『宇宙戦艦ヤマト2』 祝 放映開始40周年
- 2018/10/28
- 10:25
今から40年前の1978年(昭和53年)10月14日は、『宇宙戦艦ヤマト2』がの放映が始まった日です。日本テレビ系の土曜夜7時から、『新・巨人の星』の後を受けてのスタートでした。
この年の夏、劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が公開され、そのテレビ版にリメイクしたものでした。
第一作『宇宙戦艦ヤマト』がテレビシリーズを再編集し劇場版になったのとは、逆のパターンです。
『さらば』は、東映動画との制作で劇場版新作ということもあり、実力派のスタッフが数多く参加していました。ただ『ヤマト2』ではオフィスアカデミーでの制作に戻り、新たにスタッフを編成することに苦労したようです。
前年公開の第一作や、この夏の『さらば』で、世間的にアニメは大ブームとなりました。それによりアニメ自体の本数も増え、アニメーターが足りなくなっていたのです。ブームを牽引した『ヤマト』の新作を作るスタッフが、そのせいで足りなくなったとは皮肉なことです。
作画監督には、第一作の小泉謙三さんや白土武さん、そして宇田川一彦さんが参加されました。第一作では、作監によってそれぞれの絵柄も個性的でした。ただ『ヤマト2』では、古代たちも成長に合わせた大人しいキャラに統一され、前作のような各作監の個性はそれほど出なかったようです。
第一作の作画監督だった芦田豊雄さんや岡迫亘弘さんも参加されず、お二人の暖かいイメージのキャラクターを見ることができなかったのは残念でした。
ストーリーは、基本的には『さらば』の踏襲でした。ですが、次々出てくる敵のメカニックのリアルな描写や迫力ある宇宙戦、人間体となったテレサと島の淡い交流など、見ごたえもありました。
当時話題になったのが、やはりラストの変更です。『さらば』では激しい戦闘の末、ヤマトのクルーは全員死んでしまうのですが、『ヤマト2』では生きて地球に帰るのです。
当時、これには戸惑いもありました。一度、劇場版で殺してこれが最後とメッセージを出しながら、リメイクしたテレビ版で生かすのは、続編のための商業主義だと怒りを感じた人も私を含め周囲にも結構いました。
ただ劇場であのラストを見たときにはあまりの衝撃に呆然としてしまったので、たとえご都合主義だとしても、生きて帰ってくれてよかったと次第に思うようになりました。
そもそも初代『ヤマト』で、古代守が無謀にもゆきかぜでガミラス艦に立ち向かう際も、「死ぬな」と言っていた沖田艦長が、命をかけた特攻を古代に勧めるとは納得できなかったのです。一作目からアニメーションディレクターを担当された石黒昇さんも、ご都合主義と言われるだろうけど、やっぱりあそこで生きて帰せてよかったと考えていますよ、と以前おっしゃっていました。
その後『ヤマト』は、『新たなる旅立ち』、『ヤマトよ永遠に』、『宇宙戦艦ヤマトⅢ』など続編が作られました。それぞれのクオリティはさすがでしたが、ファンも発表されるたびに複雑な気持ちではありました。
『ヤマト2』のラストで古代たちが生きて帰ってくれたことは、やはり第一作から思い入れのあるキャラクターでしたから、今はよかったと思っています。

『宇宙戦艦ヤマト2』原画 石黒昇さんは、その後『ヤマトよ永遠に』以降、
ヤマトには携わっていません。そこには深い思いがあったように感じます。
この年の夏、劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が公開され、そのテレビ版にリメイクしたものでした。
第一作『宇宙戦艦ヤマト』がテレビシリーズを再編集し劇場版になったのとは、逆のパターンです。
『さらば』は、東映動画との制作で劇場版新作ということもあり、実力派のスタッフが数多く参加していました。ただ『ヤマト2』ではオフィスアカデミーでの制作に戻り、新たにスタッフを編成することに苦労したようです。
前年公開の第一作や、この夏の『さらば』で、世間的にアニメは大ブームとなりました。それによりアニメ自体の本数も増え、アニメーターが足りなくなっていたのです。ブームを牽引した『ヤマト』の新作を作るスタッフが、そのせいで足りなくなったとは皮肉なことです。
作画監督には、第一作の小泉謙三さんや白土武さん、そして宇田川一彦さんが参加されました。第一作では、作監によってそれぞれの絵柄も個性的でした。ただ『ヤマト2』では、古代たちも成長に合わせた大人しいキャラに統一され、前作のような各作監の個性はそれほど出なかったようです。
第一作の作画監督だった芦田豊雄さんや岡迫亘弘さんも参加されず、お二人の暖かいイメージのキャラクターを見ることができなかったのは残念でした。
ストーリーは、基本的には『さらば』の踏襲でした。ですが、次々出てくる敵のメカニックのリアルな描写や迫力ある宇宙戦、人間体となったテレサと島の淡い交流など、見ごたえもありました。
当時話題になったのが、やはりラストの変更です。『さらば』では激しい戦闘の末、ヤマトのクルーは全員死んでしまうのですが、『ヤマト2』では生きて地球に帰るのです。
当時、これには戸惑いもありました。一度、劇場版で殺してこれが最後とメッセージを出しながら、リメイクしたテレビ版で生かすのは、続編のための商業主義だと怒りを感じた人も私を含め周囲にも結構いました。
ただ劇場であのラストを見たときにはあまりの衝撃に呆然としてしまったので、たとえご都合主義だとしても、生きて帰ってくれてよかったと次第に思うようになりました。
そもそも初代『ヤマト』で、古代守が無謀にもゆきかぜでガミラス艦に立ち向かう際も、「死ぬな」と言っていた沖田艦長が、命をかけた特攻を古代に勧めるとは納得できなかったのです。一作目からアニメーションディレクターを担当された石黒昇さんも、ご都合主義と言われるだろうけど、やっぱりあそこで生きて帰せてよかったと考えていますよ、と以前おっしゃっていました。
その後『ヤマト』は、『新たなる旅立ち』、『ヤマトよ永遠に』、『宇宙戦艦ヤマトⅢ』など続編が作られました。それぞれのクオリティはさすがでしたが、ファンも発表されるたびに複雑な気持ちではありました。
『ヤマト2』のラストで古代たちが生きて帰ってくれたことは、やはり第一作から思い入れのあるキャラクターでしたから、今はよかったと思っています。

『宇宙戦艦ヤマト2』原画 石黒昇さんは、その後『ヤマトよ永遠に』以降、
ヤマトには携わっていません。そこには深い思いがあったように感じます。
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