『まんだらけZENBU』91号に、伊藤岩光さんインタビュー
- 2019/02/23
- 08:34
隔月刊の『まんだらけZENBU』の91号が2月10日に発売されました。今号は、敗戦後米軍占領時代の日本「OCCUPIED JAPAN」で製造されていた玩具特集です。100ページ以上に渡り、ブリキやセルロイドの人形、乗り物たちを紹介したオールカラーのページはいつもながら圧巻です。
連載記事では、成瀬正祐さんによる『護美之園』に、まず注目です。貸本劇画や赤本マンガなどA5判単行本とその内容を各出版社ごとに紹介する内容には、いつも新しい発見があります。
本題に入る前のイントロも著者の諧謔的文体が興味深いのですが、今回はご子息の通う小学校でのタブレット配布について、子を持つ親として切実な思いを明かしておられます。
確かに、学習も読書も遊びもタブレットで完結するようになれば、実際に本に接する機会は減ってしまいます。ご両親とも読書家の成瀬家にはいささか杞憂過ぎる気もしますが、今後心配になるのも分かります。
また、連載コラム「呪いをあなたに」第2回では、手塚治虫さんより3年前のSF作品に円盤が出てくるマンガを描いた漫画家がいたことを解明されています。手塚さんご自身は「自分が初めてではないかと思っている」と、講談社「手塚治虫漫画全集」『来るべき世界』第2巻のあとがきに書いていらっしゃいましたが、それを覆す新事実のようです。これは、よしたにまさる著『世界の謎 空飛円盤』(新伸書房)で、昭和23(1948)年2月15日に刊行されていたそうです。
これは長年、丹念にB6やA5の漫画単行本にあたってきた成瀬さんならではの発見でしょう。
ほかには、斎藤あきらさんのマンガ家時代を振り返る「漫画仕事人参上!!」第51回では、赤塚不二夫さんのフジオプロが連載が減り業務縮小した頃のことや、日野日出志さんとの交流を描いておられます。
数々のヒット作を生み出し続けられた赤塚さんですが、後には不振の時代を迎えられました。スタッフのいなくなったスタジオの描写など、当事者の視点で描かれ改めてそのことが分かりました。
堤哲哉さんの『カード馬鹿一代』は、前号に続きアマダの『イナズマン』カードの特集です。カードを紹介と並行して、「ドクバラバンバ」のエピソードを『スペクトルマン』の「ドクロン」の回と比較しています。同じモチーフであっても、両作品のラストが違ってくるということは興味深いことでした。
今回「アニメーション・インタビュー」は、東映動画で長年、美術監督を務められた伊藤岩光さんです。
伊藤さんは、『惑星ロボ ダンガードA』や『SF西遊記 スタージンガー』、『我が青春のアルカディア』、『銀牙 流れ星銀』、『銀河疾風サスライガー』などの作品の美術監督、美術デザイナーを担当されました。また背景・美術の指導で、韓国の大元動画にも一年、現地に行っていたこともあるそうです。
昨年、不慮の事故で負った大けがをリハビリのご努力で快復されたそうで、アニメ以外にもいろいろと勉強になるお話でした。

『まんだらけZENBU』91号(まんだらけ出版部)
今回掲載された昭和38年(1963年)の劇画同人誌『もぐらNO.4』には、
荒木伸吾さん、あだち充さんのカットも掲載されおり劇画時代の貴重な資料です。
連載記事では、成瀬正祐さんによる『護美之園』に、まず注目です。貸本劇画や赤本マンガなどA5判単行本とその内容を各出版社ごとに紹介する内容には、いつも新しい発見があります。
本題に入る前のイントロも著者の諧謔的文体が興味深いのですが、今回はご子息の通う小学校でのタブレット配布について、子を持つ親として切実な思いを明かしておられます。
確かに、学習も読書も遊びもタブレットで完結するようになれば、実際に本に接する機会は減ってしまいます。ご両親とも読書家の成瀬家にはいささか杞憂過ぎる気もしますが、今後心配になるのも分かります。
また、連載コラム「呪いをあなたに」第2回では、手塚治虫さんより3年前のSF作品に円盤が出てくるマンガを描いた漫画家がいたことを解明されています。手塚さんご自身は「自分が初めてではないかと思っている」と、講談社「手塚治虫漫画全集」『来るべき世界』第2巻のあとがきに書いていらっしゃいましたが、それを覆す新事実のようです。これは、よしたにまさる著『世界の謎 空飛円盤』(新伸書房)で、昭和23(1948)年2月15日に刊行されていたそうです。
これは長年、丹念にB6やA5の漫画単行本にあたってきた成瀬さんならではの発見でしょう。
ほかには、斎藤あきらさんのマンガ家時代を振り返る「漫画仕事人参上!!」第51回では、赤塚不二夫さんのフジオプロが連載が減り業務縮小した頃のことや、日野日出志さんとの交流を描いておられます。
数々のヒット作を生み出し続けられた赤塚さんですが、後には不振の時代を迎えられました。スタッフのいなくなったスタジオの描写など、当事者の視点で描かれ改めてそのことが分かりました。
堤哲哉さんの『カード馬鹿一代』は、前号に続きアマダの『イナズマン』カードの特集です。カードを紹介と並行して、「ドクバラバンバ」のエピソードを『スペクトルマン』の「ドクロン」の回と比較しています。同じモチーフであっても、両作品のラストが違ってくるということは興味深いことでした。
今回「アニメーション・インタビュー」は、東映動画で長年、美術監督を務められた伊藤岩光さんです。
伊藤さんは、『惑星ロボ ダンガードA』や『SF西遊記 スタージンガー』、『我が青春のアルカディア』、『銀牙 流れ星銀』、『銀河疾風サスライガー』などの作品の美術監督、美術デザイナーを担当されました。また背景・美術の指導で、韓国の大元動画にも一年、現地に行っていたこともあるそうです。
昨年、不慮の事故で負った大けがをリハビリのご努力で快復されたそうで、アニメ以外にもいろいろと勉強になるお話でした。

『まんだらけZENBU』91号(まんだらけ出版部)
今回掲載された昭和38年(1963年)の劇画同人誌『もぐらNO.4』には、
荒木伸吾さん、あだち充さんのカットも掲載されおり劇画時代の貴重な資料です。
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