昨日から、『風のように』の一般公開が下北沢トリウッドにて、スタートしました。
私も初日、一回目の上映に行ってきました。
総席数50名弱の小規模な劇場でしたが、やはりスクリーンで見るアニメーション作品は格別でした。今回は完成を待ち望んでいたこともあって、40分間の上映を時間を忘れて楽しませてもらいました。
チヨと三平、カメ吉や子ども達、そして村の大人たち、一人ひとりおろそかにせず丁寧に描かれたキャラクター。そして古き良き自然に溢れた日本の風景を、暖かく丁寧に描写した美術。
キャラクターの描線もデジタル作品にありがちな単一無個性のものではなく、原作のちばてつやさんのあたたかみのある線を再現しようとされていることがわかりました。
上映後には、監督の本多敏行さんや作画監督の野口征恒さんとともに、原作者であるちばてつやさんも登壇され、ミニトークショーが行われました。
ちばさんの『風のように』を執筆された動機は、何度お聞きしても心に響きました。なんとか美しい自然に恵まれた環境を守りたいというお気持ちは、このアニメを通じてより多くの人に届くと思います。
本多さんは、子供の頃は身体が大きかったのでガキ大将的存在だったそうで、カメ吉に特に思い入れがあったそうです。
作画監督である野口さんの、ちば作品と『あしたのジョー』愛は、ここでも爆発しました。なんと、カメ吉の原型と考えられるキャラクターが『あしたのジョー』に出ていたそうです。野口さんが持参したそのコピーを見て、ちばさんもその偶然に驚いておられました。
会場には、チヨの声優である小峰みなみさんとナレーションを担当された柳沢三千代さんも駆けつけて、イベントに花を添えてくれました。
この公開初日を迎えた東京の空は、雨模様でした。多くの人の思いの詰まった『風のように』が、公開という芽を出したこの日、自然にとって恵みとなる雨が降ったのです。
今後この芽がすくすくと育つように、天も応援してくれるかのようにも思えた土曜の午後でした。
『風のように』トークショーでの一コマ 左から、野口さん、ちばさん、本多さんです。
パンフレットも劇場で販売中です。
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