60年の時を経て、あのヒーローが帰ってきた!
- 2018/02/24
- 08:27
かつての名作マンガの復刻を多数手掛けているアップルBOXクリエートより、また嬉しい新刊が出ました。
講談社の老舗雑誌だった『少年クラブ』に、1959年(昭和34年)から連載された『スーパーゼット』(原作/宮川一郎 絵/天馬正人)です。
『少年クラブ』といえば、和製ヒーローものの元祖、『月光仮面』(原作/川内康範 まんが/桑田次郎)を連載していたことでも有名です。
原作者である宮川一郎さんは、有名な『スーパージャイアンツ』の原作も手掛けていらっしゃます。こちらは吉田竜夫さんのバーションが有名ですが、天馬さんも描き下ろし単行本を手掛けていました。そのご縁もあって、『少年クラブ』誌上でも新たなスーパーヒーローを誕生させたのでしょう。
『スーパーゼット』は同誌の1959年7月号から、1961年9月号まで2年間連載された人気作品でした。
実はこの作品、連載当時から現在まで単行本にはまとめられてはいません。そのため通して読みたければ、地道に掲載誌を探すしかありませんでした。確かに国会図書館などに、本誌は収蔵されています。しかしこの当時は別冊付録の全盛期で掲載の大半は付録でした。ですから、本誌だけでは読破は出来なかったのです。
それを今回、アップルBOXクリエートが地道な探求作業で、見事にまとめてくれました。初単行本化となる『スーパーゼット 第一集』では、スーパーゼットの登場編となるプロローグから謎の海底人であるアカラ人との戦いへとなだれ込む「海底魔人編」、恐ろしい吸血鬼との戦いと妖艶な吸血鬼の女王が登場する「恐怖の吸血鬼編」、東京に突如襲来した人間を食べる巨大な怪鳥とその原因の毒ガスを探る一大スペクタクル「毒ガス島の秘密編」の三篇が収録されています。
「毒ガス島の秘密」では、巨大怪鳥が後楽園球場で巨人の投手・藤田元司を襲い、長嶋茂雄がバットでボールを打ち込み撃退しようとするのは、まさにこの時代ならではでしょう。
まだまだ未来への科学を信じられた時代の荒唐無稽でスケールの大きな「科学冒険まんが」には、ノスタルジーだけでなく、今もワクワクさせられます。
キャラクターもシンプルですが魅力的で、女性キャラの口紅やスケール感のある構図など、さすがは天馬さんです。
まだまだ、この後も「雪男の秘密編」、「レッドホーク編」、「毒ぐもタルタゴス編」、「吸血こうもり編」、「地底の怪魚編」と『スーパーゼット』の冒険譚は、続きます。
かつての少年読者には懐かしく、また新しい読者にはどこかレトロながら新鮮なヒーローの帰還です。今後の続刊で描かれる、スーパーゼットの活躍も楽しみです。

アップルBOXクリエート刊『スーパーゼット 第1巻』
神保町の夢野書店や、まんだらけでも委託販売されているようです。

『スーパーゼット』(「少年クラブ」付録) 実は、私も別冊付録をコツコツ探し集めて読んでいました。
講談社の老舗雑誌だった『少年クラブ』に、1959年(昭和34年)から連載された『スーパーゼット』(原作/宮川一郎 絵/天馬正人)です。
『少年クラブ』といえば、和製ヒーローものの元祖、『月光仮面』(原作/川内康範 まんが/桑田次郎)を連載していたことでも有名です。
原作者である宮川一郎さんは、有名な『スーパージャイアンツ』の原作も手掛けていらっしゃます。こちらは吉田竜夫さんのバーションが有名ですが、天馬さんも描き下ろし単行本を手掛けていました。そのご縁もあって、『少年クラブ』誌上でも新たなスーパーヒーローを誕生させたのでしょう。
『スーパーゼット』は同誌の1959年7月号から、1961年9月号まで2年間連載された人気作品でした。
実はこの作品、連載当時から現在まで単行本にはまとめられてはいません。そのため通して読みたければ、地道に掲載誌を探すしかありませんでした。確かに国会図書館などに、本誌は収蔵されています。しかしこの当時は別冊付録の全盛期で掲載の大半は付録でした。ですから、本誌だけでは読破は出来なかったのです。
それを今回、アップルBOXクリエートが地道な探求作業で、見事にまとめてくれました。初単行本化となる『スーパーゼット 第一集』では、スーパーゼットの登場編となるプロローグから謎の海底人であるアカラ人との戦いへとなだれ込む「海底魔人編」、恐ろしい吸血鬼との戦いと妖艶な吸血鬼の女王が登場する「恐怖の吸血鬼編」、東京に突如襲来した人間を食べる巨大な怪鳥とその原因の毒ガスを探る一大スペクタクル「毒ガス島の秘密編」の三篇が収録されています。
「毒ガス島の秘密」では、巨大怪鳥が後楽園球場で巨人の投手・藤田元司を襲い、長嶋茂雄がバットでボールを打ち込み撃退しようとするのは、まさにこの時代ならではでしょう。
まだまだ未来への科学を信じられた時代の荒唐無稽でスケールの大きな「科学冒険まんが」には、ノスタルジーだけでなく、今もワクワクさせられます。
キャラクターもシンプルですが魅力的で、女性キャラの口紅やスケール感のある構図など、さすがは天馬さんです。
まだまだ、この後も「雪男の秘密編」、「レッドホーク編」、「毒ぐもタルタゴス編」、「吸血こうもり編」、「地底の怪魚編」と『スーパーゼット』の冒険譚は、続きます。
かつての少年読者には懐かしく、また新しい読者にはどこかレトロながら新鮮なヒーローの帰還です。今後の続刊で描かれる、スーパーゼットの活躍も楽しみです。

アップルBOXクリエート刊『スーパーゼット 第1巻』
神保町の夢野書店や、まんだらけでも委託販売されているようです。

『スーパーゼット』(「少年クラブ」付録) 実は、私も別冊付録をコツコツ探し集めて読んでいました。
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