「ササユリカフェ」に行ってきました
- 2016/06/05
- 07:44
スタジオジブリ出身のアニメーターで、書籍『エンピツ戦記』を昨年出版された舘野仁美さんのお店「ササユリカフェ」に先週末お邪魔してきました。
「大塚康生(さんのお宝をみんなで持ち寄り)展」が5月末まで開催されていましたので、会期中なんとか間に合うことができました。
壁には、新刊『大塚康生の機関車少年だったころ』出版記念ということで、大塚さんが少年時代にスケッチした機関車の絵が飾られ、その下には大塚さんのスクラップなど貴重な資料が展示されていました。
当時山口県から福岡県を股にかけてまわった地図もあり、小学生時代にこれだけの長距離を遠征しスケッチされたバイタリティに改めて脱帽でした。
有志が持ち寄ったという大塚さんの原画コピーはカット毎にまとめられ、所せましとならべられていました。『ルパン三世』や、『どうぶつ宝島』、『未来少年コナン』、『じゃりんこチエ』、そして『リトルニモ』など、大塚さんのお仕事の歩みか分かる、興味深い展示でした。
通常の個展でしたら、直筆の原画自体を額に入れて見せるのでしょうが、あえて原画と作監修正のコピーをカット毎にまとめて誰でもパラパラとめくれるようにしてくれたのが、ファンにはとてもありがたかったです。
『侍ジャイアンツ』のキャラクター表のをまとめたファイルには大塚さんの制作当時の回想も記され、監督と衝突したあと、各作画プロダクションをまわり作画指導をされていたことが分かりました。
以前、石黒育さんにお話をうかがった際、当時大塚さんがわざわざ出向いてくれて、いろいろと教えてくださった、と感謝されていたことを思い出しました。
『作画汗まみれ』では作画監督を実質的に降りたあと、毎日プラモデル作りに励むことになった、と書いておられましたが、実際は各作画プロダクションを回って精力的に指導されていたことが分かったことも収穫でした。
今回の展示で特に感銘を受けたのは、大塚さんが若き時代に模写されたアニメーションの教則マニュアルです。まだ日本ではマニュアルなどは出版されておらず、一部だけに海外の技術書が出回っていた頃です。
コピーもない時代、大塚さんはそれを手に入れるため、お借りしてすべてご自身で描き写されたのです。何十ページに渡って丁寧に書き写された解説の英文や動きの図解、そして動画を紹介した新聞記事の文章などには圧倒されました。これを見て、改めてプロフェッショナルになるべくしてなられた、探求する姿勢の凄味を感じました。
そのほか、大工原さんの変わった文字の入った『少年猿飛佐助』のイラスト集や、『ルパン三世』のキャラクター表。実際には制作されなかった『ゴン』の絵コンテなど、大塚さんの手がけた作品資料が数多く公開され、見ごたえのある展示を楽しませていただきました。

ササユリカフェのビル入り口前にあった看板

大塚さんが若い頃模写されたマニュアルにもあった図
虫プロでも、このマニュアルを描き写されていた方はいたようです。

大塚さんのダイナミックな水流の原画
「大塚康生(さんのお宝をみんなで持ち寄り)展」が5月末まで開催されていましたので、会期中なんとか間に合うことができました。
壁には、新刊『大塚康生の機関車少年だったころ』出版記念ということで、大塚さんが少年時代にスケッチした機関車の絵が飾られ、その下には大塚さんのスクラップなど貴重な資料が展示されていました。
当時山口県から福岡県を股にかけてまわった地図もあり、小学生時代にこれだけの長距離を遠征しスケッチされたバイタリティに改めて脱帽でした。
有志が持ち寄ったという大塚さんの原画コピーはカット毎にまとめられ、所せましとならべられていました。『ルパン三世』や、『どうぶつ宝島』、『未来少年コナン』、『じゃりんこチエ』、そして『リトルニモ』など、大塚さんのお仕事の歩みか分かる、興味深い展示でした。
通常の個展でしたら、直筆の原画自体を額に入れて見せるのでしょうが、あえて原画と作監修正のコピーをカット毎にまとめて誰でもパラパラとめくれるようにしてくれたのが、ファンにはとてもありがたかったです。
『侍ジャイアンツ』のキャラクター表のをまとめたファイルには大塚さんの制作当時の回想も記され、監督と衝突したあと、各作画プロダクションをまわり作画指導をされていたことが分かりました。
以前、石黒育さんにお話をうかがった際、当時大塚さんがわざわざ出向いてくれて、いろいろと教えてくださった、と感謝されていたことを思い出しました。
『作画汗まみれ』では作画監督を実質的に降りたあと、毎日プラモデル作りに励むことになった、と書いておられましたが、実際は各作画プロダクションを回って精力的に指導されていたことが分かったことも収穫でした。
今回の展示で特に感銘を受けたのは、大塚さんが若き時代に模写されたアニメーションの教則マニュアルです。まだ日本ではマニュアルなどは出版されておらず、一部だけに海外の技術書が出回っていた頃です。
コピーもない時代、大塚さんはそれを手に入れるため、お借りしてすべてご自身で描き写されたのです。何十ページに渡って丁寧に書き写された解説の英文や動きの図解、そして動画を紹介した新聞記事の文章などには圧倒されました。これを見て、改めてプロフェッショナルになるべくしてなられた、探求する姿勢の凄味を感じました。
そのほか、大工原さんの変わった文字の入った『少年猿飛佐助』のイラスト集や、『ルパン三世』のキャラクター表。実際には制作されなかった『ゴン』の絵コンテなど、大塚さんの手がけた作品資料が数多く公開され、見ごたえのある展示を楽しませていただきました。

ササユリカフェのビル入り口前にあった看板

大塚さんが若い頃模写されたマニュアルにもあった図
虫プロでも、このマニュアルを描き写されていた方はいたようです。

大塚さんのダイナミックな水流の原画
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