手塚治虫さんの画稿、海外で高額落札(その2)
- 2018/05/26
- 09:15
現在、アーカイブの動きとしてはジブリ美術館が有名です。しかし以前の、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などスタジオジブリ設立前後の時代のセルは、公開当時に一般にも販売されていました。まだまだアニメ資料の保存、研究については後手にまわっているようにも感じます。
手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、やなせたかしさんなど著名なマンガ家さんの個別の美術館やマンガミュージアムなどは、各地に設立されています。しかしアニメの資料を系統的に蒐集し専門に展示管理する、国立映画アーカイブのような公的機関はまだありません。
以前そのような動きになるかと期待された「国立メディア芸術総合センター」計画も、「国営マンガ喫茶」などと非難を受け潰れてしまったことも記憶に新しいことです。
最近はアニメなどの資料保存のために動く団体も出来、広く呼び掛けも始めているようです。
しかしコレクターたちが苦心して集めたものや、ご遺族が大事にされてきた故人の思い出の品を、単に寄付を募られるだけでは、簡単には手放すことはできないでしょう。
それぞれの蒐集家たちも、自身の審美眼と探求への強い意志によって集めてきた資料です。そんな思い入れのある品を単純に供出、と言われてもなかなか決心もつきません。例え預けることになっても、取捨選択は先方に委ねてしまうことになるのであれば、せっかく構築してきたコレクションの形が壊れてしまうことになりかねません。
聞いたところでは、これまでかなりの金額と労力をつぎ込み集めた資料についてそういった団体に相談した人もいるようですが、ただでなら引き取る、という返答を受け困惑してしまったそうです。
最近、家庭の事情や終活、ご本人の死去などの理由で、資料が手放される例が増えているようにも感じます。
貴重な資料の散逸や流出、廃棄も困りますが、それが後の世代のためにしかるべき形で保存され、ご遺族や蒐集家も満足できるような方法はなにかないだろうかと、今回の報道でまた考えました。(了)

手塚さんが描かれた虫プロ『鉄腕アトム』ヒゲオヤジの原画
手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、やなせたかしさんなど著名なマンガ家さんの個別の美術館やマンガミュージアムなどは、各地に設立されています。しかしアニメの資料を系統的に蒐集し専門に展示管理する、国立映画アーカイブのような公的機関はまだありません。
以前そのような動きになるかと期待された「国立メディア芸術総合センター」計画も、「国営マンガ喫茶」などと非難を受け潰れてしまったことも記憶に新しいことです。
最近はアニメなどの資料保存のために動く団体も出来、広く呼び掛けも始めているようです。
しかしコレクターたちが苦心して集めたものや、ご遺族が大事にされてきた故人の思い出の品を、単に寄付を募られるだけでは、簡単には手放すことはできないでしょう。
それぞれの蒐集家たちも、自身の審美眼と探求への強い意志によって集めてきた資料です。そんな思い入れのある品を単純に供出、と言われてもなかなか決心もつきません。例え預けることになっても、取捨選択は先方に委ねてしまうことになるのであれば、せっかく構築してきたコレクションの形が壊れてしまうことになりかねません。
聞いたところでは、これまでかなりの金額と労力をつぎ込み集めた資料についてそういった団体に相談した人もいるようですが、ただでなら引き取る、という返答を受け困惑してしまったそうです。
最近、家庭の事情や終活、ご本人の死去などの理由で、資料が手放される例が増えているようにも感じます。
貴重な資料の散逸や流出、廃棄も困りますが、それが後の世代のためにしかるべき形で保存され、ご遺族や蒐集家も満足できるような方法はなにかないだろうかと、今回の報道でまた考えました。(了)

手塚さんが描かれた虫プロ『鉄腕アトム』ヒゲオヤジの原画
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