アニメ文庫本の興亡史 ㉑
- 2016/07/16
- 09:33
■ アニメージュ文庫(徳間書店)その2
創刊時アニメージュ文庫は、『アニメージュ』の弟として「AMJuJu」(ジュジュ)という愛称でレーベルイメージをスタートさせました。余談ですが、兄という立場では「ロマンアルバム」ということだったのでしょう。
当初この文庫は、5つの部門を売りにしていました。黒の背表紙はノベライズ。キャラクターのビジュアル本は、青。フィルム文庫は、白。アニメスタッフの自伝やエッセイは、黄色。アニメージュ本誌の連載関連は、緑の背表紙でした。それぞれのジャンルごとに通し番号も違っていました。
以降「アニメージュ文庫」では、宮崎駿さんによる『風の谷のナウシカ』の絵コンテ全2巻や、声優・島本須美さんの『これからの私』、森やすじさんの『アニメーターの自伝 もぐらの歌』、高畑勲さんによる『ホルスの映像表現』など、『アニメージュ』発らしい、内容の充実した文庫を次々に刊行していきました。
個人的に嬉しかったのは、アニメ映画のポスターを集めた『日本アニメーション映画ポスター史』(平出文己男コレクション)上下巻や、『未来少年コナン』の名シーンやイラストボードを集めたビジュアル版『また、会えたね!』(富沢洋子/編)、そして宮崎駿さんが手掛けた『名探偵ホームズ』の全6巻や『ANIMETION GALS 1・2』など、アニメの画面が充実したビジュアル文庫でした。
また文庫オリジナルの小説も発刊していました。『デジタル・デビル・ストーリー』(西谷史/著 北爪宏幸/イラスト)や、その後OVA化された『永遠のフィレーナ』(首藤剛志/著 高田明美/イラスト)、『緋牡丹警察2-0』(鳴海丈/著 いのまたむつみ/イラスト)など、人気アニメーターを装画に起用したオリジナル小説は、ライトノベルのルーツのひとつになっていると思います。
やがて、いつしか背表紙の色は水色に統一されました。書店での棚取りにも苦戦していたのかもしれません。背表紙の統一感は出ましたが、創刊当時のにぎやかな色合いからすると、ちょっと味気なくも感じました。
その後アニメージュ文庫は、一時期刊行を休止していたようです。
現在は『アニメージュ検定(ロボット・SF編)』や富野由悠季さんの本誌の人気連載をまとめた『富野に訊け!!』などの新刊が、新たに刊行されているのはうれしいことです。(つづく)

アニメージュ文庫『アニメーターの自伝 もぐらの歌』(森やすじ/著)
『日本アニメーション映画ポスター史(上)平出文己男コレクションより』、
『また、会えたね!』(富沢洋子/編)、『富野に訊け!!』(富野由悠季/著)
創刊時アニメージュ文庫は、『アニメージュ』の弟として「AMJuJu」(ジュジュ)という愛称でレーベルイメージをスタートさせました。余談ですが、兄という立場では「ロマンアルバム」ということだったのでしょう。
当初この文庫は、5つの部門を売りにしていました。黒の背表紙はノベライズ。キャラクターのビジュアル本は、青。フィルム文庫は、白。アニメスタッフの自伝やエッセイは、黄色。アニメージュ本誌の連載関連は、緑の背表紙でした。それぞれのジャンルごとに通し番号も違っていました。
以降「アニメージュ文庫」では、宮崎駿さんによる『風の谷のナウシカ』の絵コンテ全2巻や、声優・島本須美さんの『これからの私』、森やすじさんの『アニメーターの自伝 もぐらの歌』、高畑勲さんによる『ホルスの映像表現』など、『アニメージュ』発らしい、内容の充実した文庫を次々に刊行していきました。
個人的に嬉しかったのは、アニメ映画のポスターを集めた『日本アニメーション映画ポスター史』(平出文己男コレクション)上下巻や、『未来少年コナン』の名シーンやイラストボードを集めたビジュアル版『また、会えたね!』(富沢洋子/編)、そして宮崎駿さんが手掛けた『名探偵ホームズ』の全6巻や『ANIMETION GALS 1・2』など、アニメの画面が充実したビジュアル文庫でした。
また文庫オリジナルの小説も発刊していました。『デジタル・デビル・ストーリー』(西谷史/著 北爪宏幸/イラスト)や、その後OVA化された『永遠のフィレーナ』(首藤剛志/著 高田明美/イラスト)、『緋牡丹警察2-0』(鳴海丈/著 いのまたむつみ/イラスト)など、人気アニメーターを装画に起用したオリジナル小説は、ライトノベルのルーツのひとつになっていると思います。
やがて、いつしか背表紙の色は水色に統一されました。書店での棚取りにも苦戦していたのかもしれません。背表紙の統一感は出ましたが、創刊当時のにぎやかな色合いからすると、ちょっと味気なくも感じました。
その後アニメージュ文庫は、一時期刊行を休止していたようです。
現在は『アニメージュ検定(ロボット・SF編)』や富野由悠季さんの本誌の人気連載をまとめた『富野に訊け!!』などの新刊が、新たに刊行されているのはうれしいことです。(つづく)

アニメージュ文庫『アニメーターの自伝 もぐらの歌』(森やすじ/著)
『日本アニメーション映画ポスター史(上)平出文己男コレクションより』、
『また、会えたね!』(富沢洋子/編)、『富野に訊け!!』(富野由悠季/著)
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