『激マン！ キューティーハニー編』完結

　永井豪さんの『激マン！　キューティーハニー編』単行本第３巻が、]刊行されました。
　これは、永井さんが、ヒット作執筆中のご自身を描かれる作品で、これまで『デビルマン』、そして『マジンガーＺ』連載の頃を振り返った内容で、『週刊漫画ゴラク』（日本文芸社）にて発表されていました。
　『マジンガーＺ』や『デビルマン』は最近でもリメイクされ、時代を超えて語り続けられる名作です。ただ作品を生み出すご苦労や執筆当時の状況などは、この作品で初めて知ることも多く、ファンにとってはとても興味深い内容になっています。
　今回の『キューティーハニー編』は女性が主人公ということで永井さんも照れがあったのか、なんと女性マンガ家・永居香激として登場されます。表紙カバー見返しには、若き日の女装姿の写真まで掲載されているのです。常に読者を楽しませてくれるサービス精神には、脱帽です。
　さすが『ハレンチ学園』の作者だけあって今回はおふざけもかなり過激ですが、これまでの作品同様、色っぽいシーンの中にも、当時の本音を織り交ぜて描いていらっしゃいます。
　当時、永井さんは『キューティーハニー』の他にも、『ドロロンえん魔くん』、『バイオレンスジャック』と週刊連載を３本抱えておられました。テイストのまったく違う３作品を同時進行で描くため、どうやって切り替えているのか疑問でした。実はそれぞれのアイデア、ネームを考える喫茶店を別にされていたとは、初めて知りました。　
　また１８年後に『週刊ＳＰＡ！』で連載が始まった時は、意外な感じもしました。ただ、それによって、リメイク版ＯＶＡ、『キュテーハニーＦ』、そして実写版へと繋がる流れが出来た重要な事だったということも、今回の作品で改めて知ることが出来ました。
　驚いたのが、作品内でのリメイクストーリーで、親友の夏ちゃんがパンサークローの戦士にされ、ハニーに殺されてしまうことです。さすがは過激な香激先生ですが、当時からのファンには結構ショックなエピソードでした。
　『キューティーハニー編』は、この３巻で完結ということで、女性マンガ家の香激先生も、ラストでは７２歳の永井豪さんご本人の姿に戻られます。
　リメイク劇場版『マジンガーＺ　infinity』も話題になっていますが、中断している『激マン！　マジンガーＺ編』の続きも楽しみです。　　

『激マン！　キューティーハニー編』3巻（日本文芸社）