アニメ文庫本の興亡史 ㉘
- 2016/09/03
- 10:01
■ 新潮文庫名作アニメシリーズ その1
1980年代後半になると、各出版社もライトノベル文庫を手掛けるようになり、ヒット作も次々と出てきます。ただテレビアニメ自体にはブームを牽引するような大ヒット作がなくなり、ノベライズも次第に影が薄くなってきました。逆にこの頃からはライトノベルの人気作が、頻繁にアニメ化されるようになっていきます。
書店でも、この時期から文庫の棚では、どんどんライトノベルコーナーが拡張していきました。
既存の文庫も続々刊行されるライトノベルの新刊の波に押され、既刊棚からも老舗の文庫が減少していくことにもなりました。
そんな過渡期に一般文芸書文庫の大手、新潮文庫からフィルムをメインにしたアニメ文庫が刊行されたのです。老舗レーベルからの出版でしたので、まさに突然という印象でした。
これは1986年(昭和61年)4月から放映された『青春アニメ全集』というテレビアニメの文庫化でした。新潮社も企画に参加し、日本アニメーションが製作したシリーズです。
各話ごとに夏目漱石の『坊っちゃん』や、川端康成の『伊豆の踊り子』、堀辰雄の『風立ちぬ』などの名作文学を、アニメ化しました。キャラクターデザインに、ちばてつやさんや、石ノ森章太郎さん、本宮ひろ志さんなど有名なマンガ家を起用したことでも当時話題になりました。
この放映時期に合わせ、原作の新潮文庫版の表紙もそれぞれマンガ家による表紙に変わったのです。この頃から、マンガ世代にもより文学に親しんでもらおうとする試みが始まっていたのでしょう。(つづく)

「新潮文庫名作アニメシリーズ」『伊豆の踊子』(原作/川端康成 キャラクターデザイン/椛島義夫)、
『坊ちゃん』(原作/夏目漱石 キャラクターデザイン/本宮ひろ志)、
『姿三四郎』(原作/富田常雄 キャラクターデザイン/ちばてつや)
『路傍の石』(原作/山本有三 キャラクターデザイン/森康二)
各作品の作画監督は、『伊豆の踊子』 椛島義夫さん、『坊ちゃん』北原健雄さん、
『姿三四郎』我妻宏さん、『路傍の石』石之博和さんでした。
1980年代後半になると、各出版社もライトノベル文庫を手掛けるようになり、ヒット作も次々と出てきます。ただテレビアニメ自体にはブームを牽引するような大ヒット作がなくなり、ノベライズも次第に影が薄くなってきました。逆にこの頃からはライトノベルの人気作が、頻繁にアニメ化されるようになっていきます。
書店でも、この時期から文庫の棚では、どんどんライトノベルコーナーが拡張していきました。
既存の文庫も続々刊行されるライトノベルの新刊の波に押され、既刊棚からも老舗の文庫が減少していくことにもなりました。
そんな過渡期に一般文芸書文庫の大手、新潮文庫からフィルムをメインにしたアニメ文庫が刊行されたのです。老舗レーベルからの出版でしたので、まさに突然という印象でした。
これは1986年(昭和61年)4月から放映された『青春アニメ全集』というテレビアニメの文庫化でした。新潮社も企画に参加し、日本アニメーションが製作したシリーズです。
各話ごとに夏目漱石の『坊っちゃん』や、川端康成の『伊豆の踊り子』、堀辰雄の『風立ちぬ』などの名作文学を、アニメ化しました。キャラクターデザインに、ちばてつやさんや、石ノ森章太郎さん、本宮ひろ志さんなど有名なマンガ家を起用したことでも当時話題になりました。
この放映時期に合わせ、原作の新潮文庫版の表紙もそれぞれマンガ家による表紙に変わったのです。この頃から、マンガ世代にもより文学に親しんでもらおうとする試みが始まっていたのでしょう。(つづく)

「新潮文庫名作アニメシリーズ」『伊豆の踊子』(原作/川端康成 キャラクターデザイン/椛島義夫)、
『坊ちゃん』(原作/夏目漱石 キャラクターデザイン/本宮ひろ志)、
『姿三四郎』(原作/富田常雄 キャラクターデザイン/ちばてつや)
『路傍の石』(原作/山本有三 キャラクターデザイン/森康二)
各作品の作画監督は、『伊豆の踊子』 椛島義夫さん、『坊ちゃん』北原健雄さん、
『姿三四郎』我妻宏さん、『路傍の石』石之博和さんでした。
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