進化を続けるスポーツマンガ
- 2019/06/02
- 09:58
誰でも、子どもの頃に熱中したスポーツ・マンガがあるでしょう。私の子ども時代は、『巨人の星』(原作/梶原一騎 画/川崎のぼる)や『あしたのジョー』(原作/高森朝雄 画/ちばてつや)、『タイガーマスク』(原作/梶原一騎 画/辻なおき)など梶原一騎さんの原作や、『アタックNo.1』(浦野千賀子)など“スポ根モノ”が全盛でした。
現在、読売新聞朝刊で連載されている「スポーツの力」。これは、来年開催の東京オリンピックに向け日本人のスポーツ観を考察する企画です。5月31日のテーマは、スポーツマンガの系譜でした。
1面には、『サインはV!』(原作/神保史郎 画/望月あきら)が紹介され、1964年(昭和39年)の東京五輪女子バレーで金メダルをとった大松博文監督率いる「東洋の魔女」の選手だった谷田絹子さんと、望月あきらさんのコメントも掲載されていました。この頃から日本は高度経済成長の時代に入り、マンガの世界も“スポ根モノ”は隆盛を極めることになります。中面からは、「漫画 熱血からリアル」と題して、記事が続きます。
『巨人の星』や『あしたのジョー』、『タイガーマスク』、『アタックNO.1』などは、次々にアニメ化され大ヒットとなりました。
そして70年代には、『ドカベン』(水島新司)や『エースをねらえ!』(山本鈴美香)、『キャプテン』(ちばあきお)、『がんばれ元気』(小山ゆう)など、より身近なキャラクターの内面や群像劇、それぞれのドラマや葛藤を描く作品が出てきます。
この記事では、楽しさや明るさ、ユーモアのある作品とも紹介されていますが、楽しさや明るさよりも、読者が自分たちの友だちのように感じられる存在が主人公だったような気もします。
80年代に入ると、『キャプテン翼』(高橋陽一)や『タッチ』(あだち充)、『YAWARA!』(浦沢義雄)など、等身大の登場人物たちによる明るくライトなスポーツマンガがヒットしました。
90年代は、今もファンの多い『SLAMDUNK』(井上雄彦)、『MAJOR』(満田拓也)、『はじめの一歩』(森川ショージ)など、リアリティを重視した人気作が生まれています。
2000年代以降でも、『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)や『ハイキュー』(古舘春一)など、スポーツを舞台にした優れたヒット作は出続けています。
「努力・友情・勝利」というテーマは、決して『少年ジャンプ』だけのテーマではありません。優れたスポーツマンガには、必ずこの要素が描かれてきました。
スポーツマンガがヒットすると、多くの子どもたちがそのスポーツに魅了され、これまで競技人口も増えてきました。これは日本だけではなく、海外にもアニメの『キャプテン翼』を見て、サッカーを始めたプロ選手も数多くいるそうです。たとえそのスポーツをやることはなくても、作中でひたむきに競技に向かい努力を重ね続ける登場人物の姿は、読む者の心を打ちます。
これからも、様々なスポーツを舞台にしたファンを魅了してくれるどんな作品が出てくるか楽しみです。

読売新聞5月31日朝刊に掲載された中面記事

夢のオールスターの競演です。
『巨人の星』星飛雄馬、『侍シャイアンツ』番場蛮、『ドカベン』里中智、『キャプテン』谷口タカオ
現在、読売新聞朝刊で連載されている「スポーツの力」。これは、来年開催の東京オリンピックに向け日本人のスポーツ観を考察する企画です。5月31日のテーマは、スポーツマンガの系譜でした。
1面には、『サインはV!』(原作/神保史郎 画/望月あきら)が紹介され、1964年(昭和39年)の東京五輪女子バレーで金メダルをとった大松博文監督率いる「東洋の魔女」の選手だった谷田絹子さんと、望月あきらさんのコメントも掲載されていました。この頃から日本は高度経済成長の時代に入り、マンガの世界も“スポ根モノ”は隆盛を極めることになります。中面からは、「漫画 熱血からリアル」と題して、記事が続きます。
『巨人の星』や『あしたのジョー』、『タイガーマスク』、『アタックNO.1』などは、次々にアニメ化され大ヒットとなりました。
そして70年代には、『ドカベン』(水島新司)や『エースをねらえ!』(山本鈴美香)、『キャプテン』(ちばあきお)、『がんばれ元気』(小山ゆう)など、より身近なキャラクターの内面や群像劇、それぞれのドラマや葛藤を描く作品が出てきます。
この記事では、楽しさや明るさ、ユーモアのある作品とも紹介されていますが、楽しさや明るさよりも、読者が自分たちの友だちのように感じられる存在が主人公だったような気もします。
80年代に入ると、『キャプテン翼』(高橋陽一)や『タッチ』(あだち充)、『YAWARA!』(浦沢義雄)など、等身大の登場人物たちによる明るくライトなスポーツマンガがヒットしました。
90年代は、今もファンの多い『SLAMDUNK』(井上雄彦)、『MAJOR』(満田拓也)、『はじめの一歩』(森川ショージ)など、リアリティを重視した人気作が生まれています。
2000年代以降でも、『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)や『ハイキュー』(古舘春一)など、スポーツを舞台にした優れたヒット作は出続けています。
「努力・友情・勝利」というテーマは、決して『少年ジャンプ』だけのテーマではありません。優れたスポーツマンガには、必ずこの要素が描かれてきました。
スポーツマンガがヒットすると、多くの子どもたちがそのスポーツに魅了され、これまで競技人口も増えてきました。これは日本だけではなく、海外にもアニメの『キャプテン翼』を見て、サッカーを始めたプロ選手も数多くいるそうです。たとえそのスポーツをやることはなくても、作中でひたむきに競技に向かい努力を重ね続ける登場人物の姿は、読む者の心を打ちます。
これからも、様々なスポーツを舞台にしたファンを魅了してくれるどんな作品が出てくるか楽しみです。

読売新聞5月31日朝刊に掲載された中面記事

夢のオールスターの競演です。
『巨人の星』星飛雄馬、『侍シャイアンツ』番場蛮、『ドカベン』里中智、『キャプテン』谷口タカオ
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