祝『アニメージュ』創刊４０周年

　老舗のアニメ雑誌『アニメージュ』が、６月９日発売の２０１８年７月号で創刊４０周年を迎えました。途中から判型はＡ４正寸からＡ４ワイド判になりましたが、通巻にして４８１号です。

　創刊は１９７８年（昭和５３年）6月１０日発売の７月号です。この号を手にしたときの興奮は、今でも忘れられません。
　それまであまり注目もされず、マンガよりもさらに注目度が低かった「アニメ」をテーマにした月刊誌がついに創刊されたのです。子ども向けテレビ誌『テレビランド』増刊という形でしたが、中高校生向きに作られた誌面は、ページをめくるのにもワクワクしたものです。

　メインの特集は、当時爆発的人気だった『宇宙戦艦ヤマト』の劇場版第二作、『さらば宇宙戦艦ヤマト　愛の戦士たち』の新作情報でした。
　その後も、『ヤマト』から、『銀河鉄道９９９』、『機動戦士ガンダム』。そして『超時空要塞マクロス』、『うる星やつら』、『美少女戦士セーラームーン』、『新世紀エヴァンゲリオン』などなど、様々な人気作品とともに、『アニメージュ』は時代を生きてきました。
　アニメ史的には、宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』を連載し、劇場版映画の制作まで持って行ったことが一番大きなことでしょう。その後、その動きがスタジオジブリ設立まで成したのですから、その功績は多大です。

　個人的には、創刊から２、３年位の頃の、荒木伸吾さんや金山明博さん、小松原一男さんなどのクリエーターにスポットを当てた人物特集が読みごたえがありました。

　アニメブーム初期には、『月刊ＯＵＴ』（みのり書房）や『アニメック』（ラポート）、『ジ・アニメ』（近代映画社）、『マイアニメ』（秋田書店）、『アニメディア』（学研）など、それぞれのカラーの雑誌が刊行されていましたが、今や生き残っているのは、『アニメージュ』と『アニメディア』、後発の『ニュータイプ』（ＫＡＤＯＫＡＷＡ）だけになりました。

　アニメ雑誌はその性格上、時代ごとに人気のアニメ作品を取り上げなければなりません。ですから毎号メインターゲットになるのは、常にその時代の１０代のアニメファンが中心になります。
　今では、読者としてはお呼びでない５０代となりましたが、先月号巻頭の高畑勲さんの追悼特集などが掲載されると、やっぱりありがたいものです。

　創刊４０周年を記念してクリエーターたちがコメントを寄せた記事は、楽しく読みました。残念ながら、一時期に一番併走していたはずの、宮崎駿さんのコメントはありませんでした。　ただ、富野悠由季さんの連載ページと、高畑勲さんの追悼ページにあった９０年代頃に同誌を見て発せられたというコメントは、なかなかずっしりとくるものでした。

　いまや雑誌がなかなか売れない、厳しい時代です。しかし、これからも多くの読者から支持される雑誌作りを続け、通巻５００号を目指して頑張っていただきたいと願っています。　
　

『アニメージュ』２０１８年７月号と創刊時のバックナンバー