1979年(昭和54年)6月30日(土曜日)の夜、フジテレビ系で『
トンデモネズミ大活躍』(原作/ポール・ギャリコ)が放映されました。『ポセイドンアドベンチャー』の原作で知られる、アメリカの作家、ポール・ギャリコによる児童文学をアニメ化したものです。
これは「
日生ファミリースペシャル」として、7時半から9時まで一回だけの放映のスペシャル番組でした。
物語は、イギリスの小さな村に住む陶工のマイヤーじいさんが、ある日酔っ払って作ったうさぎの人形から始まります。そのうさぎは青い身体で耳が長く、尻尾がなかったのです。彼は、伝説のトンデモないネズミでした。
ある夜、命を得たうさぎは自らをトンデモネズミと名乗り家を出ますが、トンデモネズミはマン島にいるトンデモネコに食べられなければならないという昔からの言い伝えがあったのです。旅の途中でそれを知らされたトンデモネズミは、その理由を知るためにマン島に向かいます。
その後、オバケにであったり鷹のキャプテンホークにさらわれたり、空腹で倒れそうになったときには、人間のウェンディに助けられたりと、様々な経験をしていきます。
『
トンデモネズミ大活躍』は、この年の4月に放映された『まえがみ太郎』同様に、日本アニメーションの製作です。
当時の同社には、
森やすじさんや宮崎駿さん、高畑勲さんなど錚々たるスタッフが在籍していました。
スタッフも豪華でした。脚本には雪室俊一さん。絵コンテと演出は、『トム・ソーヤの冒険』の斉藤博さん。キャラクターデザインは、
森やすじさんと百瀬義行さん。百瀬さんは作画監督も担当されています。。美術監督は、山口俊和さん。色指定・仕上げ検査は、小山明子さん。録音監督は、浦上靖夫さん。そしてプロデューサーには、数々の名作劇場作品を手掛けられた松土隆二さんがあたられました。
トンデモネズミ役は野沢雅子さん。トンデモネコは熊倉一雄さん、おばけのドロロンは永井一郎さん、マイヤーじいさんは槐柳二さん。そして、ウエンディは杉山佳寿子さん、キャプテンホークは木原正二郎さんと、ナレーションには石坂浩二さんというベテラン勢が集合していました。
野沢さんは、まさに礼儀正しく無邪気で恐れを知らないトンデモネズミそのものでした。
数々の世界名作劇場に参加されたスタッフが結集した本作は、常に前向きに進もうとする主人公の姿が印象的でした。
トンデモネズミが小さい体で飛び跳ねたり、キャプテンホークの飛翔シーン、サーカスでのドタバタ劇など、各キャラクターの動きも楽しいものでした。
一度ビデオソフト化されたのですが、その後DVDにはなっていないようです。この『
トンデモネズミ大活躍』も是非、今の子どもたちにも見てほしい素敵な作品です。
『トンデモネズミ大活躍』ビデオソフト
『トンデモネズミ大活躍』セル
セルでも、トンデモネズミくんの青い色は目立ちますね。
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