『マカロニほうれん荘』展 IN 福岡
- 2019/01/05
- 09:21
年末、JR九州小倉駅新幹線口側の通路を歩いていると、『マカロニほうれん荘』のフラッグが天井にはためいていました。北九州漫画ミュージアムで、11月17日から1月17日まで行われている「『マカロニほうれん荘』展 in 福岡」の告知です。
『マカロニほうれん荘』といえば、1977年(昭和52年)から79年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店刊)に連載されていた鴨川つばめさんによる大ヒット作です。
当時は、手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、藤子不二雄さん、赤塚不二夫さんなど、まだ大人世代のマンガ家が連載マンガではメインの時代でした。オンタイムの若い読者世代の気分を描く作品は、まだ少年マンガには存在していなかったのです。
そんな中、突如連載が始まった『マカロニほうれん荘』の登場は衝撃的でした。学校生活や恋愛などで若者が日々ふと感じる機微が描かれていたのです。
従来のギャグやシリアスなどのジャンルを越えた、独自の世界がそこにはありました。最新のロックやファッションを取り入れたスタイリッシュさ、マンガやアニメ、映画など様々なパロディ、そして縦横無尽に変化し暴れまわるキャラクターに、当時の読者は熱狂したのです。
ただ、『月刊少年チャンピオン』では『ドラネコロック』と、連載が増えた鴨川さんは、量産体制を強いられ疲弊されていきます。作風を守るため、実はほぼお一人で原稿を執筆されていたのです。
最後は、描くことが出来なくなり、『マカロニほうれん荘』は終了を迎えました。以降『マカロニ2』や『ミス愛子』、『プロスパイ』(東京ひよこ名義)などを発表されましたが、沈黙されていました。
連載から20年程経ってお会い出来た際は、お元気そうなお姿にファンとしてほっとしました。
当時の仕事部屋はまだ使っているとお聞きしたので、撮影もお願いしました。すると、「歳三やきんどーたちが居るから、誰も入れたくないんです」と固辞されたのです。この時は、鴨川さんの中に、今もトシちゃんやキンドーさんが生きているとお聞きできて、本当に嬉しく思っていました。
今回は、あの頃の『マカロニほうれん荘』の美しい画稿が、所狭しと展示されています。彩色されたカラー画稿には、ため息が出るほどです。さらに『ドラネコロック』の画稿も公開されていました、しげる君と親父さんのパワフルコンビに生原稿で再会できたのも喜びです。
そして、トシちゃんやキンドーさんの描き下ろし新作もありました。
ちょうど誰もいない会場に流れてきた、鴨川さんが選曲されたBGMのひとつ、10CCの「We Are not alone」は特に心に沁みました。トシちゃんやキンドーさんの歳は、こちらも越えてしまいましたが、40年以上前にリアルタイムでワクワクして連載を読んでいた地での再会に、また改めて元気をもらえた気がします。

小倉駅通路にはためく告知フラッグ

会場のグッズ一覧ポスター
ポストカードセット3種のうち、2種はもう売り切れでした。

どの画稿も思い出深いものです。
ご近所の『マカロニ』世代の皆さんには、おすすめです。
『マカロニほうれん荘』といえば、1977年(昭和52年)から79年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店刊)に連載されていた鴨川つばめさんによる大ヒット作です。
当時は、手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、藤子不二雄さん、赤塚不二夫さんなど、まだ大人世代のマンガ家が連載マンガではメインの時代でした。オンタイムの若い読者世代の気分を描く作品は、まだ少年マンガには存在していなかったのです。
そんな中、突如連載が始まった『マカロニほうれん荘』の登場は衝撃的でした。学校生活や恋愛などで若者が日々ふと感じる機微が描かれていたのです。
従来のギャグやシリアスなどのジャンルを越えた、独自の世界がそこにはありました。最新のロックやファッションを取り入れたスタイリッシュさ、マンガやアニメ、映画など様々なパロディ、そして縦横無尽に変化し暴れまわるキャラクターに、当時の読者は熱狂したのです。
ただ、『月刊少年チャンピオン』では『ドラネコロック』と、連載が増えた鴨川さんは、量産体制を強いられ疲弊されていきます。作風を守るため、実はほぼお一人で原稿を執筆されていたのです。
最後は、描くことが出来なくなり、『マカロニほうれん荘』は終了を迎えました。以降『マカロニ2』や『ミス愛子』、『プロスパイ』(東京ひよこ名義)などを発表されましたが、沈黙されていました。
連載から20年程経ってお会い出来た際は、お元気そうなお姿にファンとしてほっとしました。
当時の仕事部屋はまだ使っているとお聞きしたので、撮影もお願いしました。すると、「歳三やきんどーたちが居るから、誰も入れたくないんです」と固辞されたのです。この時は、鴨川さんの中に、今もトシちゃんやキンドーさんが生きているとお聞きできて、本当に嬉しく思っていました。
今回は、あの頃の『マカロニほうれん荘』の美しい画稿が、所狭しと展示されています。彩色されたカラー画稿には、ため息が出るほどです。さらに『ドラネコロック』の画稿も公開されていました、しげる君と親父さんのパワフルコンビに生原稿で再会できたのも喜びです。
そして、トシちゃんやキンドーさんの描き下ろし新作もありました。
ちょうど誰もいない会場に流れてきた、鴨川さんが選曲されたBGMのひとつ、10CCの「We Are not alone」は特に心に沁みました。トシちゃんやキンドーさんの歳は、こちらも越えてしまいましたが、40年以上前にリアルタイムでワクワクして連載を読んでいた地での再会に、また改めて元気をもらえた気がします。

小倉駅通路にはためく告知フラッグ

会場のグッズ一覧ポスター
ポストカードセット3種のうち、2種はもう売り切れでした。

どの画稿も思い出深いものです。
ご近所の『マカロニ』世代の皆さんには、おすすめです。
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