ちばてつやさんの『ひねもすのたり日記』第2巻
- 2019/06/22
- 09:59
『ビッグコミック』(小学館)で連載中の、ちばてつやさんによる『ひねもすのたり日記』第2巻が発売されました。
今回は、2017年4月10日号から2018年9月10日号まで掲載の33回分が収録されています。
『ひねもすのたり日記』は、ちばさんがご自身の少年時代やマンガ家時代のことを振り返りカラーで描く毎回4ページの連載マンガです。第2巻は、仲のよかったマンガ家仲間、高井研一郎さんとの思い出から、始まります。
そして実弟である『キャプテン』、『プレイボール』を描いたちばあきおさんの記憶。松本零士さんたちとの海外の旅、少年時代の貴重なマンガ仲間となった木内さんとの出会いと別れ。
せっかくお父上が手に入れた当時は貴重な自転車をだまされて失ってしまったことや、マンガとの出会いからデビューのいきさつなど様々なエピソードが、現在のちばさんの目を通して万華鏡のように描かれていきます。
この作品では、ちばさんご自身が歩んでこられた頃の情景もそのまま描かれているので、読者もまるでその時代を体験しているかのように引き込まれます。
しかも、ちばさんらしく喜びや悲しみの感情も一歩引いて描かれているので、よりそれぞれの事実が読む者に迫ってきます。
戦後の満州から家族全員で引揚げ苦労されてこられたちばさんは、この時代を頑張って生きてきた一般の人の代表にも感じます。
毎回カラーで描かれる『ひねもすのたり日記』は、どんなに辛い出来事が起こってもどこか捨て鉢にならない人間への暖かさを感じます。それこそが、ちばてつやさんの世界です。
第2巻でも、人の死がやはり描かれます。老境を迎えられたちばさんが、どのような死生観をお持ちになっておられるのか、なんとなく伝わってくる気もしました。
ちばさんのマンガ家としての歩みは、描き下ろし単行本から、月刊誌、そして週刊誌時代へとマンガが発展していく歴史そのものです。
こうして、ご自身の体験を新作で描き続けてくださる、ちばてつやさんに改めて感謝です。そしてこれからもお元気で、『ひねもすのたり日記』を末永くお続けいただければと願っています。

ちばてつや『ひねもすのたり日記』第2巻(小学館刊)
巻頭のエピソードは、生前の高井研一郎さんのことを思い出し、懐かしく読ませていただきました。
今回は、2017年4月10日号から2018年9月10日号まで掲載の33回分が収録されています。
『ひねもすのたり日記』は、ちばさんがご自身の少年時代やマンガ家時代のことを振り返りカラーで描く毎回4ページの連載マンガです。第2巻は、仲のよかったマンガ家仲間、高井研一郎さんとの思い出から、始まります。
そして実弟である『キャプテン』、『プレイボール』を描いたちばあきおさんの記憶。松本零士さんたちとの海外の旅、少年時代の貴重なマンガ仲間となった木内さんとの出会いと別れ。
せっかくお父上が手に入れた当時は貴重な自転車をだまされて失ってしまったことや、マンガとの出会いからデビューのいきさつなど様々なエピソードが、現在のちばさんの目を通して万華鏡のように描かれていきます。
この作品では、ちばさんご自身が歩んでこられた頃の情景もそのまま描かれているので、読者もまるでその時代を体験しているかのように引き込まれます。
しかも、ちばさんらしく喜びや悲しみの感情も一歩引いて描かれているので、よりそれぞれの事実が読む者に迫ってきます。
戦後の満州から家族全員で引揚げ苦労されてこられたちばさんは、この時代を頑張って生きてきた一般の人の代表にも感じます。
毎回カラーで描かれる『ひねもすのたり日記』は、どんなに辛い出来事が起こってもどこか捨て鉢にならない人間への暖かさを感じます。それこそが、ちばてつやさんの世界です。
第2巻でも、人の死がやはり描かれます。老境を迎えられたちばさんが、どのような死生観をお持ちになっておられるのか、なんとなく伝わってくる気もしました。
ちばさんのマンガ家としての歩みは、描き下ろし単行本から、月刊誌、そして週刊誌時代へとマンガが発展していく歴史そのものです。
こうして、ご自身の体験を新作で描き続けてくださる、ちばてつやさんに改めて感謝です。そしてこれからもお元気で、『ひねもすのたり日記』を末永くお続けいただければと願っています。

ちばてつや『ひねもすのたり日記』第2巻(小学館刊)
巻頭のエピソードは、生前の高井研一郎さんのことを思い出し、懐かしく読ませていただきました。
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