石ノ森章太郎さんを多角的に考察する 『完全解析!石ノ森章太郎』
- 2018/08/26
- 09:32
新刊『生誕80周年記念読本 完全解析! 石ノ森章太郎』(監修/石森プロ)をいただきました。これは、4月に出た『完全解析! 出崎統』に続く、「完全解析!」シリーズの第2弾になります。今年、石ノ森章太郎さんが生誕80周年を迎えることを記念して、作品とその歩みを一冊にまとめた本です。
巻頭32ページにわたって収録されるカラーイラストが、うれしい企画です。本書のための新規インタビューもまた豪華です。
石ノ森さんとトキワ荘時代から交流のあった藤子不二雄Aさんや鈴木伸一さん、水野英子さん。そして、さとう・たかをさん、辻真先さん、すがやみつるさん、みなもと太郎さん。アニメ版『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』、『009-1』を手掛けられた紺野直幸さん、アニメ版『スカルマン』の出渕裕さん、『仮面ライダー SPRITS』の村枝賢一さん、石ノ森さん没後に『幻魔大戦』を受け継がれた早瀬マサトさんが、それぞれの視点から石ノ森さんとその作品について語っておられます。
昭和30年代生まれの私にとって、「石森章太郎」という名前はまず映像作品の原作者として子どもの頃より馴染んでいました。
幼稚園時代に観た東映動画長編の『サイボーグ009 怪獣戦争』が、最初の記憶です。さすがにストーリーは覚えていませんでしたが、可憐なヘレナや003が敵に捕らわれ顔の色が変わってしまう表現がショックでした。
その後、秋田書店のサンデーコミックスで『サイボーグ009』を読み、石森作品の奥深い魅力に改めてハマリました。
『ロボット刑事』や『変身忍者嵐』、『仮面ライダー』、『人造人間キカイダー』など、毎週テレビで見るヒーローの姿と違い、原作マンガは常に重く暗い世界でした。ヒーローであるがゆえの孤独と宿命。白黒で描かれているにも関わらず、そこにはテレビとは違う、もっと深い闇がありました。
当時の各作品でも、「石森」さんのペンタッチは冴え渡り、特に『仮面ライダー』の細密なペン画調のシャープな表現にはとても魅力を感じていました。他の新書版コミックスも探しましたし、連載中だった『番長惑星』や『鉄面探偵ゲン』なども毎週楽しみにしていたものです。
今回様々な執筆者が、デビュー時からトキワ荘時代。最大の理解者であった実姉との哀しい別れから海外取材旅行。帰国後の活躍まで、各時代の代表的作品を通して石ノ森さんの魅力に迫ります。
石ノ森さんが残された「萬画」作品は膨大なものです。少女マンガ、ギャク、ミステリ、SF、青年マンガ、その後もドラマ化された『HOTEL』や『日本経済入門』、大長編描き下ろしの『日本の歴史』など多岐にわたるジャンルを手掛けてこられました。
本書では、マンガ界のレジェンドである石ノ森さんが残された膨大な作品群を俯瞰で見ると共に、その足跡を辿ることができます。改めて、石ノ森作品に熱中していた頃を懐かしく思い出しました。

『完全解析! 石ノ森章太郎』(宝島社刊)
巻末収録の「全作品リスト1954-1997」が圧巻です。
巻頭32ページにわたって収録されるカラーイラストが、うれしい企画です。本書のための新規インタビューもまた豪華です。
石ノ森さんとトキワ荘時代から交流のあった藤子不二雄Aさんや鈴木伸一さん、水野英子さん。そして、さとう・たかをさん、辻真先さん、すがやみつるさん、みなもと太郎さん。アニメ版『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』、『009-1』を手掛けられた紺野直幸さん、アニメ版『スカルマン』の出渕裕さん、『仮面ライダー SPRITS』の村枝賢一さん、石ノ森さん没後に『幻魔大戦』を受け継がれた早瀬マサトさんが、それぞれの視点から石ノ森さんとその作品について語っておられます。
昭和30年代生まれの私にとって、「石森章太郎」という名前はまず映像作品の原作者として子どもの頃より馴染んでいました。
幼稚園時代に観た東映動画長編の『サイボーグ009 怪獣戦争』が、最初の記憶です。さすがにストーリーは覚えていませんでしたが、可憐なヘレナや003が敵に捕らわれ顔の色が変わってしまう表現がショックでした。
その後、秋田書店のサンデーコミックスで『サイボーグ009』を読み、石森作品の奥深い魅力に改めてハマリました。
『ロボット刑事』や『変身忍者嵐』、『仮面ライダー』、『人造人間キカイダー』など、毎週テレビで見るヒーローの姿と違い、原作マンガは常に重く暗い世界でした。ヒーローであるがゆえの孤独と宿命。白黒で描かれているにも関わらず、そこにはテレビとは違う、もっと深い闇がありました。
当時の各作品でも、「石森」さんのペンタッチは冴え渡り、特に『仮面ライダー』の細密なペン画調のシャープな表現にはとても魅力を感じていました。他の新書版コミックスも探しましたし、連載中だった『番長惑星』や『鉄面探偵ゲン』なども毎週楽しみにしていたものです。
今回様々な執筆者が、デビュー時からトキワ荘時代。最大の理解者であった実姉との哀しい別れから海外取材旅行。帰国後の活躍まで、各時代の代表的作品を通して石ノ森さんの魅力に迫ります。
石ノ森さんが残された「萬画」作品は膨大なものです。少女マンガ、ギャク、ミステリ、SF、青年マンガ、その後もドラマ化された『HOTEL』や『日本経済入門』、大長編描き下ろしの『日本の歴史』など多岐にわたるジャンルを手掛けてこられました。
本書では、マンガ界のレジェンドである石ノ森さんが残された膨大な作品群を俯瞰で見ると共に、その足跡を辿ることができます。改めて、石ノ森作品に熱中していた頃を懐かしく思い出しました。

『完全解析! 石ノ森章太郎』(宝島社刊)
巻末収録の「全作品リスト1954-1997」が圧巻です。
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