資料収集のきっかけとなった本⑩
- 2018/03/25
- 09:24
秋元文庫の『テレビアニメ全集①』と『テレビアニメ全集②』は、それまで放映されてきた膨大なアニメ作品を、時系列に絵とメインスタッフの紹介、そしてあらすじでまとめた画期的な書でした。
ただ、中には『ビッグX』(原作/手塚治虫)や『夕焼け番長』(原作/梶原一騎 絵/荘司としお)のように、アニメではなく原作の絵を紹介したり、単に版権原画の画像を載せただけの作品もありました。
「なぜアニメの本なのに、本編の絵を紹介しないのだろう」という疑問は、待ち望んでいた2巻で解けました。
『テレビアニメ全集②』は、3か月後の1978年(昭和53年)9月に出版されました。その巻末に、著者である杉山卓さんがなぜ2巻の刊行まで時間がかかったのか、あとがきにその理由を綴っておられたのです。
「①よりは②の方が時期が新しいだけ資料が集めやすかろうと思ったのですが、実は大ちがい。ある意味では①以上に大変なこともありました。古い製作プロが消えたり、新しいプロが出来たかと思うと1、2作でなくなったりしてしまったりしているので、作品名は良く知られているのに資料がまったくないなどというのもあります。(後略)」
杉山卓(秋元文庫『テレビアニメ全集②』あとがきより)
自分は地方在住でしたから資料に触れる機会がないだけで、東京にある製作プロダクションや、テレビ局、スタッフの元には、ちゃんと資料は保存されているのだろうと思っていました。
ところが、子供の頃から好きだったアニメ作品の資料が、作品によってはどこにもなく失われてしまっているというのです。これには衝撃を受けました。(つづく)
秋元文庫『テレビアニメ全集②』(杉山卓/著)
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