『テクノポリス21C』久々の劇場上映
- 2019/02/16
- 11:05
アニメブーム時に企画され1982年(昭和57年)に、小規模で劇場公開された『テクノポリス21C』が、3月に劇場で上映されます。
横浜にあるシネマノヴェチェントで、3月15日(金)13時、16日(土)14時半、17日(日)14時半、そして21日(木)13時からの、計4回の限定です。
しかも、16日はメカニカルデザインの宮武一貴さん、そして17日は脚本の松崎健一さんと、当時中心となったスタジオぬえのお二人による、トークショーも行われるそうです。
当初『テクノポリス21C』は、1977年頃テレビシリーズとして企画されました。
メカニックデザインやSF設定はスタジオぬえ、キャラクターデザインは天野嘉孝さん、そして美術設定は中村光毅さん、監督は石黒昇さん、シナリオ監修として佐々木守さんというメンバーの予定でした。実際は、タツノコプロが制作するはずだったとも聞いています。
残念ながら、スポンサーやテレビ局などへのセールスもうまくいかず、『フューチャーポリス ダブルナイン』からタイトルも変わり、完成していたシナリオをまとめて長編として制作されました。
作画の主体となったのは、タツノコプロ出身のプロデューサー、永井昌嗣さんが率いるドラゴンプロダクションです。美術は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズでおなじみの勝又激さんでした。
最初は実写企画ということで、ブレーダーたちテクロイドも初期は着ぐるみのような体形でした。また壬生京介(企画時は、滝京介)やエレナたちも、かなりリアルなアメコミ調デザインでした。
制作時には、石黒さんも別の作品で抜けられなくなり、総監督には実写映画の松本正志さん。そして、演出を担当されたのは「タイムボカン・シリーズ」でおなじみの大貫信夫さんでした。
当時『月刊OUT』などに制作中の記事が掲載され、期待も高まっていました。結局、2年後の公開となりましたが、この間テレビアニメは、急激に変化を迎えていました。1980年は『あしたのジョー2』、81年には『Dr.スランプ アラレちゃん』や『うる星やつら』などと、新感覚の作品が次々に登場していたのです。
『超時空要塞マクロス』もこの公開から二か月後のスタートでした。スタジオぬえの参加、石黒昇さん、タツノコプロ、と『マクロス』と『テクノポリス21C』には、いろいろと共通項も感じられます。
私も、1982年の公開時に劇場で見て、好きになった作品です。大きなスクリーンにその姿を現すセンチネルシティの巨大な外観、その時流れてくる久石譲さんのBGMは、今も忘れられません。藤原誠さんの歌う『いつか黒船』、そしてエンディングに流れる『ふりむけばラプソディ』も名曲です。
主演の安原義人さんや鳴海の内海賢二さんなど、キャストもぴったりで大人の雰囲気が洒落ていました。
スクリーンで上映されるこの機会に、改めてメカやキャラクターの作画、ストーリー、音楽など、魅力的な『テクノポリス21C』が、新しいファンにも話題になってくれるとうれしいところです。

『テクノポリス21C』の初期企画書の扉ページ

壬生京介のやんちゃで気のいいところのある楽天的なヒーロー像は、安原義人さんにピッタリでした。
横浜にあるシネマノヴェチェントで、3月15日(金)13時、16日(土)14時半、17日(日)14時半、そして21日(木)13時からの、計4回の限定です。
しかも、16日はメカニカルデザインの宮武一貴さん、そして17日は脚本の松崎健一さんと、当時中心となったスタジオぬえのお二人による、トークショーも行われるそうです。
当初『テクノポリス21C』は、1977年頃テレビシリーズとして企画されました。
メカニックデザインやSF設定はスタジオぬえ、キャラクターデザインは天野嘉孝さん、そして美術設定は中村光毅さん、監督は石黒昇さん、シナリオ監修として佐々木守さんというメンバーの予定でした。実際は、タツノコプロが制作するはずだったとも聞いています。
残念ながら、スポンサーやテレビ局などへのセールスもうまくいかず、『フューチャーポリス ダブルナイン』からタイトルも変わり、完成していたシナリオをまとめて長編として制作されました。
作画の主体となったのは、タツノコプロ出身のプロデューサー、永井昌嗣さんが率いるドラゴンプロダクションです。美術は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズでおなじみの勝又激さんでした。
最初は実写企画ということで、ブレーダーたちテクロイドも初期は着ぐるみのような体形でした。また壬生京介(企画時は、滝京介)やエレナたちも、かなりリアルなアメコミ調デザインでした。
制作時には、石黒さんも別の作品で抜けられなくなり、総監督には実写映画の松本正志さん。そして、演出を担当されたのは「タイムボカン・シリーズ」でおなじみの大貫信夫さんでした。
当時『月刊OUT』などに制作中の記事が掲載され、期待も高まっていました。結局、2年後の公開となりましたが、この間テレビアニメは、急激に変化を迎えていました。1980年は『あしたのジョー2』、81年には『Dr.スランプ アラレちゃん』や『うる星やつら』などと、新感覚の作品が次々に登場していたのです。
『超時空要塞マクロス』もこの公開から二か月後のスタートでした。スタジオぬえの参加、石黒昇さん、タツノコプロ、と『マクロス』と『テクノポリス21C』には、いろいろと共通項も感じられます。
私も、1982年の公開時に劇場で見て、好きになった作品です。大きなスクリーンにその姿を現すセンチネルシティの巨大な外観、その時流れてくる久石譲さんのBGMは、今も忘れられません。藤原誠さんの歌う『いつか黒船』、そしてエンディングに流れる『ふりむけばラプソディ』も名曲です。
主演の安原義人さんや鳴海の内海賢二さんなど、キャストもぴったりで大人の雰囲気が洒落ていました。
スクリーンで上映されるこの機会に、改めてメカやキャラクターの作画、ストーリー、音楽など、魅力的な『テクノポリス21C』が、新しいファンにも話題になってくれるとうれしいところです。

『テクノポリス21C』の初期企画書の扉ページ

壬生京介のやんちゃで気のいいところのある楽天的なヒーロー像は、安原義人さんにピッタリでした。
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