回想の石黒昇さん(その8) 膨大な資料の宅急便
- 2014/07/13
- 07:02
『宇宙戦艦ヤマト2199』の制作が、世間でも噂されている頃だったでしょうか。ある時から、どかどかと石黒昇さんから宅急便のダンボール箱が私宛に届き始めました。
元々は、ご自宅の建替えで書斎スペースが無くなり、会社でずっと保管しておいた昔からの資料だそうです。それが会社の部屋を片づける際に出てきたのですが、大量にあって処分にも困っている。そこでとりあえず送るので、どうするかは任せるということでした。
石黒さん自身のご体調もあまり良くなく、「自分でも、もう整理する気力もちょっとないから」とも、おっしゃっておられました。
そのような弱気なコメントもちょっと心配でしたが、とりあえず大きく重い箱を開けて、驚きました。劇画家時代、いやそれ以前の習作から、まんが原稿、自主アニメの原画やコンテ、挿絵、手掛けたCMアニメのセル、絵コンテ、ボツになった企画書などなど、石黒さんの個人史の貴重な資料ばかりがギッシリと詰まっていたのです。
とにかくびっくりして「こんな大切なものを、本当に私がいただいてよろしいんでしょうか」と石黒さんにお電話しました。すると、「いや、たくさん送りつけてご迷惑でしょうが、これはアナタに持っていて欲しいから。もう邪魔だったら、破棄してくださって結構です。処分はすべてお任せしますから。」とおしゃられました。
ここまで大事なものをすべてお送りくださるとは、思っていませんでした。ですが、それほど信頼してくださったお気持ちにお応えせねばと、本当に身の引き締まる思いでお受けすることにしました。
それからは、資料を整理しつつ分からないことがあると何度もメールでお尋ねして、その都度お返事をもらう日々が続きました。(つづく)

石黒さんの手がけたNHKキャンペーン映画やCM、ボツになった企画のセル
元々は、ご自宅の建替えで書斎スペースが無くなり、会社でずっと保管しておいた昔からの資料だそうです。それが会社の部屋を片づける際に出てきたのですが、大量にあって処分にも困っている。そこでとりあえず送るので、どうするかは任せるということでした。
石黒さん自身のご体調もあまり良くなく、「自分でも、もう整理する気力もちょっとないから」とも、おっしゃっておられました。
そのような弱気なコメントもちょっと心配でしたが、とりあえず大きく重い箱を開けて、驚きました。劇画家時代、いやそれ以前の習作から、まんが原稿、自主アニメの原画やコンテ、挿絵、手掛けたCMアニメのセル、絵コンテ、ボツになった企画書などなど、石黒さんの個人史の貴重な資料ばかりがギッシリと詰まっていたのです。
とにかくびっくりして「こんな大切なものを、本当に私がいただいてよろしいんでしょうか」と石黒さんにお電話しました。すると、「いや、たくさん送りつけてご迷惑でしょうが、これはアナタに持っていて欲しいから。もう邪魔だったら、破棄してくださって結構です。処分はすべてお任せしますから。」とおしゃられました。
ここまで大事なものをすべてお送りくださるとは、思っていませんでした。ですが、それほど信頼してくださったお気持ちにお応えせねばと、本当に身の引き締まる思いでお受けすることにしました。
それからは、資料を整理しつつ分からないことがあると何度もメールでお尋ねして、その都度お返事をもらう日々が続きました。(つづく)

石黒さんの手がけたNHKキャンペーン映画やCM、ボツになった企画のセル
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