アニメ文庫本の興亡史 ②
- 2016/03/13
- 07:30
■ソノラマ文庫(朝日ソノラマ)その1
元々文庫というジャンル自体は、学生向けから大人向けの作品がメインでした。それ以前の成り立ちから考えると、岩波文庫などに代表される教養文庫のような側面が大きいものでした。それが戦後、時代の変化にともない一般文芸なども出版されるようになっていたのです。
そのため、ティーン向けやマンガ系などの作品は、1970年代半ばのアニメブーム以前にはメジャーな存在ではありませんでした。せいぜい秋元文庫などが、少女小説やSFなどを出版していたくらいでした。
そんな時代に、朝日ソノラマは文庫の出版に乗り出しました。もちろん先行していた角川書店や講談社、文芸春秋などよりずっと後発です。
朝日ソノラマは以前から、ソノシートや、少年少女向け小説「サンヤング」シリーズなどを出していました。ですから、最初からターゲットをティーン読者に絞った、「ソノラマ文庫」の創刊に踏み切ったのでしょう。
この頃の少年少女向け読み物は、あくまで小説であり、今で言うライトノベル的なものではありません。現在ではライトノベルの文庫は当たり前のように存在していますが、1970年代には、まだこのジャンルはなかったのです。
ただ、このアニメブーム時に出版されたアニメ作品のノベライズも、ライトノベルのルーツになっていることは間違いないでしょう。
1975年(昭和50年)11月に朝日ソノラマから刊行された記念すべきアニメ文庫の第一弾となったのが、石津嵐さんによる『宇宙戦艦ヤマト』(原案/豊田有恒)のノベライズでした。(つづく)

ソノラマ文庫『宇宙戦艦ヤマト』(石津嵐/著 豊田有恒/原案)
表紙画は、『ゼロテスター』キャラクターデザインの箕輪宗廣さんです
元々文庫というジャンル自体は、学生向けから大人向けの作品がメインでした。それ以前の成り立ちから考えると、岩波文庫などに代表される教養文庫のような側面が大きいものでした。それが戦後、時代の変化にともない一般文芸なども出版されるようになっていたのです。
そのため、ティーン向けやマンガ系などの作品は、1970年代半ばのアニメブーム以前にはメジャーな存在ではありませんでした。せいぜい秋元文庫などが、少女小説やSFなどを出版していたくらいでした。
そんな時代に、朝日ソノラマは文庫の出版に乗り出しました。もちろん先行していた角川書店や講談社、文芸春秋などよりずっと後発です。
朝日ソノラマは以前から、ソノシートや、少年少女向け小説「サンヤング」シリーズなどを出していました。ですから、最初からターゲットをティーン読者に絞った、「ソノラマ文庫」の創刊に踏み切ったのでしょう。
この頃の少年少女向け読み物は、あくまで小説であり、今で言うライトノベル的なものではありません。現在ではライトノベルの文庫は当たり前のように存在していますが、1970年代には、まだこのジャンルはなかったのです。
ただ、このアニメブーム時に出版されたアニメ作品のノベライズも、ライトノベルのルーツになっていることは間違いないでしょう。
1975年(昭和50年)11月に朝日ソノラマから刊行された記念すべきアニメ文庫の第一弾となったのが、石津嵐さんによる『宇宙戦艦ヤマト』(原案/豊田有恒)のノベライズでした。(つづく)

ソノラマ文庫『宇宙戦艦ヤマト』(石津嵐/著 豊田有恒/原案)
表紙画は、『ゼロテスター』キャラクターデザインの箕輪宗廣さんです
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