資料収集のきっかけとなった本⑤
- 2018/02/18
- 09:43
当時『月刊マンガ少年増刊 TVアニメの世界』の、どこがアニメファンにとって衝撃だったのか。
まず『宇宙戦艦ヤマト』や『科学忍者隊ガッチャマン』の一話分を紹介したフィルムストーリーがそうでしょう。まるまる一エピソードのフィルムを(抜粋ながらも)掲載し紹介することなどは、それまでの出版物ではありえないことでした。
これが後に、フィルムをコマ割りしたアニメコミックスへと発展していったのです。
そして、『レインボー戦隊ロビン』や白黒版『サイボーグ009』の一話分のシナリオも掲載されています。当時、モノクロ作品は地方局では再放送もされず、なかなか見る機会に恵まれない幻の作品だったのです。そのエピソードが分かるだけでも、ありがたいものでした。
また、テレビアニメ14年の歩み特集、声優座談会、テレビアニメ用語辞典、アニメスタジオ訪問などなど、とにかくアニメに関する情報を渇望していたアニメファンにとっては、待望の記事が満載だったのです。
巻末には、虫プロの『鉄腕アトム』からその時期最新の『若草のシャルロット』まで、これまで放送されたアニメ作品のリストが掲載されました。
タイトルと制作会社。そして放映期間、放送局、原作者などの情報だけではありましたが、これを見ることで、それまで再放送で見ていて、自分の記憶でしか認識できなかった放送時期や、作品が作られてきた時間の流れなどを改めて確認することができました。
せっかく手に入れた大事な本に書き込みはできませんし、近所にもコンビ二やコピー機を置いたお店もない頃です。こちらもノートにせっせとリストを書き写し、見たもの見てないものなどをチェックしていました。(つづく)
『月刊マンガ少年増刊 TVアニメの世界』
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