資料収集のきっかけとなった本②
- 2018/01/14
- 10:34
アニメブームが始まった1977年(昭和52年)11月に出版された『月刊マンガ少年増刊 TVアニメの世界』(朝日ソノラマ刊)は、画期的な本でした。
主要作品のメインスタッフのリストや、代表的エピソードのフィルムストーリー。シナリオ採録、メインスタッフのコメントなど、初めて作品研究的な視点から編集されていました。
各ページには、アニメの絵をふんだんに使用し、これまでアニメファンが渇望してきたアニメの絵や、データなどが書籍化されたのです。
実は、その2ヶ月前にも、アニメをテーマにしたムックは出版されてはいました。9月に刊行された文芸春秋デラックス『アニメーションの本』(手塚治虫・構成)です。
これはディズニーやフライシャーから、アメリカ、ソ連・東欧、中国など各国のアニメーション。そして実験アニメ、アニメーションの歴史など、アニメーション全般を網羅しようとする総花的な内容でした。
テレビアニメを紹介するページもありましたがキャラクター紹介的な構成で資料的にはあまり充実してもおらず、自分にはなんとなく物足りないものでした。
この本を手にした時、テレビアニメのコーナーがあったことは嬉しいことではありました。ただ、やはり一般的にアニメーションといっても、テレビアニメはまだこんな扱いなのかと、悔しい気持ちにもなりました。(つづく)
『月刊マンガ少年増刊 TVアニメの世界』(朝日ソノラマ)
今もこの本を手にすると、書店で初めて見つけた時のことを思い出します
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