祝『夜廻り猫』単行本化
- 2016/08/11
- 06:33
深谷かほるさんの『夜廻り猫 第1巻』(KADOKAWA刊)が出ました。
これは深谷さんがネットのインスタグラムで、ほぼ毎日発表されていたものをまとめたものです。私も時々読ませてもらっていました。
街を夜廻りする黒猫の平蔵さんが、涙の匂いを察知し、心の中で泣いている人びとや猫のもとに訪れる物語です。
この頭に猫缶をかぶった平蔵さん、決してスーパーマンではありません。この世にあふれる様々な哀しみを解決することは出来ません。ただそんな哀しみを抱える人のもとに現れ、寄り添ってくれるのです。
猫の世界も、決して楽ではありません。平蔵さん自身の背中も、日々の闘いで傷だらけです。
時には、家の子になれば、と誘ってくれる暖かな家庭もありました。
それでも、彼は毎晩、哀しみを抱えた人びとや猫たちのために夜廻りを続けているのです。
作者の深谷かほるさんは、『カンナさーん!』、や『ハガネの女』など、人気作を多数持つマンガ家さんです。私も、25年前『エデンの東北』に触れ、深谷さんの描き出す世界に魅かれた一人です。
東北地方の、幼い姉弟を中心に、その家族を描いた作品は毎回、楽しく心暖まるものでした。それぞれのキャラクターも魅力的でしたが、特に好きだったのが、リスのしんごでした。
無邪気で幼いしんごですが、飼い主のお姉ちゃんと弟のあきらくんが大好きで、なんとかして役立ちたいと、小さいながらもい健気なのです。考えてみれば、このしんごも、夜廻り猫の平蔵さんの原型になっているような気もします。
『夜廻り猫 1』に収録された第11回では、吉田家を訪れたエピソードに喜んだ『エデンの東北』ファンも多かったことでしょう。
今回単行本化に際して、新たに描き下ろされた、それぞれの扉イラストもうれしいものでした。毎ページにぎっしり詰め込むよりも、見開き毎にそれぞれのエピソードに合ったイメージイラストがあるほうが、作品をより味わい深くしていると思います。
100枚以上の新たなイラストを描き下された、深谷さんには感謝です。
そしてこれからも、平蔵さんたち夜廻り猫の世界を楽しみにしています。

深谷かほる著『夜廻り猫 1』(KADOKAWA刊)
かなり好評で重版も続々されているようです。
左側の初回出荷限定のカバー裏には、カラーの「夜廻り新聞」が掲載されています。
3刷以降は、通常版でした。「夜廻り新聞」が見たい方は、オビにご注意ください。
これは深谷さんがネットのインスタグラムで、ほぼ毎日発表されていたものをまとめたものです。私も時々読ませてもらっていました。
街を夜廻りする黒猫の平蔵さんが、涙の匂いを察知し、心の中で泣いている人びとや猫のもとに訪れる物語です。
この頭に猫缶をかぶった平蔵さん、決してスーパーマンではありません。この世にあふれる様々な哀しみを解決することは出来ません。ただそんな哀しみを抱える人のもとに現れ、寄り添ってくれるのです。
猫の世界も、決して楽ではありません。平蔵さん自身の背中も、日々の闘いで傷だらけです。
時には、家の子になれば、と誘ってくれる暖かな家庭もありました。
それでも、彼は毎晩、哀しみを抱えた人びとや猫たちのために夜廻りを続けているのです。
作者の深谷かほるさんは、『カンナさーん!』、や『ハガネの女』など、人気作を多数持つマンガ家さんです。私も、25年前『エデンの東北』に触れ、深谷さんの描き出す世界に魅かれた一人です。
東北地方の、幼い姉弟を中心に、その家族を描いた作品は毎回、楽しく心暖まるものでした。それぞれのキャラクターも魅力的でしたが、特に好きだったのが、リスのしんごでした。
無邪気で幼いしんごですが、飼い主のお姉ちゃんと弟のあきらくんが大好きで、なんとかして役立ちたいと、小さいながらもい健気なのです。考えてみれば、このしんごも、夜廻り猫の平蔵さんの原型になっているような気もします。
『夜廻り猫 1』に収録された第11回では、吉田家を訪れたエピソードに喜んだ『エデンの東北』ファンも多かったことでしょう。
今回単行本化に際して、新たに描き下ろされた、それぞれの扉イラストもうれしいものでした。毎ページにぎっしり詰め込むよりも、見開き毎にそれぞれのエピソードに合ったイメージイラストがあるほうが、作品をより味わい深くしていると思います。
100枚以上の新たなイラストを描き下された、深谷さんには感謝です。
そしてこれからも、平蔵さんたち夜廻り猫の世界を楽しみにしています。

深谷かほる著『夜廻り猫 1』(KADOKAWA刊)
かなり好評で重版も続々されているようです。
左側の初回出荷限定のカバー裏には、カラーの「夜廻り新聞」が掲載されています。
3刷以降は、通常版でした。「夜廻り新聞」が見たい方は、オビにご注意ください。