木村圭市郎さんに感謝
- 2018/10/27
- 09:02
アニメーターの木村圭市郎さんが、10月19日に80歳で亡くなられました。心筋梗塞だったそうです。
木村さんは、昭和40年代に『サイボーグ009』の光線銃から放たれるビームや、『タイガーマスク』でのダイナミックなアクション、迫力の回りこみなどで古くからのファンにはおなじみです。そのアクション表現に憧れた、後進のアニメーターもたくさんいます。
一見こわもての感じですが、実際には豪快な口調ながら周囲に気遣いをされる優しい方でした。
『タイガーマスク』に影響を受けたと申し上げると、「みんなそう言うんだよ」と笑い、「それだけのものをやったってことは、勲章みたいなもんだよな」と、照れくさそうにしてらっしゃいました。
当時の作品はキャラクター重視の時代でしたから、最初あの荒々しいタッチで『タイガーマスク』を描いたことには、周囲の抵抗もかなりあったようです。
描かれる原画も独特で、レスラーのダイナミックな動きやフォルム、カメラワークを重視し、キャラの顔もラフだけのカットも結構あったと聞きました。
初期に動画を担当された村田四郎さんも、そんな原画を渡されて「あれには参りましたよ。キャラクターは合わせといてくれ、って言われるんだから」と以前、当時を思い出して笑っておられました。
木村さんからすれば、アニメーターなんだからキャラは描けるのが当たり前。どう動かすかが大事なことだ、と考えていらっしゃったのでしょう。
その後、物語の展開に沿ってキャラクターも後半になるとリアルな描写になっていき、木村さんは『タイガーマスク』から離れられます。当初の動き重視のスタイルからドラマも重厚になったため、それも仕方ないことだったのかもしれません。
ただ木村さんのダイナミックなアクションは、他社からも注目され、東京ムービーでは『アタックNO.1』、タツノコプロでは『紅三四郎』などでも活躍されました。
東京ムービーの初代『ルパン三世』では、キャラクターに合わせた原画を描いておられました。お見せしますと、「オレもちゃんと描いているよな「と、喜んでいただけました。
80年代以降も、『魔女っ子チックル』や『最強ロボ ダイオージャ』、『黄金戦士ゴールドライタン』などにご自身の会社ネオメディアを率い参加されました。その頃も、若手には最初にキャラクターの顔が入っていないラフ原画を渡し、クリーンナップさせて動きのタイミングなどを、実戦で指導されていたそうです。
ここ最近でもネオメディアの若い世代たちが描いた『ワンピース』の原画を見たり、同人誌を発表されたりと、お元気なご様子でした。また会おうと言ってくださっていたので、この訃報は残念です。
後世に残る、素晴らしいお仕事をされた木村圭市郎さんに改めて感謝いたします。

木村さんが描かれた『アタックNO.1』の原画
木村さんは、昭和40年代に『サイボーグ009』の光線銃から放たれるビームや、『タイガーマスク』でのダイナミックなアクション、迫力の回りこみなどで古くからのファンにはおなじみです。そのアクション表現に憧れた、後進のアニメーターもたくさんいます。
一見こわもての感じですが、実際には豪快な口調ながら周囲に気遣いをされる優しい方でした。
『タイガーマスク』に影響を受けたと申し上げると、「みんなそう言うんだよ」と笑い、「それだけのものをやったってことは、勲章みたいなもんだよな」と、照れくさそうにしてらっしゃいました。
当時の作品はキャラクター重視の時代でしたから、最初あの荒々しいタッチで『タイガーマスク』を描いたことには、周囲の抵抗もかなりあったようです。
描かれる原画も独特で、レスラーのダイナミックな動きやフォルム、カメラワークを重視し、キャラの顔もラフだけのカットも結構あったと聞きました。
初期に動画を担当された村田四郎さんも、そんな原画を渡されて「あれには参りましたよ。キャラクターは合わせといてくれ、って言われるんだから」と以前、当時を思い出して笑っておられました。
木村さんからすれば、アニメーターなんだからキャラは描けるのが当たり前。どう動かすかが大事なことだ、と考えていらっしゃったのでしょう。
その後、物語の展開に沿ってキャラクターも後半になるとリアルな描写になっていき、木村さんは『タイガーマスク』から離れられます。当初の動き重視のスタイルからドラマも重厚になったため、それも仕方ないことだったのかもしれません。
ただ木村さんのダイナミックなアクションは、他社からも注目され、東京ムービーでは『アタックNO.1』、タツノコプロでは『紅三四郎』などでも活躍されました。
東京ムービーの初代『ルパン三世』では、キャラクターに合わせた原画を描いておられました。お見せしますと、「オレもちゃんと描いているよな「と、喜んでいただけました。
80年代以降も、『魔女っ子チックル』や『最強ロボ ダイオージャ』、『黄金戦士ゴールドライタン』などにご自身の会社ネオメディアを率い参加されました。その頃も、若手には最初にキャラクターの顔が入っていないラフ原画を渡し、クリーンナップさせて動きのタイミングなどを、実戦で指導されていたそうです。
ここ最近でもネオメディアの若い世代たちが描いた『ワンピース』の原画を見たり、同人誌を発表されたりと、お元気なご様子でした。また会おうと言ってくださっていたので、この訃報は残念です。
後世に残る、素晴らしいお仕事をされた木村圭市郎さんに改めて感謝いたします。

木村さんが描かれた『アタックNO.1』の原画