今年の9月、アニメ『
タイガーマスク』(原作/梶原一騎 漫画/辻なおき)の最終回が放映されてから45周年を迎えました。そして、最近のプロレスブームの影響もあり、新作『
タイガーマスクW』も10月1日から放送が開始されます。
リメイクではなく、第一作の世界をベースに今の時代の新たなストーリーが始まるようで、楽しみです。
『
タイガーマスク』の続編といえば、オールドファンに思い出されるのがテレビアニメ『
タイガーマスク二世』(原作/梶原一騎 まんが原画/宮田淳一、辻なおき)です。
この作品は、1981年(昭和56年)4月より82年(昭和57年)1月まで放映されました。当時、梶原一騎さん原作、宮田淳一さん画で連載された、同タイトルのアニメ化ということでした。
雑誌連載も並行していましたので、エンディングには宮田さんの絵が使われました。ですが、キャラクターのデザインは、ほとんどアニメオリジナルのようでした。
キャラクターデザインを手掛けたのは、『一休さん』や『少年ケニア』でおなじみの
我妻宏さんです。我妻さんは、第一作にも作画監督として参加されていましたが、『
タイガーマスク二世』では、よりリアルで劇画調のキャラクターにされました。
繊細な細い線ながらさほど描き込まず、それでいてまるで挿絵のようなキャラクターは魅力的でした。
当時、アニメ雑誌も各誌出版されていましたので、『マイアニメ』(秋田書店)など我妻さんが水彩で描いてくれた表紙も楽しみでした。
プロレスの試合シーンも迫力がありましたし、主人公の亜久竜夫やみどり、竜夫の勤め先のデスクやハッサン、そして実在のアントニオ猪木や長嶋茂雄なども、存在感があり魅力的でした。
もともと『一休さん』でも、新右エ門さんや将軍さまのリアルでありながらズッコケもできるキャラを描いてきた我妻さんです。スポーツ紙の記者がプロレスラーという設定に無理もあったかもしれませんが、竜夫や編集長のズッコケや、みどりさんとの恋模様など、明るい普段の雰囲気も良かったのです。
そんなリアルなキャラクターたちが登場する『
タイガーマスク二世』でしたが、アニメ作品では、セルに彩色されたアニメカラーが明るすぎて、もう少し落ち着いた色にしてくれたらと思っていました。登場する大人のキャラクターたちには、もう少し沈んだ色調が合っているようにも感じていたのです。
ちょうどこの放映の時期に、新日本プロレスでも本物のタイガーマスクが登場し、話題を呼んでいました。実在のタイガーマスクの華麗な活躍に押されたのか、アニメ『タイガーマスク2世』は前作ほどの人気とはなりませんでした。
個人的には、東映動画による個性的な劇画調アニメのひとつとしても、『タイガーマスク2世』は忘れることの出来ない作品です。
『タイガーマスク2世』は、各話作監の上に、総作監の立場で我妻さんが原画をチェックしていたので、
キャラクターも統一されていました。
チャーミングなみどりさんの修正は、各話作監の堀川留子さんのものです。
このカットには我妻さんの修正も入っていませんでした。
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