アニメ文庫本の興亡史 ⑩
- 2016/05/04
- 08:00
■ 秋元文庫(秋元書房) その2
秋元文庫の『テレビまんが物語 一休さん』の装丁や挿絵は、本編画像を使用せず新たに描き下したものでした。アニメ版そのままのイラストでしたので、作画監督クラスのアニメーターが描いたように思えたのです。
本には、カバー・挿絵の担当として「ジュニオ・プロ」とだけ記されていました。この絵が良かったので、どなたが描かれたのか当時からとても気になっていました。
『一休さん』のキャラクターデザインを担当され、シリーズ前半の作画監修だったアニメーターの我妻宏さんに、後年お会いした際、ご本人が描かれていたと確認させていただき、やっと納得できました。
アニメ雑誌の表紙などに描かれた我妻さんのタッチを見て、多分そうではないかとは思っていたのです。
我妻宏さんはイラストも描かれる多彩な方で、アニメの原画とはタッチを変えた絵は淡い水彩のカラーもモノクロも雰囲気がよく素敵です。
この秋元文庫版は2巻まで発行されましたが、挿絵も魅力的ですので、機会がありましたら是非ご覧いただきたいと思います。
元々秋元文庫は、中高生向け読者を意識して表紙や挿絵などにも、マンガやアニメ関係者を起用してきました。みつはし・ちかこさんや、杉山卓さんも表紙や挿絵を描いています。
『一休さん』関連の出版物は、子ども向けのひかりのくにの絵本シリーズや、日貿出版から出された描き下ろしのコミカライズのコミックスも出ていました。両タイトルとも異例のロングシリーズになりました。
当時の『一休さん』という作品の、人気ぶりが分かるようです。
この秋元文庫でのアニメ作品のノベライズは、『一休さん』のみでした。2巻以降は刊行されていなかったようです。人気作品ではあったのですが、文庫版ノベライズとしては適していなかったということでしょうか。
アニメファンには、秋元文庫からその後に出版された杉山卓さんの労作『テレビアニメ全集』全3巻のほうが、より印象に残っているかもしれません。(つづく)
秋元文庫 『テレビまんが物語 一休さん(2)』(テレビまんがスタッフ/編)
『テレビアニメ全集 ①』(杉山卓/著)
秋元文庫の『テレビまんが物語 一休さん』の装丁や挿絵は、本編画像を使用せず新たに描き下したものでした。アニメ版そのままのイラストでしたので、作画監督クラスのアニメーターが描いたように思えたのです。
本には、カバー・挿絵の担当として「ジュニオ・プロ」とだけ記されていました。この絵が良かったので、どなたが描かれたのか当時からとても気になっていました。
『一休さん』のキャラクターデザインを担当され、シリーズ前半の作画監修だったアニメーターの我妻宏さんに、後年お会いした際、ご本人が描かれていたと確認させていただき、やっと納得できました。
アニメ雑誌の表紙などに描かれた我妻さんのタッチを見て、多分そうではないかとは思っていたのです。
我妻宏さんはイラストも描かれる多彩な方で、アニメの原画とはタッチを変えた絵は淡い水彩のカラーもモノクロも雰囲気がよく素敵です。
この秋元文庫版は2巻まで発行されましたが、挿絵も魅力的ですので、機会がありましたら是非ご覧いただきたいと思います。
元々秋元文庫は、中高生向け読者を意識して表紙や挿絵などにも、マンガやアニメ関係者を起用してきました。みつはし・ちかこさんや、杉山卓さんも表紙や挿絵を描いています。
『一休さん』関連の出版物は、子ども向けのひかりのくにの絵本シリーズや、日貿出版から出された描き下ろしのコミカライズのコミックスも出ていました。両タイトルとも異例のロングシリーズになりました。
当時の『一休さん』という作品の、人気ぶりが分かるようです。
この秋元文庫でのアニメ作品のノベライズは、『一休さん』のみでした。2巻以降は刊行されていなかったようです。人気作品ではあったのですが、文庫版ノベライズとしては適していなかったということでしょうか。
アニメファンには、秋元文庫からその後に出版された杉山卓さんの労作『テレビアニメ全集』全3巻のほうが、より印象に残っているかもしれません。(つづく)

秋元文庫 『テレビまんが物語 一休さん(2)』(テレビまんがスタッフ/編)
『テレビアニメ全集 ①』(杉山卓/著)
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