「オールタイム・ベスト・アニメーション」という難しいテーマに挑んだムック
- 2018/09/02
- 09:42
『映画秘宝』や『特撮秘宝』でおなじみの洋泉社より、アニメーションのベスト作品を選ぶムックが5月に発売されました。
別冊映画秘宝『アニメ秘宝発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション』というタイトルです。これはあえて「2017年のベストアニメーション」という括りではなく、現時点での古今東西の魅力的なアニメーション作品を紹介するという意欲的な企画です。
年度を限定せず、国内海外を問わずとなると選ぶ側も大変だったと思います。さすがに『映画秘宝』の編らしく評者の人選も幅広いものでした。
レジェンドである大塚康生さん、辻真先さん。そしてスペシャルインタビューでは井上俊之さん、長濱博史さん、會川昇さん、大畑晃一さん、髙橋渉さん。ベストテンアンケートにも、中島紳介さんや池田憲章さん、ふくやまけいこさん、角銅博之さんなど古くからのアニメファンにはおなじみの選者から、作家、映画監督、マンガ家や最近活躍されているライターまで、ジャンルを越えて多くの方が参加されています。
それぞれの視点から選ばれた作品はバラエティに富み、選出されたタイトルとその理由を読むだけでも楽しいものでした。
印象的だったのは、中島紳介さんのコメントです。コラムのタイトルにもなっている「基本的にアニメは、ここで選んだ10本のように、同時代を生きている若者たちのためのものだと思うからである」という言葉は、私も共感しました。
私自身、最近作よりも、若い時代に見ていた作品に思い入れがあるようです。今の時代の方が技術的に優れている作品も多いと思います。ですが、自分も若く理屈ではなく感性で受け止めていた頃の作品には、やはり強い愛着があるものです。
私も好きな作品は多すぎて、なかなか10作品を選び出すことはできません。もし選んだとしてもその時々によって何作品かのタイトルは変わるでしょう。
今回選者の皆さんが『パンダコパンダ』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『宇宙戦艦ヤマト』、『長靴をはいた猫』、『わんぱく王子の大蛇退治』、『じゃりん子チエ』、『あしたのジョー2』、『ガンバの冒険』、『装甲騎兵ボトムズ』、『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』、『ウォレスとグルミット』などのタイトルが挙げられているのは同感でうれしくなりました。
私でしたら、そこに『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『ゴワッパー5ゴーダム』、『きんぎょ注意報!』、『テクノポリス21C』をどう入れようかなどと、悩んでしまうところです。(もっと言えば、『サイボーグ クロちゃん』や『とんでも戦士ムテキング』、『ビバキャバクラ only You』など個人的に好きな作品はまだまだ出てきますが……)
本書を読んで、皆さんが自分なりのベスト10作品を考えてみるのもまた楽しいかもしれません。

別冊映画秘宝『アニメ秘宝 発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション』(洋泉社)A5判
別冊映画秘宝『アニメ秘宝発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション』というタイトルです。これはあえて「2017年のベストアニメーション」という括りではなく、現時点での古今東西の魅力的なアニメーション作品を紹介するという意欲的な企画です。
年度を限定せず、国内海外を問わずとなると選ぶ側も大変だったと思います。さすがに『映画秘宝』の編らしく評者の人選も幅広いものでした。
レジェンドである大塚康生さん、辻真先さん。そしてスペシャルインタビューでは井上俊之さん、長濱博史さん、會川昇さん、大畑晃一さん、髙橋渉さん。ベストテンアンケートにも、中島紳介さんや池田憲章さん、ふくやまけいこさん、角銅博之さんなど古くからのアニメファンにはおなじみの選者から、作家、映画監督、マンガ家や最近活躍されているライターまで、ジャンルを越えて多くの方が参加されています。
それぞれの視点から選ばれた作品はバラエティに富み、選出されたタイトルとその理由を読むだけでも楽しいものでした。
印象的だったのは、中島紳介さんのコメントです。コラムのタイトルにもなっている「基本的にアニメは、ここで選んだ10本のように、同時代を生きている若者たちのためのものだと思うからである」という言葉は、私も共感しました。
私自身、最近作よりも、若い時代に見ていた作品に思い入れがあるようです。今の時代の方が技術的に優れている作品も多いと思います。ですが、自分も若く理屈ではなく感性で受け止めていた頃の作品には、やはり強い愛着があるものです。
私も好きな作品は多すぎて、なかなか10作品を選び出すことはできません。もし選んだとしてもその時々によって何作品かのタイトルは変わるでしょう。
今回選者の皆さんが『パンダコパンダ』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『宇宙戦艦ヤマト』、『長靴をはいた猫』、『わんぱく王子の大蛇退治』、『じゃりん子チエ』、『あしたのジョー2』、『ガンバの冒険』、『装甲騎兵ボトムズ』、『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』、『ウォレスとグルミット』などのタイトルが挙げられているのは同感でうれしくなりました。
私でしたら、そこに『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『ゴワッパー5ゴーダム』、『きんぎょ注意報!』、『テクノポリス21C』をどう入れようかなどと、悩んでしまうところです。(もっと言えば、『サイボーグ クロちゃん』や『とんでも戦士ムテキング』、『ビバキャバクラ only You』など個人的に好きな作品はまだまだ出てきますが……)
本書を読んで、皆さんが自分なりのベスト10作品を考えてみるのもまた楽しいかもしれません。

別冊映画秘宝『アニメ秘宝 発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション』(洋泉社)A5判
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