アニメ文庫本の興亡史 ㉚
- 2016/09/17
- 09:13
■ ライトノベルの台頭
ライトノベルのレーベルが各社から出始めたのは、1980年代後半くらいだったようです。人気マンガ家やアニメーターを挿画に起用し、若い読者と年齢の近い著者が執筆したSFやファンタジー小説は、この前後くらいから人気となっていました。
ゲームやマンガに子どもの頃より親しんできた読者にとって、マンガのように軽く読める小説は歓迎されたのです。
このジャンルを総称していつしかライトノベルと呼ばれるようになり、その後大きな流れとなっていきます。
1992年より小学館「スーパークエスト文庫」で刊行された『BURAI(ブライ)』(飯島健男/著 イラスト/荒木伸吾・姫野美智)のように、人気ゲームとのコラボレーションで小説版が出版されることもありました。
ゲーム系から出版に進出したエニックスも、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』のゲームブックや、オリジナルのファンタジー系小説をエニックス文庫として刊行していました。
エニックス文庫では、『小説 科学忍者隊ガッチャマン コンドルは翔ぶ』(鳥海尽三/著)や、『小説 タイムボカン』(山本優・曽田博久・高山鬼一/著)など、かつてのタツノコアニメ人気作の小説版が1989年に出版されました。
アニメ版を手掛けた脚本家たちに小説を執筆してもらうという画期的な試みでしたが、残念ながらこの2作で終りました。
この頃より、ライトノベルの人気作は次々とアニメ化されるようになり、今やそれも当たり前のこととなっています。
アニメブーム以前には青春小説の一部のジャンルにすぎなかったのが、アニメノベライズなどで新たに読者を獲得してマーケットを拡大し、一大ジャンルとなったことには隔世の感があります。
現在、アニメブーム時に創刊されていたアニメ関連文庫レーベルとして刊行されているのは、徳間書店のアニメージュ文庫くらいでしょうか。
ビデオの登場からLD、DVD、ブルーレイ、そしてネット配信と、アニメファンを取り巻く視聴環境も激変してきました。
アニメブーム初期の頃、再放送がなければ好きなアニメを見ることも出来ず、アニメを手に入れるためにLPや書籍などを購入していた時代は、遠い昔となりました。
ノベライズやアニメコミック、ムック、そして資料集なども、それほどニーズがなくなっているのかもしれません。(つづく)

エニックス文庫『小説 ガッチャマン コンドルは翔ぶ』(鳥海尽三/著)
『小説 タイムボカン』(山本優・曽田博久・高山鬼一/著)
小学館スーパークエスト文庫『BURAI』(飯島健男/著 イラスト/荒木伸吾・姫野美智)
ライトノベルのレーベルが各社から出始めたのは、1980年代後半くらいだったようです。人気マンガ家やアニメーターを挿画に起用し、若い読者と年齢の近い著者が執筆したSFやファンタジー小説は、この前後くらいから人気となっていました。
ゲームやマンガに子どもの頃より親しんできた読者にとって、マンガのように軽く読める小説は歓迎されたのです。
このジャンルを総称していつしかライトノベルと呼ばれるようになり、その後大きな流れとなっていきます。
1992年より小学館「スーパークエスト文庫」で刊行された『BURAI(ブライ)』(飯島健男/著 イラスト/荒木伸吾・姫野美智)のように、人気ゲームとのコラボレーションで小説版が出版されることもありました。
ゲーム系から出版に進出したエニックスも、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』のゲームブックや、オリジナルのファンタジー系小説をエニックス文庫として刊行していました。
エニックス文庫では、『小説 科学忍者隊ガッチャマン コンドルは翔ぶ』(鳥海尽三/著)や、『小説 タイムボカン』(山本優・曽田博久・高山鬼一/著)など、かつてのタツノコアニメ人気作の小説版が1989年に出版されました。
アニメ版を手掛けた脚本家たちに小説を執筆してもらうという画期的な試みでしたが、残念ながらこの2作で終りました。
この頃より、ライトノベルの人気作は次々とアニメ化されるようになり、今やそれも当たり前のこととなっています。
アニメブーム以前には青春小説の一部のジャンルにすぎなかったのが、アニメノベライズなどで新たに読者を獲得してマーケットを拡大し、一大ジャンルとなったことには隔世の感があります。
現在、アニメブーム時に創刊されていたアニメ関連文庫レーベルとして刊行されているのは、徳間書店のアニメージュ文庫くらいでしょうか。
ビデオの登場からLD、DVD、ブルーレイ、そしてネット配信と、アニメファンを取り巻く視聴環境も激変してきました。
アニメブーム初期の頃、再放送がなければ好きなアニメを見ることも出来ず、アニメを手に入れるためにLPや書籍などを購入していた時代は、遠い昔となりました。
ノベライズやアニメコミック、ムック、そして資料集なども、それほどニーズがなくなっているのかもしれません。(つづく)

エニックス文庫『小説 ガッチャマン コンドルは翔ぶ』(鳥海尽三/著)
『小説 タイムボカン』(山本優・曽田博久・高山鬼一/著)
小学館スーパークエスト文庫『BURAI』(飯島健男/著 イラスト/荒木伸吾・姫野美智)
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:アニメ文庫本の興亡史
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