日本アニメベスト10
- 2017/09/16
- 10:43
『芸術新潮』(新潮社刊)9月号の特集は、「永久保存版 30人の批評家が投票! 日本アニメベスト10」です。『芸術新潮』が、大々的にアニメ全般を取り上げるのは初めてでしょう。
また老舗文芸出版社が刊行するビジュアル系雑誌が、これほど大きくアニメを取り上げるのは、1977年(昭和52年)に刊行された、文芸春秋の『文芸春秋デラックス アニメーションの本」(手塚治虫・構成)以来かもしれません。
1977年といえば、『宇宙戦艦ヤマト』のテレビシリーズを再編集した劇場版が夏に公開され、アニメ・ブームが起こった年です。この年から、アニメが世間的にも認められたので、未だにこの時期のことは強烈に記憶しています。
あくまで幼児・子ども向けの“テレビまんが”や”漫画映画”にすぎなかったものが、アニメーションとして若者発のムーブメントをきっかけに広く認知されたのです。
このブームを牽引したのは、『宇宙戦艦ヤマト』でした。翌年、完全新作の劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』で、ヤマト人気はピークを迎えました。
それから、『機動戦士ガンダム』や、『ルパン三世 カリオストロの城』など、次々と名作が生み出され、今やアニメは、世間的にも認められる一大ジャンルとなりました。
なにより、アート系の雑誌である『芸術新潮』に『新世紀エヴァンゲリオン』が大きく飾ったことも快挙でしょう。
今回、選ばれている作品と監督それぞれのベスト10も、順当なものでした。選者として各氏が挙げられたベスト10も、それぞれの個性がうかがえて興味深いものです。
皆さんどのような評価のものさしで選ぶのか、苦労されたと思います。実際に私自身もベスト10を考えるとなると、なかなか難しいものです。
タイトルの出ていなかった作品としては、多くの観る者を楽しませてくれるまんが映画『パンダコパンダ』、SFの映像表現とヒーローものの格好良さで『科学忍者隊ガッチャマン』、『スペースコブラ』。現在に続く、軽い気分のような表現をフィルムに定着してくれた『きんぎょ注意報!』などは、個人的には忘れられません。
この特集では、長年アニメを研究してこられた氷川竜介さんによる解説や対談も、本特集の価値をさらに高めるものでした。アニメファンの方でしたら、この『芸術新潮』の特集を機会に、自分のベスト10を考えても面白いかもしれません。
今後、10年20年と重ねるうちに、ベスト10のランキングが入れ替わる次の傑作が出てくるでしょう。それもまた楽しみです。

『芸術新潮 9月号』(新潮社刊)
表紙には、自社も製作に参加した作品も出してくれていました。
また老舗文芸出版社が刊行するビジュアル系雑誌が、これほど大きくアニメを取り上げるのは、1977年(昭和52年)に刊行された、文芸春秋の『文芸春秋デラックス アニメーションの本」(手塚治虫・構成)以来かもしれません。
1977年といえば、『宇宙戦艦ヤマト』のテレビシリーズを再編集した劇場版が夏に公開され、アニメ・ブームが起こった年です。この年から、アニメが世間的にも認められたので、未だにこの時期のことは強烈に記憶しています。
あくまで幼児・子ども向けの“テレビまんが”や”漫画映画”にすぎなかったものが、アニメーションとして若者発のムーブメントをきっかけに広く認知されたのです。
このブームを牽引したのは、『宇宙戦艦ヤマト』でした。翌年、完全新作の劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』で、ヤマト人気はピークを迎えました。
それから、『機動戦士ガンダム』や、『ルパン三世 カリオストロの城』など、次々と名作が生み出され、今やアニメは、世間的にも認められる一大ジャンルとなりました。
なにより、アート系の雑誌である『芸術新潮』に『新世紀エヴァンゲリオン』が大きく飾ったことも快挙でしょう。
今回、選ばれている作品と監督それぞれのベスト10も、順当なものでした。選者として各氏が挙げられたベスト10も、それぞれの個性がうかがえて興味深いものです。
皆さんどのような評価のものさしで選ぶのか、苦労されたと思います。実際に私自身もベスト10を考えるとなると、なかなか難しいものです。
タイトルの出ていなかった作品としては、多くの観る者を楽しませてくれるまんが映画『パンダコパンダ』、SFの映像表現とヒーローものの格好良さで『科学忍者隊ガッチャマン』、『スペースコブラ』。現在に続く、軽い気分のような表現をフィルムに定着してくれた『きんぎょ注意報!』などは、個人的には忘れられません。
この特集では、長年アニメを研究してこられた氷川竜介さんによる解説や対談も、本特集の価値をさらに高めるものでした。アニメファンの方でしたら、この『芸術新潮』の特集を機会に、自分のベスト10を考えても面白いかもしれません。
今後、10年20年と重ねるうちに、ベスト10のランキングが入れ替わる次の傑作が出てくるでしょう。それもまた楽しみです。

『芸術新潮 9月号』(新潮社刊)
表紙には、自社も製作に参加した作品も出してくれていました。
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