ちばあきおさんの『キャプテン』タブロイド判で登場

　『あしたのジョー』（原作／高森朝雄　画／ちばてつや）や、『タイガーマスク』（原作／梶原一騎　漫画／辻なおき）を、発行したタブロイドまんが紙「マンガ・アルチーボ・ウィークリー」（スポーツニッポン新聞社刊）。
　その第３弾として、ちばあきおさんの『キャプテン』が始まっています。

　『キャプテン』は思い出深い作品です。連載当時、周囲はたいがい野球をやってました。私は野球は苦手でしたが、『巨人の星』（原作／梶原一騎　画／川崎のぼる）や『侍ジャイアンツ』（原作／梶原一騎　画／井上コウ）などの野球マンガで親しんでいました。

　小学生の頃、友人が持っていた『月刊少年ジャンプ』で読んだのが最初です。お世辞にもシャープで格好良い絵柄とはいえなかったので、違和感がありました。ただ読み進めていくうちに登場人物たちのひたむきな世界に魅了され、いつのまにかファンになっていました。

　それ以降、最新号が出ると見せてもらい、谷口くんや墨谷二中の物語を楽しみにしていました。当時、ボロボロのジャンプコミックスの１巻と２巻を古本屋で見つけ、少ないおこづかいから買ったことは今も忘れられません。その後、改めてコミックスもそろえて、何度も読み返しています。

　谷口くんのお父さんとの神社裏の特訓や、丸井くんの揺れ動く心、イガラシくんの生意気だけど熱いハートなど、いつ読んでも胸が熱くなります。

　後に『週刊少年ジャンプ』でも、その後の谷口くんを描く『プレイボール』が始まりました。ただ、当初の怪我で野球が出来なくなった谷口くんの姿がつらすぎて、続けて読むことが出来ませんでした。

　１９８０年（昭和５０年）４月には、日本テレビ系でスペシャルアニメが放映されました。ライバルの青葉学院のユニフォームがかなり派手になったのが心配でしたが、かえって青葉出身という谷口への墨谷メンバーの誤解を大きく見せることが出来、効果的でした。原作をしっかりと理解してくれた作りで、アニメ版もファンになりました。

　原作では、近藤くんのキャプテン時代に終わっていますが、出来れば次のキャプテン時代まで読みたかったところです。個人的にはラスト近くで登場した飄々としたＪＯＹくんが、次期キャプテン候補だと予想していましたが、ちばあきおさんはどうお考えだったのでしょうか。

　この『週刊キャプテン』では扉のカラーイラストも楽しみながら、ちばあきおさんの残された素敵な世界をまた読ませていただきたいと思います。



マンガ・アルチーボ・ウィークリー　週刊『キャプテン』（スポーツニッポン新聞社）


アニメ版のノベライズ『キャプテン』（若桜木虔／著）と表紙に使われた谷口くんの動画