『銀河疾風サスライガー』 祝 放映35周年
- 2018/04/28
- 08:26
1983年(昭和58年)4月5日に『銀河疾風サスライガー』がスタートして、今年で35周年を迎えました。『銀河旋風ブライガー』、『銀河烈風バクシンガー』と続く国際映画社の「J9シリーズ」三部作の棹尾を飾った作品です。
アニメブームの頃、「J9シリーズ」は他とは一味違う異彩を放ったテレビシリーズでした。
山本優さんのぶっ飛んだ設定とストーリー。四辻たかおさんによる、ロックに乗ったノリの良い演出。山本正之さんのギンギンのギター主体のBGM。小松原一男さんの洒落たキャラクター。金田伊功さんの『ブライガー』と、荒木伸吾さんによる『バクシンガー』という印象的なオープニング。
こうして書くと、なかなかすごい作品だったようにも思えます。ですが、脚本演出までは国内で、あとの作画や背景、彩色までほぼ海外発注という特異な制作体制でもあったのです。
そのため実際にフィルムになると、ちょっと首をかしげるところも多々ありました。
「オープニングは素晴らしいけど、本編はね…」、と言うのが、当時のアニメファン共通の認識でした。本編でも、面白いエピソードは結構あったのですが、『ブライガー』や『バクシンガー』まではカーメン・カーメンなど重要なゲストキャラ以外は、現地でのデザインだったのも不幸でした。
小松原さんのファッショナブルなキャラクターにそぐわず、チグハグした印象が強かったのです。
『ブライガー』では、日本から送られた絵コンテ通りにゲストを描いていたようです。当時は、インターネットもなくFAXでの連絡で、出来上がったセルや背景は航空便で韓国から送られていました。
ゲストキャラの服のデザインや色指定も地味なものが多く、せっかくいいエピソードなのに何故こうなるのかと、当時は不思議でした。
そんな残念な思いは、『銀河疾風サスライガー』では解消しました。オープニングはこれまでと違い、突出した出来ではありません。ただ本編の世界を、しっかりと描き出していました。
欲を言わせてもらえば、シルエットで描かれたギターのネックは気になりました。せっかくパステル調のメインキャラが出てくる印象的なカットなのですから、もう少しリアルに描いてくれればとは思ってました。
個人的に思い出すのは、ロックがブルースハープを吹く事です。それまでアニメでハーモニカが出てきても、普通のハーモニカでブルースハープが描かれることはなかったのです。アイキャッチでは、ロックがハープを吹き銃を撃つカットが毎回流れました。
後に四辻さんもハープ吹きで、ジョン・メイオールがお好きだったとお聞きしました。私もハープを吹いていましたので、お会いした際、好みのハーピスト談義が出来たことは楽しい思い出です。
『サスライガー』は作画も美術も、小松原さんのキャラと調和が取れていました。ゲストキャラもその世界にピッタリで、スタッフの本気度が分かりました。三作の中でも、一番安定していた作品だと思います。
現在、東京MXテレビでは、『サスライガー』の再放送が4月よりスタートしています。ブルースやロックたちJJ9チームのしゃれたビッグゲームを、35年ぶりに楽しみたいと思います。

『銀河疾風サスライガー』オープニングのセル
パステル色でトレスされたセルを何枚も重ねていました。
アニメブームの頃、「J9シリーズ」は他とは一味違う異彩を放ったテレビシリーズでした。
山本優さんのぶっ飛んだ設定とストーリー。四辻たかおさんによる、ロックに乗ったノリの良い演出。山本正之さんのギンギンのギター主体のBGM。小松原一男さんの洒落たキャラクター。金田伊功さんの『ブライガー』と、荒木伸吾さんによる『バクシンガー』という印象的なオープニング。
こうして書くと、なかなかすごい作品だったようにも思えます。ですが、脚本演出までは国内で、あとの作画や背景、彩色までほぼ海外発注という特異な制作体制でもあったのです。
そのため実際にフィルムになると、ちょっと首をかしげるところも多々ありました。
「オープニングは素晴らしいけど、本編はね…」、と言うのが、当時のアニメファン共通の認識でした。本編でも、面白いエピソードは結構あったのですが、『ブライガー』や『バクシンガー』まではカーメン・カーメンなど重要なゲストキャラ以外は、現地でのデザインだったのも不幸でした。
小松原さんのファッショナブルなキャラクターにそぐわず、チグハグした印象が強かったのです。
『ブライガー』では、日本から送られた絵コンテ通りにゲストを描いていたようです。当時は、インターネットもなくFAXでの連絡で、出来上がったセルや背景は航空便で韓国から送られていました。
ゲストキャラの服のデザインや色指定も地味なものが多く、せっかくいいエピソードなのに何故こうなるのかと、当時は不思議でした。
そんな残念な思いは、『銀河疾風サスライガー』では解消しました。オープニングはこれまでと違い、突出した出来ではありません。ただ本編の世界を、しっかりと描き出していました。
欲を言わせてもらえば、シルエットで描かれたギターのネックは気になりました。せっかくパステル調のメインキャラが出てくる印象的なカットなのですから、もう少しリアルに描いてくれればとは思ってました。
個人的に思い出すのは、ロックがブルースハープを吹く事です。それまでアニメでハーモニカが出てきても、普通のハーモニカでブルースハープが描かれることはなかったのです。アイキャッチでは、ロックがハープを吹き銃を撃つカットが毎回流れました。
後に四辻さんもハープ吹きで、ジョン・メイオールがお好きだったとお聞きしました。私もハープを吹いていましたので、お会いした際、好みのハーピスト談義が出来たことは楽しい思い出です。
『サスライガー』は作画も美術も、小松原さんのキャラと調和が取れていました。ゲストキャラもその世界にピッタリで、スタッフの本気度が分かりました。三作の中でも、一番安定していた作品だと思います。
現在、東京MXテレビでは、『サスライガー』の再放送が4月よりスタートしています。ブルースやロックたちJJ9チームのしゃれたビッグゲームを、35年ぶりに楽しみたいと思います。

『銀河疾風サスライガー』オープニングのセル
パステル色でトレスされたセルを何枚も重ねていました。
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- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:国際映画社
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