我妻宏さんに感謝
- 2017/12/16
- 10:49
アニメーターの我妻宏さんが、今年6月に亡くなられました。昨年のレジェンドたちの忘年会も、ご体調が悪く欠席とのことで心配しておりました。今年の忘年会の際、お教えいただきました。75歳だったそうです。
我妻さんといえば、東映動画の長編時代にアニメの世界に入られたベテランです。『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』や、『わんぱく王子の大蛇退治』などに動画として参加されました。その後テレビアニメの時代に入り、香西隆男さん、永木凡人さん、小泉謙三さんと一緒に、作画プロダクションの草分けハテナプロの設立に参加されます。
そしてハテナプロでは、古巣の東映動画作品である『風のフジ丸』以外にも、『鉄腕アトム』や『鉄人28号』、『0戦はやと』など、他社作品も積極的に受注していきました。
要するに、作画監督クラスのアニメーターが4人揃っていたのです。まだアニメーター不足だった時代は、各社から引っ張りだこだったことが分かります。
その後ハテナプロは解散し、OHプロダクションとスタジオジュニオ、スタジオメイツ、スタジオジョークに分かれました。当初、我妻さんは小泉謙三さんとスタジオメイツを設立しますが、その後すぐ香西さんの主宰するスタジオジュニオに移籍されます。
以降、我妻さんは『タイガーマスク』(梶原一騎/原作)や、『原始少年リュウ』(石森章太郎/原作)、『ミクロイドS』(手塚治虫/原作)、そして『グレートマジンガー』(永井豪/原作)など、劇画調の作画で活躍されました。
また『魔法使いサリー』(横山光輝/原作)や『ひみつのアッコちゃん』(赤塚不二夫/原作)、『ピュンピュン丸』(つのだじろう/原作)。そして『ゲゲゲの鬼太郎』(水木しげる/原作)の第一作と第二作などを覚えているファンの方も多いでしょう。
代表作としては、やはり『一休さん』と言われるでしょうが、ご本人は「いつも同じ絵を描いているとつらくなってきたので、途中で降ろさせてもらったんですよ」と、以前苦笑して教えてくれました。
『一休さん』あたりから、我妻さんの描線は細くなっていったようです。TVスペシャルの『闇の帝王ドラキュラ』や『タイガーマスク二世』は、そのタッチがぴったりマッチしていました。
また劇場版『少年ケニア』(山川惣治/原作)は、原作の絵物語を読んでいたということでかなりノッて、あのペンタッチをアニメでも再現されたそうです。
寡黙な我妻さんは、大きな体でいつも優しく微笑んでいらっしゃった印象です。我妻さんの描かれた『一休さん』ノベライズの表紙や、アニメブーム時のアニメ雑誌の表紙が好きだったことをお話すると、照れたようにニッコリと「いやあ、そうですか」と答えていただきました。
数々の記憶に残る作品を手がけてくださった我妻宏さんに、感謝いたします。

我妻さんの描かれた『一休さん』の修正原画
我妻さんといえば、東映動画の長編時代にアニメの世界に入られたベテランです。『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』や、『わんぱく王子の大蛇退治』などに動画として参加されました。その後テレビアニメの時代に入り、香西隆男さん、永木凡人さん、小泉謙三さんと一緒に、作画プロダクションの草分けハテナプロの設立に参加されます。
そしてハテナプロでは、古巣の東映動画作品である『風のフジ丸』以外にも、『鉄腕アトム』や『鉄人28号』、『0戦はやと』など、他社作品も積極的に受注していきました。
要するに、作画監督クラスのアニメーターが4人揃っていたのです。まだアニメーター不足だった時代は、各社から引っ張りだこだったことが分かります。
その後ハテナプロは解散し、OHプロダクションとスタジオジュニオ、スタジオメイツ、スタジオジョークに分かれました。当初、我妻さんは小泉謙三さんとスタジオメイツを設立しますが、その後すぐ香西さんの主宰するスタジオジュニオに移籍されます。
以降、我妻さんは『タイガーマスク』(梶原一騎/原作)や、『原始少年リュウ』(石森章太郎/原作)、『ミクロイドS』(手塚治虫/原作)、そして『グレートマジンガー』(永井豪/原作)など、劇画調の作画で活躍されました。
また『魔法使いサリー』(横山光輝/原作)や『ひみつのアッコちゃん』(赤塚不二夫/原作)、『ピュンピュン丸』(つのだじろう/原作)。そして『ゲゲゲの鬼太郎』(水木しげる/原作)の第一作と第二作などを覚えているファンの方も多いでしょう。
代表作としては、やはり『一休さん』と言われるでしょうが、ご本人は「いつも同じ絵を描いているとつらくなってきたので、途中で降ろさせてもらったんですよ」と、以前苦笑して教えてくれました。
『一休さん』あたりから、我妻さんの描線は細くなっていったようです。TVスペシャルの『闇の帝王ドラキュラ』や『タイガーマスク二世』は、そのタッチがぴったりマッチしていました。
また劇場版『少年ケニア』(山川惣治/原作)は、原作の絵物語を読んでいたということでかなりノッて、あのペンタッチをアニメでも再現されたそうです。
寡黙な我妻さんは、大きな体でいつも優しく微笑んでいらっしゃった印象です。我妻さんの描かれた『一休さん』ノベライズの表紙や、アニメブーム時のアニメ雑誌の表紙が好きだったことをお話すると、照れたようにニッコリと「いやあ、そうですか」と答えていただきました。
数々の記憶に残る作品を手がけてくださった我妻宏さんに、感謝いたします。

我妻さんの描かれた『一休さん』の修正原画
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