ちばあきおさんの『キャプテン&プレイボール メモリアルBOOK』
- 2017/06/24
- 07:57
宝島社から、『キャプテン&プレイボール メモリアルBOOK』が刊行されました。
以前「別冊宝島」で出ていた『キャプテン PERFECT BOOK』に、その後アニメ化された『プレイボール』と『プレイボール2nd』のエピソードガイドなどを追加したものです。
巻頭には、ちばあきおさんのカラー原画が多数掲載されています。キャラクターの描線や絵の具の筆使いのムラなども再現されており、ちばあきおさんの描いていた姿が浮かんでくるようです。
そして、現在『グランドジャンプ』(集英社)で続編『プレイボール2』を執筆中のコージイ城倉さんのインタビューも収録されています。
コージイ城倉さんの続編は、ちばあきおさんの温かみのある絵柄に合わせてくれていますが、昔からちばてつやさんや、ちばあきおさんの作品がお好きだったからだそうです。
ちばてつやさんの『あしたのジョー』(原作/高森朝雄)と、ちばあきおさんの作品の背景にも共通する描写があり、両方ともあきおさんが描いているのでは、と推理されていました。これは、同じマンガ家だからこその視点でしょう。この続編で、ちばあきお作品を新しい世代にも知ってもらえれば素晴らしいことです。
そして今回の本には、アニメ版『キャプテン』、『プレイボール』の出崎哲監督のインタビューが新たに収録されていました。
実は『キャプテン』のDVDが反響があり、『プレイボール』アニメ化の打診があったそうです。
出崎さんは「弱点や欠点を落とさないで丁寧に作っていく」と、「優しさにつながっていくんだというモノ作りの大前提みたいなところ」を『キャプテン』で会得したそうです。『キャプテン』はアニメ史上大事な作品と思っている、原作は永久に残る、と語られる出崎さんだったからこそ、アニメも名作になったことが分かりました。
不思議だったのは、別冊宝島版に収録された、最初のテレビスペシャルの企画・プロデューサーの鷺巣政安さんのインタビュー記事が今回は掲載されなかったことです。
鷺巣さんは、映画にもなったテレビスペシャル『キャプテン』にとても愛着を持っておられます。放映当時多くのファンから届いたファンレターを、今も大事にしていらっしゃいます。
鷺巣さんが情熱を持って、集英社の長野規さんやちばあきおさんにアニメ化の許可をもらいに行かなければ、そもそもこの企画は通らなかったのではないでしょうか。アニメ版を特集する本に鷺巣さんのページが割愛されたことは、少々残念でした。
ただ今回、ちばあきおさんの描かれた谷口君の表紙のこの本を書店で見つけ、とてもうれしくなりました。連載当時に読んでいた者にとっては、懐かしい旧友に再会出来たような気持ちです。
奇しくも、今年は『キャプテン』がスタートした1972年(昭和47年)から、45年を迎えます。新たなメモリアルイヤーとして、ちばあきおさんの描き出した世界がまた注目されて欲しいと思っています。

『キャプテン&プレイボール メモリアルBOOK』(宝島社刊)

1994年刊の『ちばあきおのすべて』(ホーム社/集英社)と2003年刊『キャプテン PERFECT BOOK』
■ちばあきおさん関連記事
ちばあきおさんの『キャプテン』タブロイド判で登場
2016年2月26日
http://animenikansya.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
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巻頭には、ちばあきおさんのカラー原画が多数掲載されています。キャラクターの描線や絵の具の筆使いのムラなども再現されており、ちばあきおさんの描いていた姿が浮かんでくるようです。
そして、現在『グランドジャンプ』(集英社)で続編『プレイボール2』を執筆中のコージイ城倉さんのインタビューも収録されています。
コージイ城倉さんの続編は、ちばあきおさんの温かみのある絵柄に合わせてくれていますが、昔からちばてつやさんや、ちばあきおさんの作品がお好きだったからだそうです。
ちばてつやさんの『あしたのジョー』(原作/高森朝雄)と、ちばあきおさんの作品の背景にも共通する描写があり、両方ともあきおさんが描いているのでは、と推理されていました。これは、同じマンガ家だからこその視点でしょう。この続編で、ちばあきお作品を新しい世代にも知ってもらえれば素晴らしいことです。
そして今回の本には、アニメ版『キャプテン』、『プレイボール』の出崎哲監督のインタビューが新たに収録されていました。
実は『キャプテン』のDVDが反響があり、『プレイボール』アニメ化の打診があったそうです。
出崎さんは「弱点や欠点を落とさないで丁寧に作っていく」と、「優しさにつながっていくんだというモノ作りの大前提みたいなところ」を『キャプテン』で会得したそうです。『キャプテン』はアニメ史上大事な作品と思っている、原作は永久に残る、と語られる出崎さんだったからこそ、アニメも名作になったことが分かりました。
不思議だったのは、別冊宝島版に収録された、最初のテレビスペシャルの企画・プロデューサーの鷺巣政安さんのインタビュー記事が今回は掲載されなかったことです。
鷺巣さんは、映画にもなったテレビスペシャル『キャプテン』にとても愛着を持っておられます。放映当時多くのファンから届いたファンレターを、今も大事にしていらっしゃいます。
鷺巣さんが情熱を持って、集英社の長野規さんやちばあきおさんにアニメ化の許可をもらいに行かなければ、そもそもこの企画は通らなかったのではないでしょうか。アニメ版を特集する本に鷺巣さんのページが割愛されたことは、少々残念でした。
ただ今回、ちばあきおさんの描かれた谷口君の表紙のこの本を書店で見つけ、とてもうれしくなりました。連載当時に読んでいた者にとっては、懐かしい旧友に再会出来たような気持ちです。
奇しくも、今年は『キャプテン』がスタートした1972年(昭和47年)から、45年を迎えます。新たなメモリアルイヤーとして、ちばあきおさんの描き出した世界がまた注目されて欲しいと思っています。

『キャプテン&プレイボール メモリアルBOOK』(宝島社刊)

1994年刊の『ちばあきおのすべて』(ホーム社/集英社)と2003年刊『キャプテン PERFECT BOOK』
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