ベテラン声優の肝付兼太さんが、10月20日に80歳で亡くなられました。
肝付さんといえば、シンエイ動画版『
ドラえもん』で26年間演じられたスネ夫が、おなじみのキャラクターです。
肝付さんはテレビアニメ創世記の『鉄腕アトム』や『ビッグX』、『エイトマン』の時代から、アニメーションの声優として活躍されました。昔からのファンでしたら、『オバケのQ太郎』のゴジラや、『パーマン』のカバオ、『ジャングル黒べえ』の黒べえなど、初期藤子アニメでの肝付さんの声を覚えていることでしょう。
その後も『
ドラえもん』の他にも、シンエイ動画版『怪物くん』のドラキュラや、『忍者ハットリくん』のケムマキ、新『パーマン』のパーやん、そして『キテレツ大百科』の勉三さんなど、藤子アニメには決して欠かすことのできない名バイブレーヤーでした。
肝付さんの声は個性的ですぐ分かりますが、どの作品でもそれぞれのキャラクターになりきって演じておられました。
その他にも、『元祖天才バカボン』の面ン玉つながりのおまわりさんや、『はじめ人間
ギャートルズ』の父ちゃん、『銀河鉄道999』の車掌さんなど、肝付さんの印象的なキャラクターは、数え切れません。
個人的に忘れられないのが『
ゴワッパー5ゴーダム』の亀山大吉です。ゴジラや、カバオの流れを汲む太っちょな外見でしたが、力持ちでいかつい外見だけど気持ちの優しいキャラクターでした。
岬洋子を慕い「ヨコ姉ちゃん」と呼ぶ声や、ちょっと年上の豪を時にはライバル視して「豪」と呼んだり「豪アニキ」と呼ぶ様も、微妙な少年時代の心理を演じられていて、身近に感じられました。
スネ夫がここまで親しまれたのも、肝付さんが演じられたからだったでしょう。イジワルで見栄っ張りなのに、どこか憎めない。そんな人間らしいキャラクターを、見事に作られました。
思い出すのは、『
ギャートルズ』の父ちゃんです。ゴンたちの前では、情けなくダメなところも見せる父ちゃんですが、いざ狩りや家族のピンチにはスッと立ち上がって、格好良いところも見せてくれました。
子供の頃は、そんな父ちゃんを笑って見ていただけでしたが、年を重ねてくると、あの父ちゃんの姿こそが理想の姿だと思えるようになってきました。
あの頃見ていた『元祖天才バカボン』のおまわりさんや『
ギャートルズ』の父ちゃんたちが、最近より身近に感じられるようになったのも、肝付さんが演じてくれたこともあるでしょう。
数々のアニメ作品で素敵なキャラクターを演じてこられた肝付兼太さんに、感謝いたします。
『ゴワッパー5ゴーダム』の亀山大吉、『パーマン』のカバオ、
『キテレツ大百科』の勉三さん、『ドラえもん』のスネ夫
『元祖天才バカボン』のおまわりさん、『ドロロンえん魔くん』のカパエル、
『銀河鉄道999』の車掌さん、『はじめ人間ギャートルズ』の父ちゃん
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