サンエイムック『「まんが道」大解剖』
- 2017/03/11
- 09:06
マンガ・アニメファンにはうれしい新刊が出ました。藤子不二雄Aさんの名作を特集したムック、『「まんが道」大解剖』(三栄書房刊)です。
これまで、『「あしたのジョー」大解剖』や『「ブラックジャック」大解剖』、『「コブラ」大解剖』など、人気マンガ・アニメ作品を取り上げたシリーズ最新刊です。
『まんが道』と言えば、言わずと知れた藤子不二雄Aさんの自伝的マンガ作品です。最初は1970年(昭和45年)の『週刊少年チャンピオン』でスタートし、その後『週刊少年キング』にて5年間連載されました。そして中央公論社から301巻が刊行された「藤子不二雄ランド」の巻末で再開され、2013年までは、タイトルを『愛…しりそめし頃に…』とタイトルを変え『ビッグコミックオリジナル増刊』に連載された、おなじみの作品です。
私も『少年キング』連載当時から読んでおり、ヒットコミックス版単行本も購入していました。当時、他社に比べヒットコミックスは部数も多くなかったようで、地元の本屋でも入荷が少なく、書店を探し回ったことも良い思い出です。
中高生時代には、満賀道雄の学生時代から新聞社に就職し社会人として頑張る姿など、そのまっすぐな姿に、ハラハラさせられながらも励まされたものです。
そして上京後、漫画家となって日々奮戦する様子は『藤子不二雄ランド』でも描き続けられました。その頃は自分も就職していましたので、同じ社会人として登場人物たちの姿に共感していました。
1995年より『ビッグコミックオリジナル増刊』に掲載された連作『愛…しりそめし頃に…』は、満賀道雄の私生活にフォーカスし、友人たちとの交流や恋愛模様などより私小説風にも感じ魅力的でした。
『愛…しりそめし頃に…』の単行本の巻末には、当時の作品や安孫子さんの資料などが掲載されるのも楽しみでした。時系列的には合わないエピソードもありましたが、あくまで自伝的マンガとして安孫子さんの心情を描き綴られたこの作品は、心に沁みるエピソードもたくさんあります。
今回のムックでは、鮮やかな色彩のカラー原稿も公開され、その美しさにこの作品をリアルタイムで読んでいた時代も思い出しました。
藤子不二雄Aさんは一時体調を壊されたと聞き心配しておりましたが、著者ロングインタビューで元気なお姿も拝見できました。さいとう・たかをさんや、マネージャーを務められた実姉・松野喜多枝さん、担当編集者たちの貴重なインタビューなども収録されています。
有名な新人マンガ家時代に各誌の原稿を落とした際に編集部から届いた、電報の現物も公開されています。
『まんが道』、そして藤子不二雄ファンは、必読のムックです。

藤子不二雄A/監修『「まんが道」大解剖』
分厚い全4巻の中央公論社愛蔵版に寄せられていた、吉行淳之介さんの
印象的な一文も再録されています。そこに書かれていた阿川弘之さんの
ご子息のお気持ちはとてもよく分かりました。

『まんが道』はドラマ化されましたが、アニメ化はされていません。
トキワ荘のアニメといえば、テレビスペシャル『ぼくらマンガ家 トキワ荘物語』を思い出します。
こちらのキャラクターデザインは、石ノ森章太郎さんでした。
これまで、『「あしたのジョー」大解剖』や『「ブラックジャック」大解剖』、『「コブラ」大解剖』など、人気マンガ・アニメ作品を取り上げたシリーズ最新刊です。
『まんが道』と言えば、言わずと知れた藤子不二雄Aさんの自伝的マンガ作品です。最初は1970年(昭和45年)の『週刊少年チャンピオン』でスタートし、その後『週刊少年キング』にて5年間連載されました。そして中央公論社から301巻が刊行された「藤子不二雄ランド」の巻末で再開され、2013年までは、タイトルを『愛…しりそめし頃に…』とタイトルを変え『ビッグコミックオリジナル増刊』に連載された、おなじみの作品です。
私も『少年キング』連載当時から読んでおり、ヒットコミックス版単行本も購入していました。当時、他社に比べヒットコミックスは部数も多くなかったようで、地元の本屋でも入荷が少なく、書店を探し回ったことも良い思い出です。
中高生時代には、満賀道雄の学生時代から新聞社に就職し社会人として頑張る姿など、そのまっすぐな姿に、ハラハラさせられながらも励まされたものです。
そして上京後、漫画家となって日々奮戦する様子は『藤子不二雄ランド』でも描き続けられました。その頃は自分も就職していましたので、同じ社会人として登場人物たちの姿に共感していました。
1995年より『ビッグコミックオリジナル増刊』に掲載された連作『愛…しりそめし頃に…』は、満賀道雄の私生活にフォーカスし、友人たちとの交流や恋愛模様などより私小説風にも感じ魅力的でした。
『愛…しりそめし頃に…』の単行本の巻末には、当時の作品や安孫子さんの資料などが掲載されるのも楽しみでした。時系列的には合わないエピソードもありましたが、あくまで自伝的マンガとして安孫子さんの心情を描き綴られたこの作品は、心に沁みるエピソードもたくさんあります。
今回のムックでは、鮮やかな色彩のカラー原稿も公開され、その美しさにこの作品をリアルタイムで読んでいた時代も思い出しました。
藤子不二雄Aさんは一時体調を壊されたと聞き心配しておりましたが、著者ロングインタビューで元気なお姿も拝見できました。さいとう・たかをさんや、マネージャーを務められた実姉・松野喜多枝さん、担当編集者たちの貴重なインタビューなども収録されています。
有名な新人マンガ家時代に各誌の原稿を落とした際に編集部から届いた、電報の現物も公開されています。
『まんが道』、そして藤子不二雄ファンは、必読のムックです。

藤子不二雄A/監修『「まんが道」大解剖』
分厚い全4巻の中央公論社愛蔵版に寄せられていた、吉行淳之介さんの
印象的な一文も再録されています。そこに書かれていた阿川弘之さんの
ご子息のお気持ちはとてもよく分かりました。

『まんが道』はドラマ化されましたが、アニメ化はされていません。
トキワ荘のアニメといえば、テレビスペシャル『ぼくらマンガ家 トキワ荘物語』を思い出します。
こちらのキャラクターデザインは、石ノ森章太郎さんでした。
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