■ 講談社X文庫
「双葉社アニメ文庫」の創刊された1984年(昭和59年)10月には、文庫大手の講談社からティーン向けの新たなレーベル「講談社X文庫」も創刊されました。
「講談社X文庫」は当初、映画『グレムリン』や『ゴーストバスターズ』、『ゴジラ』、『ビバリーヒルズ・コップ』、『ターミネーター』など話題作のノベライズをメインにしたラインナップでした。
アニメ作品も、劇場版の『SF新世紀レンズマン』(原作/E・E・スミス 文/吉川惣司)の上下巻や、初のOVA作品となった『ルナリアン伝説ダロス』(文/鳥海永行)。『超時空要塞マクロス』の主力スタッフが集結し話題を呼んだOVA『メガゾーン23』(文/石黒昇)。そして、金田伊功さんのオリジナルOVA『バース』(文/首藤剛志)などが刊行されています。
使われていたキャッチコピーは、「読むと見える」です。まさに映像作品のノベライズにふさわしい名コピーでした。
この頃、ビデオデッキは各家庭に急速に広まっていましたが、ビデオソフトの値段は大体1万円以上はして高価なものでした。それもあって、まだ活字で作品を楽しむ世代も多かったのでしょう。
この「講談社X文庫」は、前述の『幻夢戦記レダ』の菊池秀行さんのほか、『グリード』は、花井愛子さん、『ターミネーター』は吉岡平さん、『幻夢戦記レダ』では菊地秀行さん、などと、以降人気となる若手作家を多用していたことでも知られています。
その後「講談社X文庫」は、ライトノベル系の人気レーベルとして、発展していきました。(つづく)
講談社X文庫 『SF新世紀レンズマン(上)』(原作/E・E・スミス 文/吉川惣司)、『ダロス』(文/鳥海永行)、
『メガゾーン23』(文/石黒昇 絵/美木本晴彦・平野俊弘・板野一郎)、『バース』(文/首藤剛志 絵/金田伊功)
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