出版物は年々売り上げが落ちています。また、雑誌も部数が伸びず、苦戦が続いています。ですが、この『おそ松さん』のようなヒット作が続いて、またアニメ関連の出版やアニメ界自体も元気になってくれるとうれしいです。
『アニメージュ』2016年2月号
表4には3刷の表記が
懐かしの『アニメージュ』1980年3月号
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