バロン吉元さんの個展『バロン吉元☆元年』
- 2019/03/30
- 10:14
文京区にある弥生美術館で、1月より行われている『画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年』に行ってきました。
3月31日まで行われるバロン吉元さんの画稿をメインに、これまでの画業をたどった本格的な展示です。
バロン吉元さんといえば、『漫画アクション』に10年に渡って連載された『柔侠伝』シリーズや、『黒い鷲』そして『どん亀野郎』などでおなじみです。
ある時から、いつのまにかお名前を聞かなくなったと思っていました。実は、すべての連載を終わらせて渡米し、現地で名前を変えて活躍されていらっしゃったそうです。
当時から、日本の劇画の枠にはとどまらない「和風アメコミ」のような画風で描いていらっしゃったバロンさんには、必然のことだったのでしょう。
ただ、こうして改めて『柔侠伝』シリーズなど、かつて読者を熱狂させてくれた作品の原画を公開していただけるのは、ありがたいことです。
会場には、これまで描いてこられた様々な劇画作品のカラー原稿やハイライトシーン、そして魅惑のヒロインたちの登場シーンなどの画稿が、展示されていました。
バロンさんらしく、各作品のどこかに出ていたご本人の似顔絵の画稿集や、迫力のアクションシーンの原画集など、テーマごとに分けられた展示も見ごたえがありました。
また、渡米して向こうで描き始められたという大型絵画は、2階に展示されていました。見るものを圧倒するように迫る絵ですが、その中にも繊細な色気や儚さやも感じさせ、まさにバロンさんならではのオリジナルの世界でした。
会期中の2月17日に、展示作品は入れ替えられたそうですが、印刷されたページから受けるシャープな印象と違い、生原稿からは描いていた当時のバロンさんの、息づかいまでも感じさせられました。
幼少期の挿し絵や絵物語に熱中した時代から、横山まさみちさんの門を叩き劇画家デビュー。横山プロの同僚には、荒木伸吾さんもいらっしゃいました、また長沢節さんのセツモードセミナーに通っていた話。これで、バロンさんのヒロインたちのファッショナブルな姿のルーツも分かりました。
個人的には、愛用のペンや筆などの画材道具の展示も印象的でした。どこにでもありそうな画材から、あのような華麗で迫力の作品が生み出されるのですから、あらためてバロン吉元というクリエイターのすごさも実感しました。
会期は、3月31日までとあと僅かです。まだご覧になられていない方にも是非オススメしたい展示でした。

弥生美術館前の看板

展示会場2階の様子

バロンさんご愛用の画材道具
3月31日まで行われるバロン吉元さんの画稿をメインに、これまでの画業をたどった本格的な展示です。
バロン吉元さんといえば、『漫画アクション』に10年に渡って連載された『柔侠伝』シリーズや、『黒い鷲』そして『どん亀野郎』などでおなじみです。
ある時から、いつのまにかお名前を聞かなくなったと思っていました。実は、すべての連載を終わらせて渡米し、現地で名前を変えて活躍されていらっしゃったそうです。
当時から、日本の劇画の枠にはとどまらない「和風アメコミ」のような画風で描いていらっしゃったバロンさんには、必然のことだったのでしょう。
ただ、こうして改めて『柔侠伝』シリーズなど、かつて読者を熱狂させてくれた作品の原画を公開していただけるのは、ありがたいことです。
会場には、これまで描いてこられた様々な劇画作品のカラー原稿やハイライトシーン、そして魅惑のヒロインたちの登場シーンなどの画稿が、展示されていました。
バロンさんらしく、各作品のどこかに出ていたご本人の似顔絵の画稿集や、迫力のアクションシーンの原画集など、テーマごとに分けられた展示も見ごたえがありました。
また、渡米して向こうで描き始められたという大型絵画は、2階に展示されていました。見るものを圧倒するように迫る絵ですが、その中にも繊細な色気や儚さやも感じさせ、まさにバロンさんならではのオリジナルの世界でした。
会期中の2月17日に、展示作品は入れ替えられたそうですが、印刷されたページから受けるシャープな印象と違い、生原稿からは描いていた当時のバロンさんの、息づかいまでも感じさせられました。
幼少期の挿し絵や絵物語に熱中した時代から、横山まさみちさんの門を叩き劇画家デビュー。横山プロの同僚には、荒木伸吾さんもいらっしゃいました、また長沢節さんのセツモードセミナーに通っていた話。これで、バロンさんのヒロインたちのファッショナブルな姿のルーツも分かりました。
個人的には、愛用のペンや筆などの画材道具の展示も印象的でした。どこにでもありそうな画材から、あのような華麗で迫力の作品が生み出されるのですから、あらためてバロン吉元というクリエイターのすごさも実感しました。
会期は、3月31日までとあと僅かです。まだご覧になられていない方にも是非オススメしたい展示でした。

弥生美術館前の看板

展示会場2階の様子

バロンさんご愛用の画材道具
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