ビデオソフトの時代 ③

　私が高校生の頃、レンタルビデオ店は入会料やレンタル料が高く利用していませんでした。
　たしか入会金が１５００円前後で、レンタル料も一日１本８００円から１０００円くらいです。ただ、お気に入りの作品が放映されると、極力録画するようにしていました。

　当時は、ＶＨＳの録画用生ビデオテープも１２０分で１本３０００円近くしていましたから、学生の身分ではそうそう買うことはできません。三倍速での録画や、何度も録画を繰り返し重ねたりと涙ぐましい努力をしていました。

　保存したい作品を録画するために、ＣＭを消すのはもちろん録画済のテープの残りの時間を計算し、どの内容を消して上から録画するかなど、悩んだことは忘れられません。

　当時好きだった洋画がＴＶ放映されることが分かった時は、どうしても高画質で保存したくてプロ仕様の最上級の録画用テープを思い切って買ったこともあります。こちらは市販の録画用テープの４倍近く１万円以上しました。
　愛着がありましたので、以降もその作品のビデオソフトが発売されると購入し、ＤＶＤ化されても当然購入しました。ただ、録画したビデオテープもなかなか捨てることが出来ませんでした。

　いつもは保存用のビデオテープですらあまり購入できませんでしたが、『旧ルパン三世』や『未来少年コナン』、そして『タイガーマスク』の最終回や、『超電磁ロボ　コン・バトラーＶ』、『劇場版エースをねらえ！』などなど、どうしても手元に残したかった作品は、テレビ放映を録画していました。

　この頃は、ビデオソフトも徐々に発売されはじめていましたが、全エピソードを収録したソフトなどは発売されていません。たとえ出たとしても、一本が１万円以上するソフトです。欲しい作品をすべて買い揃えることなど到底できませんでした。（つづく）



当時販売されていたＴＤＫの録画用ビデオテープ「SUPER AVILYN T-120」と
プロ仕様のビクターのビデオテープ
ちなみにプロ仕様で録画したのは『ブルースブラザース』で今でも好きな映画のひとつです。