小池一夫さんに感謝
- 2019/04/30
- 09:26
劇画原作者の小池一夫さんが、4月17日に肺炎で亡くなられました。82歳でした。
古くからのマンガファンには、以前の小池一雄というお名前の方が馴染み深いでしょう。小島剛夕さんと組まれた『子連れ狼』は、何度もテレビドラマ化や映画化され、萬屋錦之介さんや若山富三郎さんなどが主人公の拝一刀を演じられました。
小島さんとのコンビでは、徳川家康と服部半蔵の成長を描いた『半蔵の門』も忘れられません。そのほか、公儀介錯人の朝右衛門の『首斬り朝』や、純愛を描いた異色の時代劇『ケイの凄春』、傘次郎と新子の夫婦が微笑ましい捕物物の『畳捕り傘次郎』、老齢で引退を迎えた剣客と忍者コンビを描く『春が来た』。ドラマ化された『乾いて候』など、数々の時代モノのヒット作があります。
なぜここまで時代モノで面白い作品を次々生み出されるのか、当時はかなりお年を召した方だと思っていました。後年、学生時代に『桃太郎侍』や、『青空剣法』など明朗時代小説の大家・山手樹一郎さんに師事されていたということを知り、納得しました。
現代や海外を舞台にした作品でも、平野仁さんと組まれた『青春の尻尾』や『少年の町ZF』。叶精作さんとの『実験人形ダミー・オスカー』や、『魔物語 愛しのベティ』、そして、石ノ森章太郎さんと組まれた『多羅尾伴内』などもあります。
上村一夫さんと組んだ『修羅雪姫』、そして池上遼一さんとの『傷追い人』、『クライングフリーマン』や、神田たけ志さんの『御用牙』、井上紀良さんの『マッド・ブル34』、神江里見さんとの『弐十手物語』などなど、数多くのヒット作が思い出されます。
小池さんの作品は、人間の欲や業、若者の衝動などが、時にはえげつないほど剥き出しに描かれます。そこをマンガ家さんたちが、自分なりの美学で表現されたからこそ、より魅力的に感じたのかもしれません。
いつも提唱されていらっしゃった「マンガはキャラたてが大事」というキャラクター論そのまま、小池さんのどの作品もタイトルから主人公の姿が思い浮かびます。
また作詞家としても、『マジンガーZ』(原作/永井豪)の「Zのテーマ」や「ぼくらのマジンガーZ」、『グレートマジンガー』(原作/永井豪)では「おれはグレートマジンガー」などを手がけられており、アニメファンにもおなじみです。当時テロップで見ていたときは、劇画原作者とまさか同一人物だとは、思いもしませんでした。
のちに『ヤングジャンプ』(集英社刊)で永井豪さんと組まれた『花平バズーカ』では、ハチャメチャな展開振りにまた驚かされました。
小池さんの作品は、息つく間もなく展開していくストーリー、弱さを持っていてどこか共感できる主人公。チャーミングで魅力的なヒロインたちなど、どれもが個性的で語られる物語も連載が毎回楽しみでした。
これまで、さまざまな大河ストーリーを多くのマンガ家・劇画家さんと組んで読ませてくださった、小池一夫さんに感謝いたします。

思い出の小池一夫さんの劇画作品 本棚を探すと結構ありました。
魅力的な絵師・平野仁さんの作品に出会えたのも、小池さんの原作のおかげです。
古くからのマンガファンには、以前の小池一雄というお名前の方が馴染み深いでしょう。小島剛夕さんと組まれた『子連れ狼』は、何度もテレビドラマ化や映画化され、萬屋錦之介さんや若山富三郎さんなどが主人公の拝一刀を演じられました。
小島さんとのコンビでは、徳川家康と服部半蔵の成長を描いた『半蔵の門』も忘れられません。そのほか、公儀介錯人の朝右衛門の『首斬り朝』や、純愛を描いた異色の時代劇『ケイの凄春』、傘次郎と新子の夫婦が微笑ましい捕物物の『畳捕り傘次郎』、老齢で引退を迎えた剣客と忍者コンビを描く『春が来た』。ドラマ化された『乾いて候』など、数々の時代モノのヒット作があります。
なぜここまで時代モノで面白い作品を次々生み出されるのか、当時はかなりお年を召した方だと思っていました。後年、学生時代に『桃太郎侍』や、『青空剣法』など明朗時代小説の大家・山手樹一郎さんに師事されていたということを知り、納得しました。
現代や海外を舞台にした作品でも、平野仁さんと組まれた『青春の尻尾』や『少年の町ZF』。叶精作さんとの『実験人形ダミー・オスカー』や、『魔物語 愛しのベティ』、そして、石ノ森章太郎さんと組まれた『多羅尾伴内』などもあります。
上村一夫さんと組んだ『修羅雪姫』、そして池上遼一さんとの『傷追い人』、『クライングフリーマン』や、神田たけ志さんの『御用牙』、井上紀良さんの『マッド・ブル34』、神江里見さんとの『弐十手物語』などなど、数多くのヒット作が思い出されます。
小池さんの作品は、人間の欲や業、若者の衝動などが、時にはえげつないほど剥き出しに描かれます。そこをマンガ家さんたちが、自分なりの美学で表現されたからこそ、より魅力的に感じたのかもしれません。
いつも提唱されていらっしゃった「マンガはキャラたてが大事」というキャラクター論そのまま、小池さんのどの作品もタイトルから主人公の姿が思い浮かびます。
また作詞家としても、『マジンガーZ』(原作/永井豪)の「Zのテーマ」や「ぼくらのマジンガーZ」、『グレートマジンガー』(原作/永井豪)では「おれはグレートマジンガー」などを手がけられており、アニメファンにもおなじみです。当時テロップで見ていたときは、劇画原作者とまさか同一人物だとは、思いもしませんでした。
のちに『ヤングジャンプ』(集英社刊)で永井豪さんと組まれた『花平バズーカ』では、ハチャメチャな展開振りにまた驚かされました。
小池さんの作品は、息つく間もなく展開していくストーリー、弱さを持っていてどこか共感できる主人公。チャーミングで魅力的なヒロインたちなど、どれもが個性的で語られる物語も連載が毎回楽しみでした。
これまで、さまざまな大河ストーリーを多くのマンガ家・劇画家さんと組んで読ませてくださった、小池一夫さんに感謝いたします。

思い出の小池一夫さんの劇画作品 本棚を探すと結構ありました。
魅力的な絵師・平野仁さんの作品に出会えたのも、小池さんの原作のおかげです。