ボリュームアップした『まんだらけZENBU86号』
- 2018/04/25
- 22:39
隔月刊の『まんだらけZENBU 86号』が、4月に発売されました。
今回は、5月のゴールデン・ウィーク中の5月3日、4日、5日の3日間、中野サンプラザで行われる大オークションの商品紹介と「大まん祭」のため、連載記事は全部お休みとなっています。
一冊まるごとオークション特集ですので、いつもより内容も更に盛りだくさんです。巻頭を飾る『ウルトラマン』シリーズの大特集では、グッズやソフビ、紙モノなど当時の懐かしい品が満載で圧倒されます。
特に目を引いたのは、『ウルトラセブン』劇中で使用されたというウルトラ警備隊のビデオシーバーのプロップと、成田亨さんが描かれた『ウルトラマン』の雄姿です。
劇中で実際に使用されていたビデオシーパーが現存していたことには、嬉しくなります。当時は、番組が終ると見学の子どもにあげていたそうです。大事にされていた方にとっても、宝物だったのでしょう。
成田亨さんの描く『ウルトラマン』は、印象的です。私も生前お付き合いさせていただきましたが、成田さんはウルトラマンを描くときには、絶対にカラータイマーをつけませんでした。「自分のデザインに、あんな無粋なものはいらない」と、いつもおっしゃっておられました。
これは、後年の個展開催時のポスター原画だった覚えがあります。凛々しく神々しい姿のウルトラマンに、在りし日の厳しくも優しかった成田さんを思い出しました。
色紙では、なんといっても表紙にも掲載された宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』です。さらさらっと描かれているようですが、優しく何かを語るような横顔は魅力的です。
「大まん祭」では、これらの品も公開されるようですから、実際にご覧になりたい方には見に行くチャンスでしょう。期間中は、資料性同人誌の即売会「資料性博覧会11」や、創作ソフビやシールとカード主体のイベント、鉄道グッズ・車TOY限定オークションなど、様々な催しが行われます。
アニメファンには、同誌長期連載の「アニメーション・インタビュー」の書籍化、『伝説のアニメ職人たち』第1巻の刊行を記念して行われる、金山明博さんのトークショーも見逃せないイベントでしょう。こちらは4日に行われ、会場では書籍も先行発売されます。
金山さんは、東映動画長編に参加していたお兄さんの影響で、宮崎駿さんたちの原画にも実際に触れておられ、アニメ参入以前のタツノコプロにもいたことがあります。劇画家時代は、佐藤まさあきさんのアシスタントを経験し、水木しげるさんや、さいとう・たかをさん、白土三平さんともお会いしたそうです。そしてアニメーターとして虫プロや日本サンライズを経て、今も絵を描き続けておられます。
当日は、マンガ・アニメの歴史を生き抜いてこられたレジェンドがどのようなエピソードを明かしてくださるのか、聞き手としても楽しみです。
オークションですのでいつもなかなか手は出せませんが、今号も眼福の一冊でした。

『まんだらけZENBU』86号(まんだらけ出版部刊)
今回、手塚治虫さんの『魔神ガロン』のカラー原画や、水木しげるさんの
貸本時代の『夜の草笛』の表紙原画が素敵でした。
今回は、5月のゴールデン・ウィーク中の5月3日、4日、5日の3日間、中野サンプラザで行われる大オークションの商品紹介と「大まん祭」のため、連載記事は全部お休みとなっています。
一冊まるごとオークション特集ですので、いつもより内容も更に盛りだくさんです。巻頭を飾る『ウルトラマン』シリーズの大特集では、グッズやソフビ、紙モノなど当時の懐かしい品が満載で圧倒されます。
特に目を引いたのは、『ウルトラセブン』劇中で使用されたというウルトラ警備隊のビデオシーバーのプロップと、成田亨さんが描かれた『ウルトラマン』の雄姿です。
劇中で実際に使用されていたビデオシーパーが現存していたことには、嬉しくなります。当時は、番組が終ると見学の子どもにあげていたそうです。大事にされていた方にとっても、宝物だったのでしょう。
成田亨さんの描く『ウルトラマン』は、印象的です。私も生前お付き合いさせていただきましたが、成田さんはウルトラマンを描くときには、絶対にカラータイマーをつけませんでした。「自分のデザインに、あんな無粋なものはいらない」と、いつもおっしゃっておられました。
これは、後年の個展開催時のポスター原画だった覚えがあります。凛々しく神々しい姿のウルトラマンに、在りし日の厳しくも優しかった成田さんを思い出しました。
色紙では、なんといっても表紙にも掲載された宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』です。さらさらっと描かれているようですが、優しく何かを語るような横顔は魅力的です。
「大まん祭」では、これらの品も公開されるようですから、実際にご覧になりたい方には見に行くチャンスでしょう。期間中は、資料性同人誌の即売会「資料性博覧会11」や、創作ソフビやシールとカード主体のイベント、鉄道グッズ・車TOY限定オークションなど、様々な催しが行われます。
アニメファンには、同誌長期連載の「アニメーション・インタビュー」の書籍化、『伝説のアニメ職人たち』第1巻の刊行を記念して行われる、金山明博さんのトークショーも見逃せないイベントでしょう。こちらは4日に行われ、会場では書籍も先行発売されます。
金山さんは、東映動画長編に参加していたお兄さんの影響で、宮崎駿さんたちの原画にも実際に触れておられ、アニメ参入以前のタツノコプロにもいたことがあります。劇画家時代は、佐藤まさあきさんのアシスタントを経験し、水木しげるさんや、さいとう・たかをさん、白土三平さんともお会いしたそうです。そしてアニメーターとして虫プロや日本サンライズを経て、今も絵を描き続けておられます。
当日は、マンガ・アニメの歴史を生き抜いてこられたレジェンドがどのようなエピソードを明かしてくださるのか、聞き手としても楽しみです。
オークションですのでいつもなかなか手は出せませんが、今号も眼福の一冊でした。

『まんだらけZENBU』86号(まんだらけ出版部刊)
今回、手塚治虫さんの『魔神ガロン』のカラー原画や、水木しげるさんの
貸本時代の『夜の草笛』の表紙原画が素敵でした。
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