藤井青銅さんの新刊『幸せな裏方』
- 2017/04/15
- 07:38
作家であり、脚本家・放送作家でもある、藤井青銅さんの新刊『幸せな裏方』(新潮社刊)が出ました。
藤井さんは、第一回「星新一 ショートショート・コンテスト」に入選され、作家の道に入られました。その後、ラジオドラマの脚本を執筆されます。アニメファンでしたら、藤井さんがニッポン放送の『夜のドラマハウス』で脚本家デビューされたと聞けば、懐かしく感じるでしょう。
演じた声優の男性陣では、永井一郎さんや、富山敬さん、古谷徹さん、三ツ矢雄二さん、神谷明さん。女性陣は麻上洋子さん、池田昌子さん、小原乃梨子さん、野沢雅子さん、杉山佳寿子さんなど、錚々たるメンバーが揃っており、アニメブーム時には声優ブームを盛り上げた番組のひとつでした。
藤井さんは、放送作家になりたての頃、手塚治虫さんがゲストに登場したことがありました。その際、学生時代から大事にしていた『鉄腕アトム』の額装したポスターにサインをお願いしたそうです。その時のことや、6年後の1986年(昭和51年)に放送された『手塚治虫のオールナイトニッポンスペシャル』の特番で、手塚キャラ・オールスターを描きおろしてもらったことなど、まさに裏方であったからこそ、体験されたエピソードが満載です。
個人的には、タモリさんが、「それまで『オールナイトニッポン』で若者に支持される深夜芸のタレントから、『笑っていいとも!』で主婦に支持されるお昼の顔になった」という巷説の欠落した部分を指摘されたところが興味深いものでした。
それは、『夜のドラマハウス』や、ラジオドラマ版『宇宙戦艦ヤマト』など数々のアニメ・ラジオ特番を手がけた名物プロデューサー、ドン上野さんの一言から始まったそうです。「タモリを主婦向けタレントにするんだ」というその言葉は、1980年(昭和55年)10月からスタートした『だんとつタモリ! おもしろ大放送』に結実します。
そして、『森田一義アワー 笑っていいとも!』は、1982年(昭和57年)10月から始まるのです。この『だんとつタモリ! おもしろ大放送』があったからこそ、タモリさんは昼の顔になったという指摘は、ラジオの現場で実際に働いてこられた藤井さんだからこそ出来るものです。
藤井さんは、そのほかラジオ制作中に接した大瀧詠一さんの素顔やご自身の新作落語の執筆、ラノベ誕生前夜、あげくは「島耕作」がDJを担当したラジオ番組のことなどを、軽妙な文章で明かしてくれています。
1980年代のラジオやマンガ、アニメ、音楽などが好きだった方には、懐かしくもたまらない本です。

藤井青銅著『幸せな裏方』(新潮社刊)
既刊の『ラジオな日々』、『ラジオにもほどがある』と合わせて、
藤井さんの“ラジオ青春時代・三部作”とも思えます。
藤井さんは、第一回「星新一 ショートショート・コンテスト」に入選され、作家の道に入られました。その後、ラジオドラマの脚本を執筆されます。アニメファンでしたら、藤井さんがニッポン放送の『夜のドラマハウス』で脚本家デビューされたと聞けば、懐かしく感じるでしょう。
演じた声優の男性陣では、永井一郎さんや、富山敬さん、古谷徹さん、三ツ矢雄二さん、神谷明さん。女性陣は麻上洋子さん、池田昌子さん、小原乃梨子さん、野沢雅子さん、杉山佳寿子さんなど、錚々たるメンバーが揃っており、アニメブーム時には声優ブームを盛り上げた番組のひとつでした。
藤井さんは、放送作家になりたての頃、手塚治虫さんがゲストに登場したことがありました。その際、学生時代から大事にしていた『鉄腕アトム』の額装したポスターにサインをお願いしたそうです。その時のことや、6年後の1986年(昭和51年)に放送された『手塚治虫のオールナイトニッポンスペシャル』の特番で、手塚キャラ・オールスターを描きおろしてもらったことなど、まさに裏方であったからこそ、体験されたエピソードが満載です。
個人的には、タモリさんが、「それまで『オールナイトニッポン』で若者に支持される深夜芸のタレントから、『笑っていいとも!』で主婦に支持されるお昼の顔になった」という巷説の欠落した部分を指摘されたところが興味深いものでした。
それは、『夜のドラマハウス』や、ラジオドラマ版『宇宙戦艦ヤマト』など数々のアニメ・ラジオ特番を手がけた名物プロデューサー、ドン上野さんの一言から始まったそうです。「タモリを主婦向けタレントにするんだ」というその言葉は、1980年(昭和55年)10月からスタートした『だんとつタモリ! おもしろ大放送』に結実します。
そして、『森田一義アワー 笑っていいとも!』は、1982年(昭和57年)10月から始まるのです。この『だんとつタモリ! おもしろ大放送』があったからこそ、タモリさんは昼の顔になったという指摘は、ラジオの現場で実際に働いてこられた藤井さんだからこそ出来るものです。
藤井さんは、そのほかラジオ制作中に接した大瀧詠一さんの素顔やご自身の新作落語の執筆、ラノベ誕生前夜、あげくは「島耕作」がDJを担当したラジオ番組のことなどを、軽妙な文章で明かしてくれています。
1980年代のラジオやマンガ、アニメ、音楽などが好きだった方には、懐かしくもたまらない本です。

藤井青銅著『幸せな裏方』(新潮社刊)
既刊の『ラジオな日々』、『ラジオにもほどがある』と合わせて、
藤井さんの“ラジオ青春時代・三部作”とも思えます。
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