紙の出版物がピークの半分以下に
- 2019/01/27
- 09:43
昨年12月26日の産経新聞で、気になる記事を見つけました。
2018年の書籍と雑誌の推定金額が、ピークの平成8年(1996年)の半分を割り込む見通しだそうです。
これは、出版科学研究所の調査で、1月から11月の電子出版を除く販売実績を基に通年の販売金額を予測したものです。出版物の販売金額は前年比より6%程度減少し、14年連続の前年割れになるそうです。
市場規模もピーク時の48%まで半減しており、グラフを見ると昭和50年代前半の水準に戻っています。なかでも、雑誌は前年比10%減で、昨年に次ぐマイナスのようです。
雑誌には、雑誌扱いのコミックスも含まれているので、事態はより深刻です。自分も以前のように雑誌や本を買っていません。電子版書籍にはまだ縁がないので、純粋に購入金額は減っていることになります。
確かにアニメ関連を見ても、昔のようにムックや書籍が出版されることが少なくなっています。
現在もアニメの人気作品は次々に現れていますが、関連出版物はさほど刊行されていないようです。好きな作品を紙の媒体で手元に置きたいと思うファンも少なくなった、ということでしょうか。
かつて昭和52年(1977年)前後のアニメブームの波をくぐった世代は、好きなアニメやその情報に飢えていました。
まだ家庭用のビデオなど映像ソフトも出回っておらず、好きな作品をもう一度見るためには、テレビ局に再放送の嘆願署名を出したり、フィルムを借りて自分たちで上映するしかなかった時代です。
もちろんグッズも子ども向けしか無く、ムックや書籍、アニメ雑誌も存在しません。ネットもまだありませんから、雑誌の投稿欄で同好の士を探して文通し、同人誌を作るなど地道な活動をしていたのです。
そんななか、『宇宙戦艦ヤマト』の劇場公開によってアニメブームが本格化し、『アニメージュ』などのアニメ雑誌や、アニメムックも各社から出版されるようになりました。
この頃は劇場版など人気作品は様々な出版社からムックが出され、どれを買うか迷っていたことを思い出します。それからしばらくすると、読者層の成長に合わせてか活字のアニメ関連書籍も徐々に刊行されるようになりました。
ネット時代に入った今は、配信などでも好きな作品をいつでも見ることの出来る時代になっています。
現在では、ムックなどはファンの志向にそぐわなくなったのかもしれません。ただ、やはり今でもアニメ関連の書籍を出してくれる出版社の存在はありがたいものです。やはり、手元でページを開いて読むムックには、独自の魅力があります。
時間を経て発掘される資料や、今だからこそ聞けるインタビューなどもあるのではないでしょうか。
書店数の減少などマーケットが縮小し採算も厳しい時代ですが、一定の購買層が見込めそうであれば、読者として是非とも刊行をお願いしたいところです。
今後も、紙媒体ならではの切り口で楽めるアニメ関連書籍を、応援していきたいと思います。

2018年12月26日付け産経新聞

徳間書店のロマンアルバムは、老舗のアニメムックのレーベルです。
最近は、新刊の刊行がないのは寂しいところです。
2018年の書籍と雑誌の推定金額が、ピークの平成8年(1996年)の半分を割り込む見通しだそうです。
これは、出版科学研究所の調査で、1月から11月の電子出版を除く販売実績を基に通年の販売金額を予測したものです。出版物の販売金額は前年比より6%程度減少し、14年連続の前年割れになるそうです。
市場規模もピーク時の48%まで半減しており、グラフを見ると昭和50年代前半の水準に戻っています。なかでも、雑誌は前年比10%減で、昨年に次ぐマイナスのようです。
雑誌には、雑誌扱いのコミックスも含まれているので、事態はより深刻です。自分も以前のように雑誌や本を買っていません。電子版書籍にはまだ縁がないので、純粋に購入金額は減っていることになります。
確かにアニメ関連を見ても、昔のようにムックや書籍が出版されることが少なくなっています。
現在もアニメの人気作品は次々に現れていますが、関連出版物はさほど刊行されていないようです。好きな作品を紙の媒体で手元に置きたいと思うファンも少なくなった、ということでしょうか。
かつて昭和52年(1977年)前後のアニメブームの波をくぐった世代は、好きなアニメやその情報に飢えていました。
まだ家庭用のビデオなど映像ソフトも出回っておらず、好きな作品をもう一度見るためには、テレビ局に再放送の嘆願署名を出したり、フィルムを借りて自分たちで上映するしかなかった時代です。
もちろんグッズも子ども向けしか無く、ムックや書籍、アニメ雑誌も存在しません。ネットもまだありませんから、雑誌の投稿欄で同好の士を探して文通し、同人誌を作るなど地道な活動をしていたのです。
そんななか、『宇宙戦艦ヤマト』の劇場公開によってアニメブームが本格化し、『アニメージュ』などのアニメ雑誌や、アニメムックも各社から出版されるようになりました。
この頃は劇場版など人気作品は様々な出版社からムックが出され、どれを買うか迷っていたことを思い出します。それからしばらくすると、読者層の成長に合わせてか活字のアニメ関連書籍も徐々に刊行されるようになりました。
ネット時代に入った今は、配信などでも好きな作品をいつでも見ることの出来る時代になっています。
現在では、ムックなどはファンの志向にそぐわなくなったのかもしれません。ただ、やはり今でもアニメ関連の書籍を出してくれる出版社の存在はありがたいものです。やはり、手元でページを開いて読むムックには、独自の魅力があります。
時間を経て発掘される資料や、今だからこそ聞けるインタビューなどもあるのではないでしょうか。
書店数の減少などマーケットが縮小し採算も厳しい時代ですが、一定の購買層が見込めそうであれば、読者として是非とも刊行をお願いしたいところです。
今後も、紙媒体ならではの切り口で楽めるアニメ関連書籍を、応援していきたいと思います。

2018年12月26日付け産経新聞

徳間書店のロマンアルバムは、老舗のアニメムックのレーベルです。
最近は、新刊の刊行がないのは寂しいところです。
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