毎年恒例となったゴールデンウィーク中のイベント。それは中野サンプラザで行われる、まんだらけの「大まん祭」です。
今回も5月4日に開催された「
資料性博覧会DX」に行ってきました。
今年で10周年を迎える資料系同人誌の展示即売会「
資料性博覧会DX」は、毎回参加サークルも増えています。なんと今回でついに100となり、それぞれの探求の成果となる同人誌や制作物を発表していました。
多くの人が集まった熱気の溢れる会場にお邪魔し、気になる資料系の同人誌を入手してきました。
まず、1984年(昭和59年)のタツノコアニメ『OKAWARI-BOY
スターザンS』を特集した『OKAWARI-BOY
スターザンS 35周年記念ファンブック』(横山めか著)。これは、放映当時の各アニメ誌の記事リストや全エピソードのイラスト付きガイド、スタッフリスト、そしてこの作品に参加していたアニメーターの浜崎博嗣さんのインタビューなどなど、作品愛のぎっしりつまった一冊でした。
また、ピープロや、幻の『妖怪人間ベム』パイロット版フィルムの考察など、埋もれた資料を地道に発掘研究してきたTプロ作品研究所の新刊は、『1970年代ピープロコレクション2』です。これは、資料集の正編と、『スペクトルマン』などの原画をオールカラーで紹介した分冊『1970年代ピープロコレクション2+』の2冊セットでした。
なかでも、うしおそうじさんの漫画家時代のヒット作『おせんち小町』のアニメ化企画『かのこちゃん』は、パイロット用に描かれていた原画も掲載されており、うしおさんも実現させたかった企画のようです。またピープロの契約書を集めたページでは、虫プロとPプロの『鉄腕アトム』の委託契約書、あなぐまグループ(後のあなぐまプロ?)との『0戦はやと』の発注契約書なども紹介されていました。どこから出てきたのか分かりませんが、これは重要な資料でしょう。
他には、『UFOロボ グレンダイザー』や『ゲッターロボ』、『宇宙円盤大戦争』などの、設定をまとめた『70年代TVアニメ設定集G』(現代視覚文化研究会OB会)や、『ヤマトよ永遠に』の公開時の資料やデータ、シナリオを採録し公開当時の状況を考察した『ヤマトよ永遠に 1980メモリアル』(小沼祐治著)の再刊。そして、同人誌印刷や即売会の初期を知るお一人の貴重な証言『同人誌の母 田中(赤桐)圭子さんインタビュー』(みるく・きゃらめる編)も興味深い内容でした。
注目だったのは、『太田じろうを探す旅』を毎回グレードアップされている、ふぐまつりさんの次作『THIS IS ロマンチック100%コレクションアルバム ムーミン』の予告チラシです。
あの商業誌並みに詳細かつ画像満載の『太田じろうを探す旅』を作られる方々が、懐かしい東京ムービー版と虫プロ版『ムーミン』について、どんな同人誌を作られるのか、今から楽しみです。
残念ながら午前中で売り切れてしまい入手できなかった同人誌もありましたが、今回もそれぞれの本に込められた情熱も感じながらゆっくりと堪能させていただこうと思います。
『資料性博覧会DX』で、入手できた資料系同人誌です。
会場先行発売だった中島紳介さんのサイン入り『PUFFと怪獣倶楽部の時代』は残念ながら売り切れていました。
『資料性博覧会DX』と「大まん祭」パンフレット。そして『THIS IS ロマンチック100%コレクションアルバム ムーミン』のチラシです。
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