ススキダトシオ(小林治)さん展 本日まで
- 2018/09/09
- 10:52
埼玉県立近代美術館で9月4日から9日まで行われているススキダトシオこと、東映動画出身のベテランアニメーター・小林治さんの展示に行ってきました。
個人のアニメーターによるテレビアニメの制作素材が公共の美術館で展示されることは、画期的なことです。
今回は『アニメーション作家生活55周年記念 昔ばなしとススキダトシオ(小林治)展』と題し、テレビアニメ『ふるさと再生 日本の昔ばなし』で小林さんが担当されたエピソードの原画やキャラクター表が公開されました。
『ふるさと再生 日本の昔ばなし』は、『まんが日本昔ばなし』の流れをひく作品です。前作から参加されている小林さんは、このシリーズでもご自身で演出・キャラクターデザイン・作画、時には動画までを手掛けていらっしゃいます。
『千両みかん』や『オオカミ石』、『番町皿屋敷』、『四谷怪談』、『牛鬼』など、ご自身で彩色された原画や、ハーモニーとその元となった原画、レイアウトが所狭しと展示され圧巻でした。
展示室中央に置かれた机は、閲覧スペースです。各机には、小林さんの手による絵コンテや、原画や動画、実際の画面のパラパラまんがも、手に取って見ることが出来ました。
70歳を過ぎても、生き生きと躍動感に溢れる原画は、さすがは小林さんとうれしくなりました。無駄をそぎ落としたようなキャラクターたちは、シンプルな線でまとめられていますが、リアルで味わい深く感じました。また荒れ狂う波など、自然現象の原画は一枚絵なのに動きも感じさせられます。
展示の中のカラー原画の彩色スタッフにシンエイ動画版『ドラえもん』の主題歌の作詞を手掛けられた楠部巧さんのお名前を、見つけられたのも収穫でした。
できましたら、現在何故「ススキダトシオ」というペンネームを使っておられるのか、種明かしもしていただけたらありがたかったところです。
会場には展示作品の解説やリスト、そして小林さんへのロングインタビューの小冊子も配布されています。古くからのファンでしたら、『ど根性ガエル』などが、記憶に残っていると思います。ただインタビューによると。小林さんご自身は『新ど根性ガエル』の方が印象に残っているそうです。
確かに、『新ど根性ガエル』のキャラはシンプルになった感じでしたが、これは小林さんの意図があったことも分かりました。
小林さんもまだまだお元気そうで、これからの作品も楽しみです。
公共の美術館での展示ということで、実現にはスタッフの方もいろいろ苦労されたと思います。
ここまで資料を見せてくださった小林さんと、展示を実現してくださった方々に感謝します。

「昔ばなしとススキダトシオ(小林治)展」チラシ
埼玉県立近代美術館〈一般展示室3〉B1F
JR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分

会場内光景

展示ボードその1 「うとう鳥のたたり」より

展示ボードその2
荒れくるう波と鳥たちの羽ばたきが動いているようです
個人のアニメーターによるテレビアニメの制作素材が公共の美術館で展示されることは、画期的なことです。
今回は『アニメーション作家生活55周年記念 昔ばなしとススキダトシオ(小林治)展』と題し、テレビアニメ『ふるさと再生 日本の昔ばなし』で小林さんが担当されたエピソードの原画やキャラクター表が公開されました。
『ふるさと再生 日本の昔ばなし』は、『まんが日本昔ばなし』の流れをひく作品です。前作から参加されている小林さんは、このシリーズでもご自身で演出・キャラクターデザイン・作画、時には動画までを手掛けていらっしゃいます。
『千両みかん』や『オオカミ石』、『番町皿屋敷』、『四谷怪談』、『牛鬼』など、ご自身で彩色された原画や、ハーモニーとその元となった原画、レイアウトが所狭しと展示され圧巻でした。
展示室中央に置かれた机は、閲覧スペースです。各机には、小林さんの手による絵コンテや、原画や動画、実際の画面のパラパラまんがも、手に取って見ることが出来ました。
70歳を過ぎても、生き生きと躍動感に溢れる原画は、さすがは小林さんとうれしくなりました。無駄をそぎ落としたようなキャラクターたちは、シンプルな線でまとめられていますが、リアルで味わい深く感じました。また荒れ狂う波など、自然現象の原画は一枚絵なのに動きも感じさせられます。
展示の中のカラー原画の彩色スタッフにシンエイ動画版『ドラえもん』の主題歌の作詞を手掛けられた楠部巧さんのお名前を、見つけられたのも収穫でした。
できましたら、現在何故「ススキダトシオ」というペンネームを使っておられるのか、種明かしもしていただけたらありがたかったところです。
会場には展示作品の解説やリスト、そして小林さんへのロングインタビューの小冊子も配布されています。古くからのファンでしたら、『ど根性ガエル』などが、記憶に残っていると思います。ただインタビューによると。小林さんご自身は『新ど根性ガエル』の方が印象に残っているそうです。
確かに、『新ど根性ガエル』のキャラはシンプルになった感じでしたが、これは小林さんの意図があったことも分かりました。
小林さんもまだまだお元気そうで、これからの作品も楽しみです。
公共の美術館での展示ということで、実現にはスタッフの方もいろいろ苦労されたと思います。
ここまで資料を見せてくださった小林さんと、展示を実現してくださった方々に感謝します。

「昔ばなしとススキダトシオ(小林治)展」チラシ
埼玉県立近代美術館〈一般展示室3〉B1F
JR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分

会場内光景

展示ボードその1 「うとう鳥のたたり」より

展示ボードその2
荒れくるう波と鳥たちの羽ばたきが動いているようです
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