サンエイムック『「ゲゲゲの鬼太郎」大解剖』
- 2018/07/28
- 11:32
古くからのマンガ・アニメファンにとっては、注目のムックが出ました。現在新シリーズが話題の『「ゲゲゲの鬼太郎」大解剖』(三栄書房刊)です。
三栄書房の「大解剖シリーズ」といえば、これまで『「あしたのジョー」大解剖』や『「ブラックジャック」大解剖』、『「コブラ」大解剖』など人気マンガ・アニメ作品を取り上げてくれました。
今回の第6期を中心にした『ゲゲゲの鬼太郎』特集は、巻末に水木しげるさんの原画ギャラリーもありますが、どちらかと言えばアニメシリーズがメインです。
記念すべきモノクロ版の第1シリーズ、カラー版の第2シリーズの鬼太郎を演じられ、現在は目玉親父を担当されている、野沢雅子さんや、第4期以外すべてのシリーズに参加されているアニメーターの清山滋崇さん。『墓場鬼太郎』で寝子を演じられ、水木しげるファンでもあるタレントの中川翔子さんのインタビューも掲載されています。
子どもの頃、第1作や第2作になじんできた者としては、鬼太郎といえば野沢雅子さん、というイメージがどうしても強いものです。ですから、今回の野沢さんのページはうれしいものでした。
また、アニメブーム以降に放映された80年代版『鬼太郎』も記憶に残っています。2007年に発行された特集本『おい鬼太郎 甦るゲゲゲの鬼太郎80’S』では、多くのアニメーターに取材していました。ですが清山さんのインタビューが無かったので、今回の記事は注目でした。
その他にも、キャラクターの変遷や妖怪大図鑑、歴代の名エピソード紹介。そして、美形となった最新シリーズのねこ娘特集と盛りだくさんです。
個人的には、モノクロ版第一話の予定だった「吸血木」AR台本に記された企画意図が紹介されてよかったです。ここからアニメ版『鬼太郎』がスタートしたのですから、感慨深く読みました。
できればページ数の関係もあったでしょうが、各シリーズのキャラクターを紹介に加えて、メインスタッフのリストもあるとよかったところです。
各シリーズではメインキャラのデザインも変わりましたが、それぞれ原作を生かした魅力的な鬼太郎たちです。その功績からも、せめてキャラクターデザイナーのお名前を紹介していただければとは思いました。
アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』は、各時代ごと作品の雰囲気も変化しています。ですが、どれも水木しげるさんの世界を大きく逸脱してはいません。これは原作を理解したうえで新作を送り出してきた、アニメスタッフの努力が大きいのでしょう。
世代が違っても、多くの人たちに愛され続けてきた鬼太郎です。現在のシリーズを楽しんでいる子どもたちが、またアニメを入り口にして原作の味わい深い世界も味わってもらえたらうれしいです。

水木プロ&東映アニメーション/監修『「ゲゲゲの鬼太郎」大解剖』(三栄書房刊)

第3期24話『子どもが消える!? 妖怪うぶめ』の回、清山滋崇さんの原画
三栄書房の「大解剖シリーズ」といえば、これまで『「あしたのジョー」大解剖』や『「ブラックジャック」大解剖』、『「コブラ」大解剖』など人気マンガ・アニメ作品を取り上げてくれました。
今回の第6期を中心にした『ゲゲゲの鬼太郎』特集は、巻末に水木しげるさんの原画ギャラリーもありますが、どちらかと言えばアニメシリーズがメインです。
記念すべきモノクロ版の第1シリーズ、カラー版の第2シリーズの鬼太郎を演じられ、現在は目玉親父を担当されている、野沢雅子さんや、第4期以外すべてのシリーズに参加されているアニメーターの清山滋崇さん。『墓場鬼太郎』で寝子を演じられ、水木しげるファンでもあるタレントの中川翔子さんのインタビューも掲載されています。
子どもの頃、第1作や第2作になじんできた者としては、鬼太郎といえば野沢雅子さん、というイメージがどうしても強いものです。ですから、今回の野沢さんのページはうれしいものでした。
また、アニメブーム以降に放映された80年代版『鬼太郎』も記憶に残っています。2007年に発行された特集本『おい鬼太郎 甦るゲゲゲの鬼太郎80’S』では、多くのアニメーターに取材していました。ですが清山さんのインタビューが無かったので、今回の記事は注目でした。
その他にも、キャラクターの変遷や妖怪大図鑑、歴代の名エピソード紹介。そして、美形となった最新シリーズのねこ娘特集と盛りだくさんです。
個人的には、モノクロ版第一話の予定だった「吸血木」AR台本に記された企画意図が紹介されてよかったです。ここからアニメ版『鬼太郎』がスタートしたのですから、感慨深く読みました。
できればページ数の関係もあったでしょうが、各シリーズのキャラクターを紹介に加えて、メインスタッフのリストもあるとよかったところです。
各シリーズではメインキャラのデザインも変わりましたが、それぞれ原作を生かした魅力的な鬼太郎たちです。その功績からも、せめてキャラクターデザイナーのお名前を紹介していただければとは思いました。
アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』は、各時代ごと作品の雰囲気も変化しています。ですが、どれも水木しげるさんの世界を大きく逸脱してはいません。これは原作を理解したうえで新作を送り出してきた、アニメスタッフの努力が大きいのでしょう。
世代が違っても、多くの人たちに愛され続けてきた鬼太郎です。現在のシリーズを楽しんでいる子どもたちが、またアニメを入り口にして原作の味わい深い世界も味わってもらえたらうれしいです。

水木プロ&東映アニメーション/監修『「ゲゲゲの鬼太郎」大解剖』(三栄書房刊)

第3期24話『子どもが消える!? 妖怪うぶめ』の回、清山滋崇さんの原画
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