資料収集のきっかけとなった本⑨
- 2018/03/18
- 08:36
1977年(昭和52年)、学校帰りにいつも立ち寄る本屋で出会った秋元文庫の『テレビアニメ全集①』。
『鉄腕アトム』や『巨人の星』など各アニメ作品の絵が印刷された表紙を見て、すぐさま手に取りました。
本文も『鉄腕アトム』から始まり、以降放映されたテレビアニメ作品をその絵とともに紹介する画期的な内容の本でした。
そこは小さな本屋でしたので、一冊しか入荷していません。他の人に買われないかドキドキしながら財布の中身を確認し、即レジに持っていきました。
なにせ、それまで放送されたテレビアニメを画像入りで主要スタッフまで調べて網羅しようとした、商業出版として始めての本だったのです。
それ以前には、リストをまとめたものでは同人誌『テレビアニメーション放映リストNO.1』(サークル・テレビっ子センター)が、この2年前の昭和51年に発行されていました。同人によるサブタイトルまで調べた労作で、NO.3まで出されています。私も後に入手しましたが、この頃は残念ながらまだ存在を知りませんでした。
この秋元文庫の『テレビアニメ全集①』の巻末には、②巻の刊行予告も出ていました。その続刊の刊行をどれだけ首を長くして待っていたことでしょう。その後は毎日、書店で新刊コーナーをチェックする日々です。待ちに待った②巻が出たのは、それから3ヶ月後のことでした。
『テレビアニメ全集』は全3巻刊行されましたが、②巻までの2冊で1963年開始の『鉄腕アトム』から、1974年の『宇宙戦艦ヤマト』までを網羅していました。各作品の絵や主要スタッフ名、そして放映時期まで書かれていたので、テレビアニメの歴史の流れを一通り知ることができました。
その前に出ていた『月刊マンガ少年別冊 TVアニメの世界』(朝日ソノラマ)のリストでもだいたいは把握していたのですが、まったく再放送されず知らなかった作品もあり、参考になりました。
現在から見れば、記述ミスや間違った記述が無いとは言えません。ですが、まだテレビアニメ全般の基礎資料もなかった時代なのです。そんな頃に、書籍という形で時系列にリストと絵でまとめてくれた偉業に対し、私は感謝の気持ちしかありません。(つづく)
『テレビアニメーション放映リスト NO.1』(サークル・テレビっ子センター)と秋元文庫『テレビアニメ全集①』(杉山卓/著)
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